氷見市役所が耐震の問題もあって作り変える必要に迫られた折、高校が統合され、使われなくなった体育館を活用して新庁舎を作りました。その際、対話を重視しようという新市長の想いを形にして対話の部屋などをたくさん作ったという記事を拝見、一度見に行きたいと思っていました。
というのは、私が住む西東京市は、10数年前に保谷市と田無市が対等合併をしたものの、住民感情から、庁舎を1つに統合できず、2庁舎体制で来たものの、そろそろ、1つに統合しようかという時期だったからです。
どういう市庁舎にしたらよいのか、市民の皆で話し合いたいと思っていたのですが、周りから、市庁舎の姿なんかに興味のある市民は居ない、せいぜい、自分の家のそばにないと不便になるというような程度の関心事だと言われました。
そこで、市庁舎に限定せず、「公共空間のデザイン」という分かったような分からないようなタイトルで、皆で話し合いをするイベントを行いました。その折、知人の知人ということもあり、当時世田谷まちづくりにおられ、氷見市にファシリテーター養成のためのレクチャーをなさっておられた浅海さんに基調講演をお願いしました。世田谷まちづくりは、公園や廃校、空き家などを市民を巻き込んでデザインしていくということでは、最先端だったこともあります。
ところが、その浅海さんご自身が、この4月から氷見市役所に勤務されることになられました。そんなこともあり、是非、市役所を拝見したいできれば市長とも面談してみたいと思い、訪問できないものかお願いをしていました。
そうしたら、ちょうど「コクリ・キャンプ」というのを実施するというので、そのなかに、紛れ込ませていただきました。
「コクリ」というのは、コ・クリエーションの略とのことで、リクルートの方々が最初に始められたようですが、その氷見バージョンとして派生したというキャンプだったようです。
市長からのお題は、「未来の自治体の仕様書をつくる」というものでした。「仕様書」ではなく、「どうしよう!こうしよう!そうしよう!」という「しよう!書」にした方がよいという面白い意見も出ました。
また、2日目には、話したい内容を出し合った結果、4つのチームに分かれて議論を深めることをやりました。私は、「自治体」をゼロから考えるというチームに加わり、自治体機能でどうしても必要なものってなんだろうかなどから始め、最後には、株式会社とかNPOの自治体を特区で作ってしまったらどうか(アメリカでは、裕福な住宅街では、いわゆる自治体から離れている・税金を払わないところもある)などと盛り上がりました。そうした議論はさておき、まずは、見学記を記しておきたいと思います。
写真1:緑と青のミーティングルーム
写真2:観光交流、若者と女性の夢応援隊課(新しく保母さんの資格を持つ方がご担当に、「夢応援隊」というネーミングにも工夫が、ゆめこらぼにもありますが、お店にあるような看板も作成、絵心もあるようでした)。いのししが増えているのも問題で、人数が減り、職員は兼務することが多いが、必ず担当であると自覚するように、いのしし担当などもちゃんと命名しているとのこと。
写真3:壁の白いところは、ほぼ白板のようにいつでも書き込んで議論ができる。そうでないところも、ホワイトボード替わりの紙を張り付けて書き込みつつ議論ができる。机の形を丸にも、三角にも、60度の角度にも変えられる。著名人が視察に来ると、すぐに関係部署の人を読んで、ミニ講演をしてもらう。
写真4:体を動かして血流を良くするため、トランポリンやすわり心地の悪い椅子など。 机にも書き込める(消せる)。
写真5:体育館なので天井が高いが幕を張ることによって暖房効率を高めたり、当初、市長室を作ることになっていたが、せっかくの窓ガラスをふさがないようにした。入口近くの市長室からは、グラウンドが見える。
写真6:議事堂(段をつけずに、椅子を仕舞い込めるようにしたかったが、本議会で使われるのは、年間数10日と聞いて驚いた、別の用途にも使えるようにしたかったとのこと。西東京市でもそうなんだろうか、要チェック!)
写真7:日曜日で電灯をつけずに撮ったので少し暗いのだが、一階の市民関係の部署があるところ、市長や職員の顔写真があり、いつでもどうぞとしてある。この部屋は、氷見の自然の色になっているとのことだった(海の色・・)。
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