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大漢風 項羽と劉邦

2014-06-21 00:04:58 | 銀幕



今年に入って、「項羽と劉邦」の物語にどっぷりつかっていました。
まず映画「項羽と劉邦/White Vengeance」(原題「鴻門宴伝奇」)を見て、どうしても詳しく知りたくなってドラマ「大漢風 項羽と劉邦」をゆっくりと見始め、離間の計の物語のところでいったん中断して「項羽と劉邦 鴻門の会」(原題「王的盛宴」)を見ました。そしてまたゆるゆるとこのドラマの後半を見て、全50話を見終わりました。

胡軍ファンの方は大概見ていられるドラマを遅まきながらやっと堪能しました。

見始めて、胡軍演じる項羽が勇ましく颯爽として早速目がハートになりましたが、物語は陰謀と殺戮と拷問が繰り広げられ、見るのも辛い時が何度もありました。
紀元前の物語でもあるし、中国に限らず西洋も東洋も、そして現在もどこかでやはりこんな残酷なことが行われているんだと思います。が、見るのがあまりに辛い時は早送りにしたり、そこのシーンだけ目をそらしてしまってました。見るストレスみたいになって胃痛になるので、へたれですみません。

そんななか見続けていると、物語の登場人物の性格が意外にも身近な人と似ていたり、彼らの生き方が良い例も悪い例も現在の私たちの生き方にいろいろ教えてくれているような気がしました。
それは「史記」を著した司馬遷の意向なのか、このドラマの脚本家が物語をふくらませたのか、歴史とはそもそも人間ドラマの記録だからそうなるのか、ちょっとわからないのですが。

そんなふうに時代が変わっても身近な人間ドラマに感じれるところ、そして登場人物が魅力的なことが「項羽と劉邦」の物語が今も読み継がれている大きな理由なのかもと思いました。


このドラマから感じたことを、書きたいと思います。

項羽

かっこいいので写真を大きくしました♪

こちらも素敵

胡軍の演じる項羽は、秦の始皇帝の陵墓に配された兵馬俑の戦士とよく似ていて、当時の武将はこんな感じだっただろうなあとうっとり見ました。
でも、自分の武勇に自身満々で気位が高く、すぐに「フン!」て言ってツンとするし、自分は選ばれた人間で自分が選んだ人物しか認めないぞという意識が強く、庶民や兵士を考えようとしない、楚王に卑怯な策をする傲慢さが鼻について嫌いに・・・
その傲慢さゆえに大切な人の大切な換言を聞き入れず、悪意を持った讒言にまんまとひっかかる浅はかなことをしでかしてしまった。
自分のことを、楚軍を心から思っていた范増を失ってから気づくなんて・・・それからやっと考え方を治すなんて遅いよ。
だけど、虞姫には本当に紳士でした。ほかの輩は虞姫を力づくでものにしようという野獣だったのに。虞姫には最高の男性でした。
そして、戦争が不利になってきても勇壮に戦い抜く姿に惚れ直しました。

虞姫と君児

楊恭如(クリスティ・ヨン)演じる虞姫は始めは現代的な顔立ちなので違和感があったけど、優しい雰囲気が素敵でだんだん好きになりました。虞姫にとって項羽のそばが唯一安心できるところだったのでしょう。


虞姫には姉妹のように仲が良くてお互いを思いやる侍女の君児(楊晶晶ヤン・ジンジン)がいました。君児はドラマの中の人物だけど、彼女は虞姫の身代わりに劉邦に襲われ、子供を産みます。戦局が不利になった時、虞姫と君児はその子を秘かに劉邦に渡します。この子に罪はないし劉邦の子だからきっと生かしてくれると望みをもって。劉邦は「劉長」と名付けてやはり秘かに育ての親を探してやります。
そのあと、君児は呂雉と手下の審 食其(シンイキ)に毒を盛られますが、逃げて劉邦に会い項羽と虞姫の安全を嘆願して自刃します。
この時代の女は哀しい。劉邦も君児の主を想う純粋な心に打たれ丁重に葬り、そのことを項羽にひっそり知らせます。
劉邦はたくさんの女を囲ったけど、こんな思いやりのある女性は劉邦のそばにいたのかしら。

