ポクロフスキー記念モスクワ室内音楽劇場。
日本では「モスクワ・シアター・オペラ」の名で知られています。
今回のモスクワ訪問の大本命です。
かつてこの劇場が来日公演を行ったときに、私もはるばる東京へ観に行ったものでした。
演目はショスタコーヴィチの《鼻》。
これはこれで楽しめたのですが、後でテレビ放映されていた同じ作曲者の《賭博者》+《ラヨーク》の公演のほうが面白かったなあなどと思ったり。
まあ、それはともかく、モスクワ劇場めぐり第三夜です。
モスクワ室内音楽劇場もパッと見劇場らしさがありません。写真中央の朽葉色の庇が劇場の入口です。
この劇場はニコリスカヤ通りに面していますが、この通りは「ホコ天」で車の通行はありません。
ショッピングなどがゆったりと楽しめ、写真の左奥方向に歩いていけばグム百貨店の前を通って「赤の広場」に出ます。
なにせ大本命なので、モスクワ滞在中は毎日場所をチェック(笑)。これは小雨の降る中のモスクワ室内歌劇場。
反対側から眺めるとこんな感じ。
演目案内の垂れ幕の最上段には《セルヴィリア》の文字が。
エントランスです。
この劇場の音楽監督でもあるロジェストヴェンスキーの85歳記念イヴェントの垂れ幕が下がっていますね。
いよいよ公演当日。チケットです。
エントランス脇の公演ポスター。
扉を開けて入るとセキュリティチェック。クロークは左側にあります。
エントランスホールの奥に写真のような階段。ここを上がってホールへ。
左には「鼻」閣下が写っていますね。
この劇場は《鼻》のイメージが強烈だったのですが、自分たちも《鼻》の公演を誇りに思っているようです。
階段からエントランスを見下ろすとこんな感じ。
白黒の市松模様の床がモダンな雰囲気です。
ホール横のホワイエ。
ここには写っていませんが、手前で公演プログラムなどを売っていました。
壁面にはこの劇場に名前を冠している演出家、故ボリス・ポクロフスキーに関する写真などが展示されています。
写真右側の空いている扉は、ポクロフスキーの記念室への入口です。
この奥が記念室。
その途中には各国での《鼻》の公演ポスターが。
日本での公演時のポスターも2種類ほど貼られていましたよ。
《セルヴィリア》の公演プログラムの内側。
全部ロシア語ですが、なかなか気合の入った解説記事です(想像)。
面白いのは、当日の演者が鉛筆で1部ずつチェックが入っていること。
オペレッタ劇場のプログラムでもそうなっていましたが、当日の演者にチェック入れをするのはプログラムを販売するおばさま方のミッションになっているようです。
ビュッフェ。手ブレすみません。
ホール内部です。
幕間時に撮影しましたが、開演前も同じく客席後部などにわずかに照明が当てられていているだけでほぼ真っ暗。
そのため、様子がわかりづらいかもしれませんが手持ちのカメラではこれが限界です。
この特徴的な内装、私は「メタリック・オールド・ローマン仕様」と勝手に呼んでいますが、今回の《セルヴィリア》の上演に合わせてしつらえられた特別のもののようです。
他の公演の時がどのようなものかわからないので比較できませんが、《セルヴィリア》では、客席も古代劇場をイメージしてわざわざつくったようですね。
ホール内をバルコニー状に巡る通路も効果的に用いられていました。
観客も含め、この空間自体が古代ローマの世界であるという意図でしょう。
この劇場は「室内音楽劇場」と名乗るだけあって、見てのとおり非常に小さいものです。
オケピットはなく、中央舞台の後方でオーケストラは舞台左手の指揮者のほうを向いて演奏するという独特のスタイル。
歌手も舞台右手の階段と指揮者の後ろの扉、それから観客が出入りする舞台左脇の扉を使って登場・退場します。
観客と演者が同じ扉を使って出入りするなんて!
このようなスタイルは日本の劇場ではあまり見られないことで、あり合わせのもので工夫して、逆に効果的に利用してやろうという意図が好ましく感じられました。
考えようによっては劇場の仕様としては貧相、というか欠陥ありなかもしれませんが、そんなことを全く感じさせず(ホールの容量上、音響にはやや難ありかもしれませんが)、むしろポクロフスキーが望んだ、観客と演者の一体感を十分に味わえるものでした。
私の席は一番前でしたが、何しろ歌手の口臭が濃厚に漂ってくる!
