モスクワでの観劇二日目は「ヘリコン・オペラ」。
あまり聞きなれない劇場ですが、芸術にゆかりの深いギリシャの山の名から取られたものだそうです。
ロシア語では「ゲリコン」と綴るのでゲリコン・オペラとも呼ばれているようです。
場所はモスクワ音楽院の前の坂道を上ったところ。
ボリショイ劇場などが集まる地区からはやや離れていますが、自分の泊まっていたホテル・ブタペストからは十分徒歩圏です。
写真は一日目に偵察に行った時のもの。あいにくの通り雨で、雨宿りをしながらパチリ。
外から眺めてもあまり劇場らしくなく、入口も中央の大きなアーチ型の開口部、ではなくその左の小さな扉からなのです。
らしさが無いので外観を知らずに出向くと、劇場はどこだろうと現地でわからなくなってかなり迷う気がします。
わかってしまえばどうということはないのですが、後ほど述べるようにこの劇場のつくりは日本のものとは勝手がかなり違っていて、中に入っても戸惑うことが多いです。
本日の演目はプロコフィエフ《3つのオレンジへの恋》。
エントランスの横にある飲み物などの売店。
左奥のブースではグッズなどを販売しています。
売店の反対側(アーチ型開口部の内側)に回るとアトリウムになっていて、明るく広々とした空間になっています。
床は古代遺跡の遺物の出土状況の展示のように見えますが、シャリャーピンの邸宅跡から出てきた建築部材の破片のようです(解説板がありましたがしっかり見てきませんでした。スミマセン)。
こちらはビュッフェ。天井は低いですがゆったりとしたスペースです。
ではホールに入ってみましょう。
こちらの絨毯敷きの階段を上っていくのですね...
ホール背面のホワイエに出たかと思いきや、何か違う。
ポクロフスキー・ホールや...
オブラスツォーヴァ・ホール。
エレーナ・オブラスツォーヴァは2015年に亡くなったソ連時代を代表するメゾ・ソプラノです。
彼女が来日公演で歌った《皇帝の花嫁》からの3曲は素晴らしかった!
壁に掛かっているのは、彼女の当たり役だった《スペードの女王》の伯爵夫人でしょうね。
などとセルフ解説をしながらうろうろするのですが...
肝心のオペラを観るホールがどこかわかりません!
階下に戻って今度は地下への階段を下ると、人がいっぱいいて、「ははあ、なんだこちらでしたか」と思ったのですが...
こちらも違う。トイレやクロークへの階段でした。
ただここは名所(?)らしくて、エッシャーの絵の表面を水が流れていておシャンティな感じ。
ご覧のとおり、ここで記念撮影をする人多数でした。
結局のところ、大ホール(ちなみにストラヴィンスキー・ホールという名称)への入口はすでに行ったアトリウムやビュッフェの奥でした。
アトリウムはともかくとして、ビュッフェの奥がホールだなんて思いもしませんでした。
日本と勝手が違うとはこのことで、我が国の建築規制では避難用の経路にビュッフェの部屋を通っていくなんてことはまずないと思います。
(建築確認申請を出せば「通路部分はきちんと区画しろ」と指摘されるはず)
そう思うと、ここは劇場用途であるのに入口は一般家庭の玄関と変わらない幅ですし、火災が発生した時に安全に避難できるのかと余計な心配をしてしまうほど。
ロシアの建築規制は知りませんが、古い建築物を有効に使うためにそのあたりは何らかの緩和措置があるのかもしれません。
まあ、単に自分が迷子になりかけただけなのですけどね。
それはともかく、ようやくたどり着いた大ホール。
思わず「おお!」とつぶやいてしまいました。
これまでのインテリアは部屋によって西洋風だったりモダンだったりと、それはそれで調和がとれているような感じでしたが、ここは一転ロシア風の建築意匠。
振り返るとこんな感じ。
客席後部中央にあるのは貴賓席でしょうか。