項羽が虞姫を大切にして、侍女も大切にしてたからこその思いやりですね。君児は架空の人物ですが劉長は史実に存在します。史実の劉長も母を呂雉と手下の審 食其に見殺しにされます。

虞姫が項羽の前で剣舞して自刃する覇王別姫のシーンは美しく悲しい。これは自分の身を守るという意味もあったのでは。生きながらえていても乱世では女の人は欲望の対象か戦利品になってしまう。


劉邦

肖栄生(シャオ・ロンション)が演じてます。面長で人懐っこくて狡猾
仁徳があるというけど、虞姫を襲おうとして侍女の君児を無理やり手籠めにしてしまうし・・・
他の大将がひどすぎたのかな。有能な人が集まる器を持っていたらしいし。
楚でなくて漢が統一して良かったのでしょう、項羽は庶民をまた苦しめそうだから。

呂雉のちの呂后
 
演じるのは呉倩蓮(ン・シンリン)。劉邦の正妻。中国三大悪女の一人。
本当に本当に性悪だった(◎_◎;)少なくともこのドラマでは
こ、怖い・・
最初はふつうの勝気な女性だったけど、どんどん性悪になって化粧も濃くなって・・・。
その化粧もこの人だけ古代風の化粧でそれが怖い顔を演出してました。この女優さん、レスリーと共演した「夜半歌聲」とか「九星報喜」とかでは素敵な美人さんなのに、よくここまで悪女を演じきったものだと感心するし、この役を演じてから周りの人に性格を誤解されなかったかと心配してしまう。
呂雉は、自分がいたから漢帝国が築けたのよと言うし、私はどんなにつらい目に会ってるかと憐れっぽく言うけど。。確かに苦労も多かったし人質で辛い目にもあってるけど、もっと苦労している女性はこのドラマにたくさん登場していたし、この人のせいでひどい目にあったり殺された人はたくさんいる。
建国できたのだって多くの人の協力と犠牲の上じゃないか。
項羽と虞姫両方に嘘を言って誤解させ仲を裂こうとしたり、妊娠した虞姫にも心配を装って毒を飲ませて子供が産めない体にするし殺そうとするし。虞姫は何とか殺されずにすんだけど。
夫を奪い合った威妃は殺されます。呂雉の殺し方がまたとても残忍なんです。猟奇的というか。異常というか。・・このドラマもそういうシーンをはぶかないのね・・・見たくないシーンを早送りにしたけど最後のところは一瞬見てしまった((+_+))・・・自制できず感情の爆発のまま怒りを増幅する人だったような気がする。

・・・・後から彼女のもう一つの面を感じたことを記します。
呂雉は女傑でもあった事。
彼女は劉邦の実父とともに項羽軍の捕虜になり二人は見せしめのため磔になって今にも殺されそうになったとき、劉邦の父は恐怖のあまり失禁してしまうのですが、彼女は実に堂々として項羽に抗議をするのです。泣いたり許しを請い恨み言を言ったりしなかった。結局ぎりぎり命は助かったけど、それはまさに王者の風格がありました。
もしかしたら、呂雉が男だったら天下を統一したのかも・・・。

