古森病院@福岡市博多区 病院管理者のブログ

ベイサイドプレイス近隣にある長期滞在型病院です。投稿記事は管理者の独自見解であり、医療法人の見解ではありません。

心房細動

2020-06-04 17:13:50 | 日記
古森病院@福岡市博多区です。

少し前の話ですが 今年の3月に
日本循環器学会/日本不整脈心電学会合同ガイドラインとして
2020年改訂版 不整脈薬物治療ガイドライン
https://www.j-circ.or.jp/old/guideline/pdf/JCS2020_Ono.pdf
が発表され

心房細動におけるカテーテルアブレーション治療についての
現時点での見解も掲載されています。

心房細動とは (国立循環器病研究センター)
http://www.ncvc.go.jp/cvdinfo/pamphlet/heart/pamph111.html

カテーテルアブレーション治療とは
http://www.ncvc.go.jp/hospital/pub/knowledge/treatment/ablation.html

心房細動は加齢に伴い 増えてくる不整脈ですが

動機や息切れなどの不快感を感じたり、
自覚症状は大したことがなくても 心房細動が基礎にあると、左心房の中に
血栓という血の塊ができやすくなり、血栓ができてしまうと
血栓が何かのはずみで、左心房から左心室に流れ、その後大動脈経由で
脳の太い血管(腸の血管に詰まることもあります)に詰まって 広範な脳梗塞(や腸管壊死)を
起こすことがあるというのが一番の問題点で、

血液サラサラの薬が必須になり、
日常生活上 少なからぬ足かせとなります、

ですので、心房細動と心電図で診断した場合
一般的には循環器内科を受診して 心エコーを施行。
心臓の左心房の拡大がないか、心臓がきちんと動いているかを診たり、
年齢や自覚症状、心房細動の起こっている時間の長さ、発症してからの時間、
内服で心房細動を抑えられるかその他総合的に勘案して
薬物療法で行くのか、カテーテルアブレーション治療をお勧めして、除細動するか
というのが ここ最近の流れでした。

最近 管理人はカテーテルアブレーション後で、治療が成功したと言われても
血液サラサラの薬を飲んでいる人が結構居られるので

「どうしてだろう」と思っておりました。

今回のガイドラインを見ると、カテーテルアブレーション治療が奏功し
24時間心電図を複数回行い、心房細動が消失していても

高血圧や糖尿病 心不全 年齢75歳以上、脳梗塞の既往などに
当てはまると 血液サラサラの薬から逃れられないということで

複雑な気分になりました。

尤も心機能に問題ない方は
心房細動を放置すると、心不全になりやすい
心臓になることから、カテーテルアブレーション治療が無駄という
わけではもちろんありません。


「先生ならどうする?」と カテーテルアブレーション治療を受けるか
悩んでいる患者さんに

「受けると思います」と以前は答えていた管理人ですが・・・。


その時の年齢と 心エコーの所見で
どうするか考えることになるかなあ・・と
今回思いました。

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