なんでホール内に屋根なんかあるのだろうと思いましたが、周りをよ~く観察すると、なるほどここは「屋外」という設定なのかと気づきました。
外壁面のような内装仕上げ。
天井の明かりは暗闇に輝く星々。
室内でありながらロシア風野外劇場で観劇をするという趣向のようです。
非常にユニークな空間であると感じました。
インテリアだけでなく、この劇場で気に入ったのは舞台が非常に見やすいということ。
階段状に配置された座席は見通しが良く、前の人の頭が気になることはありません。
ところでこの劇場で不思議に思っていたことがもう一つ。
ここでの公演の様子はYouTubeで見たことがあったのですが、なぜ字幕用の電光掲示がプロセニアムの上や左右ではなく、オケピットの上についているのか。
が、これも急な勾配の客席のためと現地に行って判明。
客席からはどちらかというと視線が水平よりも下に行くので、オケピットの上くらいに字幕があったほうが視線移動が小さくて済むからなのでしたね。なるほど。
この劇場でも開演の少し前に幕がするすると上がり、舞台装置が観れます。
今のうちに写真撮っとけ、ということなのでしょうか。
さて《3つのオレンジへの恋》は、舞台で観るのも全曲通して聴くのも初めてです。
前衛的な演出とあらすじをあまり知らなかったこととで、よくわからなかったというのが正直なところ。
ただ有名な行進曲はキレッキレで非常に良かったです。
歌手もオケも上出来だったように思います。
休憩中の電光掲示には、リムスキーの《皇帝の花嫁》の公演日の案内が何度も出てきました。
いつかこの劇場で観てみたいものです。
あまり聞きなれない劇場ですが、芸術にゆかりの深いギリシャの山の名から取られたものだそうです。
ロシア語では「ゲリコン」と綴るのでゲリコン・オペラとも呼ばれているようです。
場所はモスクワ音楽院の前の坂道を上ったところ。
ボリショイ劇場などが集まる地区からはやや離れていますが、自分の泊まっていたホテル・ブタペストからは十分徒歩圏です。
写真は一日目に偵察に行った時のもの。あいにくの通り雨で、雨宿りをしながらパチリ。
外から眺めてもあまり劇場らしくなく、入口も中央の大きなアーチ型の開口部、ではなくその左の小さな扉からなのです。
らしさが無いので外観を知らずに出向くと、劇場はどこだろうと現地でわからなくなってかなり迷う気がします。
わかってしまえばどうということはないのですが、後ほど述べるようにこの劇場のつくりは日本のものとは勝手がかなり違っていて、中に入っても戸惑うことが多いです。
本日の演目はプロコフィエフ《3つのオレンジへの恋》。
エントランスの横にある飲み物などの売店。
左奥のブースではグッズなどを販売しています。
売店の反対側(アーチ型開口部の内側)に回るとアトリウムになっていて、明るく広々とした空間になっています。
床は古代遺跡の遺物の出土状況の展示のように見えますが、シャリャーピンの邸宅跡から出てきた建築部材の破片のようです(解説板がありましたがしっかり見てきませんでした。スミマセン)。
こちらはビュッフェ。天井は低いですがゆったりとしたスペースです。
ではホールに入ってみましょう。
こちらの絨毯敷きの階段を上っていくのですね...
ホール背面のホワイエに出たかと思いきや、何か違う。
ポクロフスキー・ホールや...
オブラスツォーヴァ・ホール。
エレーナ・オブラスツォーヴァは2015年に亡くなったソ連時代を代表するメゾ・ソプラノです。
彼女が来日公演で歌った《皇帝の花嫁》からの3曲は素晴らしかった!
壁に掛かっているのは、彼女の当たり役だった《スペードの女王》の伯爵夫人でしょうね。
などとセルフ解説をしながらうろうろするのですが...
肝心のオペラを観るホールがどこかわかりません!
階下に戻って今度は地下への階段を下ると、人がいっぱいいて、「ははあ、なんだこちらでしたか」と思ったのですが...
