日経ビジネスオンラインで、「誰がアパレル業界を殺すのか」という特集が組まれている。
繊維・アパレル・百貨店業界を外から眺めてきた者としては、「そりゃそうだよな」という印象だ。
私が今でも数か月に1回程度、新宿の「美々卯」でうどんすきを食べているこの業界のお仲間は、昔からこの業界の至らなさを嘆き、警告を発してきた人たちだからだ。
でも、結局、彼らは、「論じてはいたものの」業界を変革することは出来なかった。
お仲間と言ってよいかどうか分からないが、実直に、その想いを具体的なビジネスにして今のところ成功しているのが「鎌倉シャツ」の貞末さんだ。
日経の特集では、ネットを使ったビジネスや、日本らしさを追求したビジネス、レンタルや洗濯サービスを絡めたビジネスなど、(最近この業界を追いかけているわけではないので)知らなかった新しい動きが出ていて、面白かった。
なかでも、面白かったのは、上記のリンクに書かれているアメリカの「エバーレーン」だ。
生地の値段、縫製労働者に支払った値段、関税・・などのコストや同社の取り分などを明示しているのだという。そうした「透明性」が評価を高めているらしい。
日本のアパレルは、「半値八掛け二割引き」と言われるように、在庫処分の値段が正規の価格に組み込まれており、小売価格とその服の価値がなんだか分からないものになっていた。
在庫をきちんとコントロールすることにより、正規の価格を下げる(服の価値に合わせる)だけでも、これまでの商慣習からみれば、「革新」であった。
エバーレーンは、さらに、途上国の縫製労働者を酷使していないことなどを示すことで信頼感を得ている。
特集に出てくる「ファクトリエ」や「第一織物」は、これから日本のアパレルに必要なものとして、価値創造や日本らしい品質などを挙げている。「ストライプ」は、日本らしさだとしたうえで、それは「テクノロジー+エコ」だと言っている。
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実際、衣服に限らず、単なるモノなら、買い替え需要以外にめったに買おうとは思わない。
人は、どんなコトに、お金を使うのだろうか。
モノに価値を見出した時、お金を使うと心楽しくなる時、空間が居心地良く感じられるためのしつらえ・・・・・・・モノがあふれているだけの小売店ではないはずだ。
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