杨树鹏(楊樹鵬 ヤン・シューポン)監督作品 中国映画。
ずっと見たかったのですが見る機会を逸していたこの作品を、中華迷のブロ友様からご厚意でいただき見ることが出来ました。
お気に入りの俳優、胡军(胡軍)さんがすごく素敵だと評判なのです♪
実際に見てみたら
ホントに素敵でした。やさぐれた感じが色っぽい♪
DVDは簡体字中国語と英語の字幕なので(日本語がない)まず中国語字幕を見てから辞書をお供に英語字幕を見てやっと物語の流れを知ることが出来ました。
辞書で調べるのに26文字のアルファベットの方がはるかに調べやすいんです(^^;)。
中国唐時代の山奥の深い竹林のなかにひっそり佇む苦竹林村。
雨の中、異様な雰囲気を持つ老夫婦とその子がやってきて、村人は緊迫します。
老夫婦は40年前の苦竹林村を思い出します。
苦竹林の村人は三国志で有名な赵云(趙雲)の子孫であることを誇りに暮らしていて
どこかお人好しで収穫した米で美味しい濁酒を作り、貧しいなりに平和に暮らしていました。
そこへやってきた二人の強盗
一人は弓の使い手、薛十三(シュエ・シーサン)演じるのは胡军
その弟分で長槍の使い手、陈六(陳六 チェン・リョウ)演じるのは姜武(チァン・ムー)
胡军がこの映画の前に「レッドクリフ」で趙雲役を演じていたのにひっかけているのでしょうね。村人が崇拝している趙雲とそっくりな強盗がやってきて厄介を起こすのだけど・・・・
十三は根っからの無頼で強盗をしながら好き勝手に暮らす事が一番だと思っている。真面目に暮らす村人に対する情はあまりない。
弟分の陈六はちょっと違う。
陈六を演じた姜武は中国の名優姜文(チァン・ウェン)の弟だそうです。だからなのか弟気質を自然体に演じているように感じました。甘えん坊なところがあって兄貴を慕い、多少手荒な事をされてもついてゆく。おおらかで奇声をあげたり本能的、人懐こい笑顔の持ち主。彼がいると画面が明るくなり笑顔に癒されました。
陈六は本当は腰を落ち着けて真面目に働いて穏やかに暮らしたいという気持ちもあって農作業をしているとき生き生きした表情をするんです。優しい所があって孤児でお喋りが出来ない男の子长寿(長寿 チャンショウ)に暖かく接するのです。
傲慢で野卑な官兵
二人はめっぽう強くて官兵を打ち負かします
十三会心の奇声
村人もなかなかいい味だしてます。
日本のお笑いタレントに似ている人がいる~
祖母を大事にする優しい男だ
そうそう陈六も村の人も気に入らないとすぐ相手に唾を吐くのが気になりました。「覇王別姫」にも唾を相手に吐くシーンがありましたが、ごく普通に意思表示なのだろうか。はるか1000年も昔の時代の庶民はそうなのかな、日本も昔はそうだったのかな・・・?