その彼女に付き従い彼女の意のまま悪事をする家来がいて、架空の人物かと思ったら実際にいた人だそうです。さっきから書いてる手下の審 食其(シンイキ)で、これがまた気持ち悪くて・・・(だから写真は載せない)
これはドラマでの演出だとは思うけど呂雉を「奥方様を誰よりも愛してるのはこの私」とかいってせまるのもウエ~(~_~;)
大体、ボスの奥さんで子供もいる人にそんなこと言っていいの?ふつう心の中で留めておくもんじゃないかい。
そしていつの間にか、二人はそういう関係になっていったらしいのを知ったときも気持ち悪かったです。それとも言うことをなんでもきかせるために関係をもったのか?
「フーレン(夫人)」と呼んでいたのがいつの間にか「ニャンニャン(娘娘)」と呼んでいて、どちらも奥さんという意味だけど、ニャンニャンという言い方が馴れ馴れしくて画面にペットボトル投げたくなりました。
そして項羽の死を審 食其が呂雉に知らせるとき、自分の顔を呂雉の顔すれすれに近づけて指でツツーっと呂雉の頬を撫でつけながら言うのです(=_=)。本当は項羽が好きだった呂雉は最初は笑ってたけど、審 食其(シンイキ)が過去に呂雉が二度も項羽にせまって袖にされたことを言って「これで気がすみましたね」なんて言うものだから、怒ってかんざしを掴んでコイツの腕をブスブス刺し、痛くてあわあわ逃げちゃう(というか、ずっと盗み見してたんだ・・)。その後呂雉は大声で泣いてしまう。悲しかったのと、意中にとどめてもいない家来に指摘されたのも悔しかったのだろうね。
そのあとも「お慰めに参りました」とにやにやしてきて、呂雉に「這いつくばりなさい」といわれると嬉しそうに這って「犬め」と言われても嬉しそう ・・・。
史実によると呂后の時代に丞相までのぼり朗中令となって宮殿内を取り仕切る側近中の側近になったそうです。
またまた史実によると最後は成長した劉長に殺されるそうです。


呂雉の残忍さはどこまでが本当かわからないけど、劉邦崩御後、少なくとも漢王室を劉家のかわりに呂家がとってかわるつもりで次々と劉邦の妃や子を、有力な武将や家来を粛清して地保を固めようとしたそうです。母の強烈さに比べ心優しい息子の二代目皇帝の恵帝も娘の魯元公主も母より先に亡くなってます。劉邦に付き従っていた家来はこのままではいけない、劉家を守らなくてはと話し合い、呂雉が亡くなるところでドラマがぷっつり終わります。

恵帝亡きあとは簿妃の子が文帝になったそうです。簿妃はたしかドラマで魏豹という男が戦利品として劉邦に差し出した奥さんだった人。う~む女はモノですか(~_~;)。

そのあと、調べてみたら、呂雉を失った呂家はことごとく殺されるそうです。呂雉の妹の呂須は鞭打ちの刑で死亡。多分少しは姉の威を借りてただろうけど呂雉に対する積りつもった恨みを妹が代わりに受けてしまったようですね。ふつうに病死した呂雉は本当に運の強い人だ。

さらに後漢を起こした光武帝は呂雉の皇后の地位と高皇后の地位をはく奪したそうです。そして薄妃を高皇后にして劉邦の正式な妻としたそうです。考えてみれば、呂后の血を引き継いだものは劉家にはいないのですから。

そんなこと言ってるけど、男どもは何十万人と人を殺しているし、残忍な殺し方もしているのだから、呂雉だけが異常がるのは不公平かもしれません。あの張良だって、自分たちが助かるために女たちをおとりにして殺させて逃げ延びているのだから、この時代の正義ってなんだろうと思います。

一つ呂雉が可哀想だなと思ったシーンがありました。項羽と虞姫が仲良く雪遊びしながら笑いあっている様子を見て、自分は夫にこんなには大事にされてない、いつも他に女を作っては入り浸り自分は冷たくされている、と涙ぐむのです。

息子や娘が小さい時の呂雉は愛情深い母親でした。自分の子供を邪魔にして馬車から突き飛ばした劉邦とは大違い!!。呂雉の恐ろしさはやはり劉邦の不誠実さにも原因があるのだろうね。

