イギリスの国民投票で、EU離脱が決まった。背景には、難民・移民の急増で職が奪われる、税負担が高まる懸念や治安が悪化するなどの日常的な不満があると言われている。
一方、以前から独立したいとの意向の強いスコットランドでは、EU残留の比率が高かったこともあって、再び独立の機運が高まっているようだ(北海油田があるので強気)。
イギリスは、「ウインブルドン現象」と言われるように、規制緩和を進め、ロンドンの金融市場が世界の金融機関の拠点となることで発展してきた。
大所高所から見れば、EUに残留した方が良いのだと思うが、目の前の失業や治安悪化、難民・移民に財政が使われるといった問題に、国民が拒絶反応を示したのだろう。
ウェールズや北アイルランドなども、再びナショナリズムが高まり、独立気運が高まるかもしれないとの見方もある。
冷戦が終結し、世界は、安定に向かってくれるのかと思っていたが、どうやらそうではないようだ。
私が勤務していた頃には、「欧米では」といえば足りたけれど(「でわの上」というのが居た)、世界は、本当に多極化していて、単細胞の私には、なかなか捉えきれない。
ところで、日本だって同じだ。沖縄が独立したら、どうなるのだろう。
大所高所からは、日本や日米安保体制を是とせざるを得ないのだろうが、住民感情として、「日本という国のために、こんなにずっと犠牲になってよいものなのだろうか」と思った場合、独立を考えるかもしれない。
沖縄は、地勢上、重要な場所にあるので、日本から独立し、独自にアメリカと交渉するとか、ひょっとしたら、中国と交渉するかもしれない。
沖縄の歴史は、強大な国と上手く外交することで生き延びてきたのだから、いつまでも日本の傘下にいる必要はないと思うかもしれない。
私は、大所高所からの戦略を練るというようなことが下手だけれども、中国を見ていると凄いなぁと思う。安い為替のうちに、どんどん儲けて、貧乏人の振りをしながら、ちゃっかり軍事力を高め、さらに、AIIB(アジアインフラ投資銀行)まで作ってしまった。覇権を握ろうとしたたかに戦略を練り、着々と準備してきたところは凄い!敵ながらあっぱれだ。「パックス・チャイナ」とでも言うのだろうか、すでに、パックス・ブリタニカ~パックス・アメリカーナは、終焉しつつある。
こうしたビジョンを持ち、着々とビジョンを現実のものにしている国からみると、我が国は、残念ながら、思考を停止した赤ちゃんみたいだ。
唯一の望みは、中国のなかの少数民族たちが、次々に独立運動をし、中から脅かしてくれることだが、イギリス~EUが力を持ち、メリットを与えているうちは、独立運動も本格化しなかったように、中国が外向きに覇権を得て、国内にも少なからずメリットを与えているうちは、独立運動も本格化しないだろう。
力のない国は、大国の動きを「正確」に観察しながら、生き延びる小さな選択をせざるを得ないのだろう。その意味では、日本も、沖縄も、同じだ。
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