埃や泥だらけになり生き抜く人々、穏やかな音楽が一転してエレキギターがかき鳴らすロックが流れるのですが雰囲気にピッタリ
そして村の女たちの服装・・・これじゃ悪い男たちに狙われるよ
胸当てからちょっとはみだしそう。
そういえば別の映画やドラマで唐時代の女性がやっぱり胸当てからはみ出しそうな服装でいたのを思い出し、唐時代の服装を調べてみたら、実際にこういう胸当てのような服装をしていたようです。ただし、胸当てはもう少し上まであってこんなにギリギリじゃなかったけど。
十三と陈六にとって生きることは盗るか盗られるか、騙すか騙されるか、殺すか殺されるか。そして本能のままに食べ、女をあさるのが当たり前だったのだけど、ふとした出会いで風流を知り、風流で生きる人を知る。
それは二人の心に何かを投じたのでしょう。二人はその人から何も盗らなかった。
桃の枝を胸元に指し、自分のためでなく村のために戦う十三と陈六
でも彼らこそが事の悪因なのは確かで村長は二人を特に十三を憎むのは仕方ないと思いました。
救いは弧児の长寿(長寿 チャンショウ)
親がいなくて言葉の喋れない小さな子。笑顔がなくいつも一人ぼっちで歩いてたけど
40年後おおらかな笑顔で走り回る明るい男になってました。
多分心は子供のままで
陈六そっくりの奇声をあげて
最後に长寿が走り回る場所はどこだろうとしばらく考えてしまいました。楽観的にも悲観的にも考えられる。苦竹林村ではないのは確かだ。
わたしは楽観的に考えることにしました。
长寿はこれからも幸せな人生をおくるだろうと。
そう思うとホッとしてじんわり心が温まります。
この映画の題名ははじめは「苦竹林」でした
苦竹とはごく普通に生えている真竹の別名だそうです。「竹林村」でなく「苦竹林村」という村名だからこそ、村の苦悩や厳しい生活が感じられて味わい深い名前になっていると思います。
こちらの題名の方が私は好きだなあ
そして苦竹という地名は日本にも宮城県仙台市に「にがたけ」と読んで存在します。
監督が黒澤明監督の映画に影響されて作ったと言われるこの映画、竹林の風情も農村風景もどこか親しみと懐かしさを感じます。
俳優さんが特に胡军と姜武が生き生きと演じているように感じたのは、歳が近い監督が二人の役者に自由に演技する事を尊重したのかも、と勝手に想像しました。
物語はそんなに明るいわけではないけど、映画全体におおらかな猥雑さと明るさを感じたのです。
この映画がいつか日本版DVDで販売されるように、欲をいえば日本でも上映される機会があることを願って、なるべく内容を詳しくしないで感想を書いたつもりですが、大丈夫かな。
銀幕で二人の笑顔に会えますように
blueashさんがこれを未見だったというのが意外でした。
リリースされたころに胡軍迷の皆さんけっこう大騒ぎだったので、疾うにご覧になっていたものとばかり思っていました。
昨年カエルさんが家に来てくださってプチ鑑賞オフしたときにまず観たのが『金鶏』とこれで、ふたりでまんまときゃーきゃーしました。
男らしくて陽気で強くて、でも平然と弱味も見せ、すけべで悪びれずに笑いながらちょっと卑怯という、胡軍さんという役者のもつチャームが遺憾なく発揮された素敵なキャラクターだったと思います。昨今胡軍さんの出られた映画、『救火英雄』も『風暴』もおもしろかったけど、「映画もキャラもどっちも文句無しに好き」という点ではどちらも些か消化不良でした。
姜武が主演したジャ・ジャンクー監督の『罪の手ざわり』が2013年にカンヌで脚本賞獲って日本でも公開されたとき、姜武効果(笑)でこの作品も日本公開とか日本版DVDリリースされないものか、と期待したんですが、残念ながら完全にタイミング逸したかなあと。
映画も商売ですから、売れる決めてが無い限り、特に中国映画に冷たい今の日本では、今後も公開は難しいように思います。
でもそのぶん、この素敵な胡軍さんは知っている人だけが知っている、という独り占め感はあじわえるんですけどね(笑)。
はい、未見でした
今回、みんきぃさんのご厚意で見る事ができてすごく嬉しいです!
中華迷の皆様がいろいろな俳優さんを知り視野を広げているなか狭い世界の中で楽しんでいました。たぶんこれからもかなりマイペースに鑑賞していくと思います。最近は中華迷様からのご厚意で遅ればせながら見ることが多く、本当に感謝です
そしてプチ鑑賞オフでまずフー様の出演作品を選んでいただき嬉しいです♪
「金鶏」の胡軍(一発変換!)氏も凄く好きです
男らしくて陽気で強くて、でも平然と弱味も見せ、すけべで悪びれずに笑いながらちょっと卑怯という、胡軍さんという役者のもつチャーム
ホントにそう!
どこか危険な、でも惹かれてしまう。
そんな役がとても似合っている。
日本での中華映画上映は確かに日に日に厳しくなってきてますね。そして上映される分野も偏っている。この映画が上映されるのはかなり難しいのはわかっているけど希望は捨てないでいます。
中華迷の方で独り占め感を持ってる方は多いと思いますが、私もきっと住んでいる地域でフー様は私の独り占め漢
それもまた楽しいです♪