劉邦は、少なくともこのドラマでは、正直言って魅力を感じなかったです。でも、あまりに英雄聖人化しないで描かれているのはある意味誠実な物語作りをしているのだとも思いました。

呂雉はこの時代には稀有な、男たちにいいように流されずたくましく生きた女性でもありますしね。良い人じゃ生き残れない時代だったんですね。
虞姫は美しく優しい姫として京劇や映画で何度も描かれています。命は儚かったけど、こちらも歴史に名前が残ったのですねえ。


何やかやと長くなってしまったです(^^;)他の人物も、続きで書きたいと思います。





「大漢風」のドラマの中で、主人公の次に、いえ時に主人公を上回る存在感を持った登場人物3人がいます。

それは劉邦の部下で漢の三傑と呼ばれる蕭何と張良、そして韓信です。三人がまた仲が良くてお互いを評価しあっていて見ていて嬉しくなりました。

この三人がいたから劉邦は漢帝国を建国できたし、この三人が慕った劉邦はやっぱり大変な器の持ち主なんだろうなって思います。

蕭何(しょうか)

演じてるのは陽光(ヤン・グアン)。笑顔が素敵。
劉邦が平民だったころからの友人で、すでに役人として有能さを発揮してたそうです。劉邦と子分たちがチンピラっぽいなかで、一人品が良くて雰囲気が違ってました。
劉邦が漢中国の王になってからは丞相となって、劉邦と部下が漢中を出て次々と楚の項羽の傘下の国を攻めていく時には、漢中で、軍の整備や食物の備蓄をし後方支援を万全に整え途切れることなく、しかも民を苦しめなかったそうです。楚漢戦争が勝利した時には劉邦はまず蕭何の軍功を讃えたという名丞相。


張良

演じるのは沈保平(シェン・バオピン)。一目見て、五代目三遊亭圓楽師匠と似てる!と思いました。

秦に滅ぼされた韓の国出身。韓は今の韓国ではなく当時中国中部にあった国です。秦の悪政を憎み、暗殺を謀るも失敗して逃げ延びるのですが、そのことが秦王朝を倒そうとする有志たちの間で評判になったようです。
そして新しく統一するべき皇帝には戦いに強い能者ではなく、賢者こそがふさわしいというはっきりした展望を持っている人でした。
”賢者とは如何なる者か?暴政を倒し、仁徳で天下を治め民に太平を享受させるものが賢者である”
張良は劉邦に会い、この人こそ天下を治める人だと感じ付き従い、劉邦も誰よりも信頼を置いて張良の策を積極的に取り入れたのです。
ドラマでみると敵軍やその周辺の情報を分析して大きな動きや小さな予兆を察知し的確な判断をしてました。洞察力と人を見る力が鋭かったです。軍議をしてるとき誰かが提案した意見が良いと張良がにこやかにこっくりとうなずくのを見ると、劉邦はホッと安心してその案を採用してました。

その策士としての能力もさることながら、私自身が感心したのは人当たりの柔らかさなんです。とても頭がいい人だからといってそれを鼻にかけず、相手の欠点を感じても、決して面と向かって指摘はせずさりげなく身をかわすように離れていく。まずは敵を作らないのです。これはドラマで形成された張良像なのかな?実際のご本人はどうだったのだろう。
ドラマの中で道教を学んだと言ってましたが、まさしく”水のごとき”対応でした。


水のごとき張良がドラマでめずらしく強く我を見せたシーンがありました。項羽の策士范増が失脚して失意のうちに一人軍を離れて行く途中、劉邦軍で情報を聞いた張良が追っかけて行き、別れを惜しみました。そして初めて会ったときに手合せした囲碁の自分の碁石を一つ渡すのです。その時、范増は張良に勝ったと思ってたのだけど、実は張良は碁石を一つ残して対局を終わらせていた。つまりは最後まで手の内を見せず、相手に勝ったと思わせて油断させその後それぞれの軍の策士としての判断に影響を及ぼさしてたことを知らせたのです。失意の范増にこれはキツイ。そのあと間もなく范増は亡くなります。