こちらも違う。トイレやクロークへの階段でした。
ただここは名所(?)らしくて、エッシャーの絵の表面を水が流れていておシャンティな感じ。
ご覧のとおり、ここで記念撮影をする人多数でした。
結局のところ、大ホール(ちなみにストラヴィンスキー・ホールという名称)への入口はすでに行ったアトリウムやビュッフェの奥でした。
アトリウムはともかくとして、ビュッフェの奥がホールだなんて思いもしませんでした。
日本と勝手が違うとはこのことで、我が国の建築規制では避難用の経路にビュッフェの部屋を通っていくなんてことはまずないと思います。
(建築確認申請を出せば「通路部分はきちんと区画しろ」と指摘されるはず)
そう思うと、ここは劇場用途であるのに入口は一般家庭の玄関と変わらない幅ですし、火災が発生した時に安全に避難できるのかと余計な心配をしてしまうほど。
ロシアの建築規制は知りませんが、古い建築物を有効に使うためにそのあたりは何らかの緩和措置があるのかもしれません。
まあ、単に自分が迷子になりかけただけなのですけどね。
それはともかく、ようやくたどり着いた大ホール。
思わず「おお!」とつぶやいてしまいました。
これまでのインテリアは部屋によって西洋風だったりモダンだったりと、それはそれで調和がとれているような感じでしたが、ここは一転ロシア風の建築意匠。
振り返るとこんな感じ。
客席後部中央にあるのは貴賓席でしょうか。
なんでホール内に屋根なんかあるのだろうと思いましたが、周りをよ~く観察すると、なるほどここは「屋外」という設定なのかと気づきました。
外壁面のような内装仕上げ。
天井の明かりは暗闇に輝く星々。
室内でありながらロシア風野外劇場で観劇をするという趣向のようです。
非常にユニークな空間であると感じました。
インテリアだけでなく、この劇場で気に入ったのは舞台が非常に見やすいということ。
階段状に配置された座席は見通しが良く、前の人の頭が気になることはありません。
ところでこの劇場で不思議に思っていたことがもう一つ。
ここでの公演の様子はYouTubeで見たことがあったのですが、なぜ字幕用の電光掲示がプロセニアムの上や左右ではなく、オケピットの上についているのか。
が、これも急な勾配の客席のためと現地に行って判明。
客席からはどちらかというと視線が水平よりも下に行くので、オケピットの上くらいに字幕があったほうが視線移動が小さくて済むからなのでしたね。なるほど。
この劇場でも開演の少し前に幕がするすると上がり、舞台装置が観れます。
今のうちに写真撮っとけ、ということなのでしょうか。
さて《3つのオレンジへの恋》は、舞台で観るのも全曲通して聴くのも初めてです。
前衛的な演出とあらすじをあまり知らなかったこととで、よくわからなかったというのが正直なところ。
ただ有名な行進曲はキレッキレで非常に良かったです。
歌手もオケも上出来だったように思います。
休憩中の電光掲示には、リムスキーの《皇帝の花嫁》の公演日の案内が何度も出てきました。
いつかこの劇場で観てみたいものです。
ヘリコンオペラ劇場を検索していたら、こちらに辿り着きました。
9月に モスクワ一人旅の予定です。
こちらの劇場での オペラ「電話」のチケットをネットで予約しました。
チャイコフスキー劇場は、カード決済後に送られてくるPINコードが入り口で必要との事ですが、
ヘリコンでは、バーコード付きのページを印刷したもので大丈夫でしょうか?
大変お手数おかけしますが、ご教示いただければ幸いです。
モスクワ一人旅とのこと、9月が待ち遠しいですね。
さて、お尋ねの件ですが、私の場合、あらかじめ日本の旅行代理店にチケットの手配も頼んでいて、現地のホテルで受け取ったものを劇場ホール入り口で見せるという昔ながらのアナログな方法でした。
ということで、残念ながらご質問には答えられないのですが、予約時にバーコードが発行されているのなら、eチケットの控えと同じくプリントアウトしたものを窓口で提示すればよいのではないでしょうか(あくまで想像です)。
私が行った際に、そうしたネット予約のお客さんに劇場側がどのように対応していたのか覚えていないのですが、ご心配ならヘリコンのHPのcontactのページのフォームでお問合せしてみてはいかがでしょうか?
お役に立てず申し訳ありません。
楽しい旅行になることをお祈りしています。
丁寧なお返事をいただき、ありがとうございました。
仰る通りですね
ヘリコンオペラに メールで直接尋ねてみます。
お手数おかけしました。
コメントありがとうございました。
良き旅となりますようにお祈りしています。