海軍大将コルシンカの航海日誌

ロシアの作曲家リムスキー=コルサコフについてあれこれ

《不死身のカシチェイ》公演~1

2008年08月28日 | 《不死身のカシチェイ》
《不死身のカシチェイ》の公演に行ってきました。(8月22日神奈川県民ホール)
その感想です。

シェバチカたん萌え───────つ!

このオペラのソリストで一番良かったのが、カシチェエヴナ役のアンジェリナ・シェバチカ(メゾ・ソプラノ)。
なぜって、美しいからですよ!
いや、もちろん歌も良かったですよ。
しかし彼女の容姿は、花をあしらった暗いトーンのドレス(これはカシチェエヴナの役を意識してのものでしょう。お見事!と拍手したくなりました)と相まって、このあまり知られていないオペラの公演の中でも一際輝くものでした。

私は公演中、彼女の暗く情熱を秘めた妖艶さにすっかり釘付けになってしまいました...。

リムスキー=コルサコフのオペラでは、しばしばタイトルロールではなく、その恋敵となるような女性が主役と言っても良い、重要な役割を担うことがあります。
つまり《雪娘》では、スネグローチカではなくクーパヴァに、《皇帝の花嫁》では、マルファではなくリュバーシャにむしろ作曲者が深い同情を寄せて歌わせている───そして今回の《不死身のカシチェイ》では、見飽きぬ美の女王ではなく、ましてやカシチェイでも嵐の勇士でもなく、カシチェエヴナこそがこのオペラの真の主役であると言ってもいいかもしれません。

アンジェリナ・シェバチカは、ウクライナ出身で、現在ウクライナ国立オペラ座のソリストとのことですが、正直なところ、私はこの公演まで彼女の名前は全然知りませんでした。
ググってもあまり出てこないようですが、一応プロフィール等は下記のページが参考になるでしょう。

http://www.zavarteclassic.com/angelina-shvachka
(ちなみにお約束ですが実物は写真よりも数倍綺麗です。)

ともあれ、今回の公演では、《不死身のカシチェイ》ならぬ《不死身のカシチェイの娘カシチェエヴナ》とでもいうべきオペラで、彼女がタイトルロールをつとめたことで、何かとても新鮮な、新しい発見がいくつかあり、私自身は非常に満足して会場を後にすることができたのでした。
(もっともその後は最終の新幹線に乗り遅れないように、ダッシュで地下鉄の駅に駆け込み、新横浜まで綱渡り的に乗り継がなければならなかったわけですけど...)