ドラマでは蕭何と仲が良くて、お互いの能力を評価していました。

韓信

演じるのは呉越(ウー・ユエ)
張良と同じ韓の国出身でいつか自分の能力を生かすチャンスをつかみたいと思っている。放浪しつつ食べるのも困り人からめぐんでもらったり、チンピラにいちゃもんをつけられてもグッとこらえたりしてやっと項羽軍に仕えたけど、項羽は自分のおとりまきの武将しか相手にしないし、横暴さに失望して脱走。
途中再会した張良(この時は劉邦軍から離されていた)に勧められ、推薦状を書いてもらって劉邦軍に入るけど、自分の能力を試してみたいと推薦状を見せなかったためにやはり思った位の職に就けず失望してまた脱走しようとしたら、いち早く能力の高さを見抜いた蕭何が追っかけて連れ戻し、劉邦に
「無双の国士です」(国士無双 的 グオシーウーシュアン ダ)
と強く推薦。それほど言うならと劉邦は韓信と会い、作戦を聞き、さらに張良の推薦状を見て納得していきなり総大将に抜擢。
以降韓信の軍は連戦連勝でずっと項羽軍に負けて劣勢だった劉邦軍が一気に優勢になり項羽を倒し勝利へと導き、自分も斉王までのぼりつめます。

項羽軍を追い詰める心理作戦「四面楚歌」では韓信が兵を率い、張良が笛を吹くのに合わせて漢軍の兵隊は一斉に楚の郷土の歌を歌います。

正装して笛を吹く張良の姿、歌を歌う兵たちの姿は幻想的で美しく印象深いシーンでした。

この韓信がなんだか色っぽかったです。特に不遇だったころの悩める姿が。色男だったのか、不遇時代に同じく韓の貴族の娘で今は踊り子に身を落とした月姫に世話になります。
月姫

宋笠娜(ソン・リナ)なんだか色っぽい女性でした 
二人はとても愛し合っていたけど、立身のため韓信は旅立ちます。でもずっと月姫を想わない日はなく、夜空を眺めて今はどうしているのだろうと悲しげに話してました。
月姫は、意外と近くにいたのです。韓信が項羽軍に入ったと聞いて項羽軍の下働きになり、そこで虞姫が呂雉に殺されそうになるのを防いだりしました。次に劉邦軍に行き、韓信軍の下働きをします。女一人で乱世を生き抜くのは大変でひどい目にもあい、韓信に合わせる顔がないとあきらめてしまいます。そのうち劉邦が韓信に君姫との結婚を勧め、韓信はしぶしぶ承諾。婚礼の日に並んで祝う下働きの集団の中に月姫はいたのに。月姫は泣いていたけど、なんで名乗りでないんだようと思ったものです。

数年後昔を知る元チンピラの兄ちゃんが月姫を見つけ、韓信に知らせます。
その時の再会のシーンがせつなくてキュンとしました。韓信が愛しくてたまらないという気持ちを精一杯表現するので。
思わずジーンとしました。

う~ん(*´ω`*)ここに萌があるなんて♪

月姫は史実にはなく架空の人物です。ドラマの中で、気立てのよい君姫が目の前で夫があまりにも月姫に愛情表現をするので嫉妬してしまい(そりゃそうだ)月姫にいやみをいってしまう。それで自分の居場所はないと悟った月姫は書置きをして出て行ってしまいます。
その月姫がさらに数年後、出家した姿で今度は自分から韓信夫婦を訪ねます。そして子を引き取ります。君姫はひどく悲しみますが、これが救いになります。実際の子はどうだったのだろう。



蕭何、張良、韓信という能力の高い人がついてきて、その能力を発揮できるように信頼して重用した劉邦は人を惹きつけ使う才能があったのでしょうね。
でも劉邦はだんだんと猜疑心が強くなり、項羽軍が消滅したのちに彼らに暗雲があらわれます。