公演前に焼き肉食いましたか?と聞きたくなるほど(笑)
あるいは、足を引っ込めていないと演者が通る時に邪魔してしまう...という、普通では気にしない配慮も必要です。
面白いと思ったのは、歌手は指揮者を後ろにして歌わなければならないので、合図を確認するためと思われるモニタが客席後ろに設けてあったこと。
このモニタで出だしのタイミングなどをチラ見しているようでした。
また、合唱も舞台とバルコニー席とに二分し、指揮者の見えるバルコニー側が主導的に歌うようにしている感じ。
確証はありませんが、変則的な配置であるが故の工夫がされていると思った次第です。
今回は《セルヴィリア》の公演でしたが、違う演目ではまた別の演出や工夫がされているのでしょうね。
このちいさなホールで、観客よりも多い演者による濃密な公演。
私は十分に堪能させていただきました。
日本では「モスクワ・シアター・オペラ」の名で知られています。
今回のモスクワ訪問の大本命です。
かつてこの劇場が来日公演を行ったときに、私もはるばる東京へ観に行ったものでした。
演目はショスタコーヴィチの《鼻》。
これはこれで楽しめたのですが、後でテレビ放映されていた同じ作曲者の《賭博者》+《ラヨーク》の公演のほうが面白かったなあなどと思ったり。
まあ、それはともかく、モスクワ劇場めぐり第三夜です。
モスクワ室内音楽劇場もパッと見劇場らしさがありません。写真中央の朽葉色の庇が劇場の入口です。
この劇場はニコリスカヤ通りに面していますが、この通りは「ホコ天」で車の通行はありません。
ショッピングなどがゆったりと楽しめ、写真の左奥方向に歩いていけばグム百貨店の前を通って「赤の広場」に出ます。
なにせ大本命なので、モスクワ滞在中は毎日場所をチェック(笑)。これは小雨の降る中のモスクワ室内歌劇場。
反対側から眺めるとこんな感じ。
演目案内の垂れ幕の最上段には《セルヴィリア》の文字が。
エントランスです。
この劇場の音楽監督でもあるロジェストヴェンスキーの85歳記念イヴェントの垂れ幕が下がっていますね。
いよいよ公演当日。チケットです。
エントランス脇の公演ポスター。
扉を開けて入るとセキュリティチェック。クロークは左側にあります。
エントランスホールの奥に写真のような階段。ここを上がってホールへ。
左には「鼻」閣下が写っていますね。
この劇場は《鼻》のイメージが強烈だったのですが、自分たちも《鼻》の公演を誇りに思っているようです。
階段からエントランスを見下ろすとこんな感じ。
白黒の市松模様の床がモダンな雰囲気です。
ホール横のホワイエ。
ここには写っていませんが、手前で公演プログラムなどを売っていました。
壁面にはこの劇場に名前を冠している演出家、故ボリス・ポクロフスキーに関する写真などが展示されています。
写真右側の空いている扉は、ポクロフスキーの記念室への入口です。
この奥が記念室。
その途中には各国での《鼻》の公演ポスターが。
日本での公演時のポスターも2種類ほど貼られていましたよ。
《セルヴィリア》の公演プログラムの内側。
全部ロシア語ですが、なかなか気合の入った解説記事です(想像)。
面白いのは、当日の演者が鉛筆で1部ずつチェックが入っていること。
オペレッタ劇場のプログラムでもそうなっていましたが、当日の演者にチェック入れをするのはプログラムを販売するおばさま方のミッションになっているようです。
ビュッフェ。手ブレすみません。
ホール内部です。
幕間時に撮影しましたが、開演前も同じく客席後部などにわずかに照明が当てられていているだけでほぼ真っ暗。
そのため、様子がわかりづらいかもしれませんが手持ちのカメラではこれが限界です。
この特徴的な内装、私は「メタリック・オールド・ローマン仕様」と勝手に呼んでいますが、今回の《セルヴィリア》の上演に合わせてしつらえられた特別のもののようです。
他の公演の時がどのようなものかわからないので比較できませんが、《セルヴィリア》では、客席も古代劇場をイメージしてわざわざつくったようですね。
ホール内をバルコニー状に巡る通路も効果的に用いられていました。
観客も含め、この空間自体が古代ローマの世界であるという意図でしょう。
この劇場は「室内音楽劇場」と名乗るだけあって、見てのとおり非常に小さいものです。
オケピットはなく、中央舞台の後方でオーケストラは舞台左手の指揮者のほうを向いて演奏するという独特のスタイル。
歌手も舞台右手の階段と指揮者の後ろの扉、それから観客が出入りする舞台左脇の扉を使って登場・退場します。
観客と演者が同じ扉を使って出入りするなんて!
このようなスタイルは日本の劇場ではあまり見られないことで、あり合わせのもので工夫して、逆に効果的に利用してやろうという意図が好ましく感じられました。
考えようによっては劇場の仕様としては貧相、というか欠陥ありなかもしれませんが、そんなことを全く感じさせず(ホールの容量上、音響にはやや難ありかもしれませんが)、むしろポクロフスキーが望んだ、観客と演者の一体感を十分に味わえるものでした。
私の席は一番前でしたが、何しろ歌手の口臭が濃厚に漂ってくる!
公演前に焼き肉食いましたか?と聞きたくなるほど(笑)
あるいは、足を引っ込めていないと演者が通る時に邪魔してしまう...という、普通では気にしない配慮も必要です。
面白いと思ったのは、歌手は指揮者を後ろにして歌わなければならないので、合図を確認するためと思われるモニタが客席後ろに設けてあったこと。
このモニタで出だしのタイミングなどをチラ見しているようでした。
また、合唱も舞台とバルコニー席とに二分し、指揮者の見えるバルコニー側が主導的に歌うようにしている感じ。
確証はありませんが、変則的な配置であるが故の工夫がされていると思った次第です。
今回は《セルヴィリア》の公演でしたが、違う演目ではまた別の演出や工夫がされているのでしょうね。
このちいさなホールで、観客よりも多い演者による濃密な公演。
私は十分に堪能させていただきました。