5月28日(土)・29日(日)と大船渡市に行ってきました。
知人の丸山さん(霞が関ナレッジスクエア)が被災直後から係っておられる大船渡末崎(まっさき)地域の「デジタル公民館まっさき」のお手伝いです。
丸山さんの活動は、最初は、避難所や仮設住宅へのお弁当配りからスタートしたと聞きましたが、5年も続けて一つの地域に係ってこれたというのは、凄いことだと思います。何しろ、一ノ関から車で約2時間かかるのですから。
だんだん信用を得て、地元の公民館であるふるさとセンターを使って、地域の方にパソコンやインターネットの使い方を教えたり、個別の課題に対応するようなこと続けておられます。
一緒に行った方には、企業にお勤めでボランティアで来られている方、学生さんでボランティアの方、社会教育がご専門の大学の先生等々です。現在は、一斉に講習するというより、個々のお客さんが課題を持ってきて、それに応じて対応しています。難しいことは、PC関係の企業にお勤めの方が対応し、フェイスブックの使い方など簡単なことは、日頃使いこなしている方が対応します。PC関係のお仕事をされている方が窓口になって、相談者の話をお聞きし、対応できる人を割り当てます。
私も、私のレベルでやれることをしましたが、困ると、詳しい方を呼んで教えて頂きました。
私が対応した方は、見た感じは私よりお若く見えましたが、少し年齢が上の方でした。でも、もともと、PCを使って、チラシなどを作られていたようで、デジタル公民館と出会ってからは、フェイスブックなどにも果敢に挑戦されていました。その方は、「幸い家族で流された人などが居なかったこともあるのでしょうが、被災して良かったこともあるのです。というのは、被災しなかったら、皆さんたちと知り合いになることもなかったろうし、フェイスブックなどもやらなかったと思うのです」と前向きの感想を述べられていました。
前に気仙沼のソーシャル・ベンチャーのことを書きましたが、その時も、そのような感じを覚えました。
特に、訪問させて頂いたNPO法人ピースジャムの流れも、いろいろな方との出会いで新しい事業のベースが作られました。代表の佐藤さんは、それまでバーを経営されており、現在一緒に事業をやっている高橋さんは、モスバーガーで働いていました。それが震災を契機に、赤ちゃんの居る家族にミルクやおむつなどを必要なだけ届けるという活動をはじめられ、その活動を支援する人たちと出会います。ピースジャムでは、震災の年の夏から、お母さん達の自立したいとの思いに応えようと、雇用創出事業を始めましたが、それも、支援してくれる方との出会いがプラスに働いたのではないかと思います。
その一つは、ロンドン在住の日本人ママたちと出会い、「ベビーモスリン®」の縫製を手掛けるようになったことです。
これに使う織物は、綿モスリンの立体格子織りという特殊なもので、機屋さんがなかなか見つからないなか、日本綿スフ連盟が全国の機屋さんに呼びかけ、愛知県の知多織物産地の織物工場が名乗りを挙げてくれました。何度も試作を繰り返し、また、商標登録やロゴデザインも作成してくれたといいます。ロゴデザインは、ロンドンのママ達が考案したアイデアを基に、ロンドンのデザイン会社「Blass Design」が無償で作成してくれました。
もう一つは、ジャムづくりです。雇用創出事業をしようと考えた折、マクロビデオテックの先生がジャムのレシピを作って下さったとのこと。
当初は、公民館などを借りてジャムづくりをしていましたが、子供を育てながら、働ける環境を作っていこうと、土地を探し、2013年11月から拠点づくりを開始しました。その折も、カナダのホープインターナショナル開発機構がコンテナを2つ譲ってくれました。
今回の「デジタル公民館まっさき」に仙台から合流したSさんも、震災当時、学生として大船渡地区にボランティアで来ており、その後、卒業してふつうの会社に入ったものの、結局、現在、一般社団法人ワカツクで働いている。この法人は、「この東北を、若者が成長できる土地に変えていきたい」という思いで活動しています。
日本は、閉塞感が強いし、新たに何か始められるエネルギーが無いように見える。しかし、震災は、ヒンズー教のシヴァ神ではないが、破壊と創造をもたらしてくれているのかもしれない。
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