張良はいち早く隠居を決めます。嬉しそうな表情の呂雉を見逃してませんでした。
別れを惜しんで挨拶に来た蕭何に「人は分を知るもの。策士は乱世においてのみ能力を発揮する、天下の定まった今、私は心のままに生きるのみ。朝に松林の露を踏み、夕に山中の清泉を汲む。深山幽谷に禅を求め道をさとる、また楽しからずや」
そして「陛下の近くの者に気を付けられよ」とそっと忠告します。
はっとした蕭何に、「声にはださず察するのみで」と。

韓信には斉王に登り詰め、有頂天になってる時に忠告します。
「功が高いほど行いを慎まぬと足をすくわれます。無理をせず穏やかに過ごし俗に惑わされぬことだ。」
これはきっと張良の人生哲学なんでしょうね。さらに言います。
「功名官職といえど瞬時にして空となる。この言葉をお忘れにならぬよう」


残念ながら韓信は
「狡兎死して走狐煮らる」
彼は攻めるのには巧者だけど自分を守るのは巧者ではなかったのでしょう。
建国を成した後は、カリスマ性のある傑出した人物はかえって王朝の脅威。運命にからめとられるように潰されていきます。



ああ、長くなってしまった。こんなに熱く語る私もなんなんだ(^^;)やっぱりおもしろいんです♪

他にも魅力的な人物がいました。

秦王朝二代目皇帝胡亥と宦官の趙高

胡亥は政務を放棄して「阿房宮」で引きこもって享楽三昧。
趙高は自分の意のままに操る胡亥にわざと「馬です」と言って「鹿」を見せて嘲笑う。その方面のことばの語源となったエピソードを作った二人です。

項羽の策士范増とその妻

范増が家を出るとき、妻は夫に促され自刃します(;_;)
夫の足手まといにならないようにって、それで良かったの?


項羽の部下はまるで絵巻物から現れたような武者っぷりが素敵でした。

季布と鍾離昧(しょうりまい)
とくに右の鍾離昧が印象深い。楚の国の名家の出身で楚が秦によって滅亡したのちは刀鍛冶に身をやつし、項羽に見いだされて項羽の軍に。
季布も鍾離昧も項羽軍消滅後も生き残って、季布は劉邦に仕えることになったけど、鍾離昧は自刃しました。


ドラマの中で項羽が君児の赤ちゃんをあやすシーンはそのまま子供好きな胡軍氏の地が出て微笑ましかったです。

項羽と虞姫が「妙弋(ミァォイー)」「項郎(シャンラン)」と呼び合うのが仲睦ましさを感じてよかったです。韓信と月姫も「月姫(ユエチー)」「韓郎(ハンラン)」と呼びあってました。でも、なぜか劉邦と呂雉がどう呼び合ってたのか印象に残ってない(*_*;。

いろいろ楽しんだドラマでした。
最後に、ご厚意でドラマDVDをかしてくださった遵命さんありがとう!です♪




これからもいろんな形でこの物語が語られるのでしょうね☆



6 コメント

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ペットボトルアタック (遵命)
2014-06-27 15:59:13
秘技・ペットボトルアタック!!
ムカツキレベルによってペットボトルの中身も変化していきます♪

ムカつきレベル弱 空のペットボトル
ムカつきレベル中 水を満タンのペットボトル
ムカつきレベル強 凍らせたペットボトル

中~強レベル時は、くれぐれもテレビ画面に直撃しないように
お気をつけ下さい

項羽だったら投げ返してきそうな気もする閻ちゃんソックリな顔して…
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投げるときはやはり2Lで( `ー´)ノδ (blueash)
2014-06-28 00:06:52
遵命さん
ペットボトル投げつけ。これは以前遵命さんが話の中で言われた言葉ですごく印象に残ってました。そしてドラマのなかであのキャラの馴れ馴れしい様子を見たら思わずその言葉がわいてきて、書いてしまいました
もうその言葉以外の的確な表現がないくらいピッタリでした

ホントに投げつけてやりたかったけど、自分ちのテレビやパソコンがダメになるだけなので頭の中で投げつけました

そうか~投げつけるにも段階があるのですね。
凍らせたペットボトル・・・い、痛そう・・・
それを項羽さまに投げつけたら、こわそう・・・
そして閻ちゃんソックリな顔・・・憤怒で額にこぶつくってやけになっていっぱい投げ返されそう・・・
でも閻ちゃんなら怒った顔も素敵です(惚れた弱み)

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ペットボトルアタック別バージョン (遵命)
2014-09-19 21:52:59
むかっ腹立ったからペットボトル投げるのかとばかり思っていた。今日まで。
そうしたら、ストーリーの演出に賛同し、コーフンしてペットボトルを
投げる事も有るのネ(汗)初めて知りましたワ。「フォーエバー・ラヴァーズ」
の演出見て喜んでペットボトル投げてた。テレビ画面から外れて良かった。
外れてなかったら、グォロンさまのカオに直撃でしたワ(大汗)
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愛のペットボトル♡ (blueash)
2014-09-20 14:05:25
先日この映画のレスリーの画像をいくつか見せていただいてありがとうございます
もう、もう
鼻血やらよだれやら・・・自分がとんでもない状態で自分にペットボトル投げつけたくなりました
そんなとんでもない奴に投げるはずのペットボトル、嬉しさのあまり投げる場合もあるんですね~
いやわかる、あんな可愛い顔して危ない表情のレスリーを画像でみるだけでこんなにヘロヘロにさせるんだもん、動画を見たら愛のあまり(え?)興奮して投げそうです。
もうレスリーったらとんでもなく色っぺえんだもんたまんないゼ←どんどん壊れていく
危ない、危なすぎるレスリーの色気。
時にスミレの花のように可憐で、また時に人を妖しく魅了して・・・やっぱり不思議な魅力を持った方ですねぇ
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韓信♡月姫 (Lizi)
2015-01-07 22:23:36
はじめまして、Liziと申します。
古めの記事にすみません。
韓信と月姫の画像を探していてこちらにたどり着きました。
現在GYAOにて43~45話配信中。韓信と月姫がやっと再会でき、項羽が亡くなったあたりです。
このドラマこんなに面白いとは知らず見始めましたが、かなり素敵です。私は韓信と月姫のストーリーと、季布役、陳之輝さんが気になってます。もちろん全体のストーリーや、他のキャラも魅力的で、こちらの記事に書かれていることにウンウンとうなずきながら読ませていただきました。

画像ひとつお借りしていきますことお許しください。(弊ブログにて使わさせていただきます)

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はじめまして♪ (blueash)
2015-01-07 23:40:11
Liziさん☆
始めまして☆コメントいただきすごく嬉しいです♪
そしてLiziさんのblogにお邪魔して見たら、とても詳しく中華明星やドラマについて書かかれていて、思わず読み込んでしまいました☆
私にとって2014年の中華方面は「項羽と劉邦」の年でした。ご縁があって「鴻門宴」「王的盛宴」の映画2作、そしてドラマ「大漢風」を見ていろいろ感じた年でした。
「大漢風」は50話と長かっただけに一緒に生活してるような気分になりました。
私は要所要所で張良が言った言葉が今でも胸に沁みてます。
そして私も韓信と月姫の恋の行方も気になりました。・・・放送されると思ってなくてネタバレして書いてしまい・・・
そして季布。三つ編み長髪が似合って切れ長の勇ましい美男っぷりといい際立った存在感でしたね!項羽陣営は甲冑も美しく武将たちが並ぶと鮮やかな武者絵のようでウットリしてました(*´ω`*)
画像はどうぞ!Liziさんのblogに使っていただけて光栄です♪

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