海軍大将コルシンカの航海日誌

ロシアの作曲家リムスキー=コルサコフについてあれこれ

モスクワ街角点描~中世をしのばせる教会

2021年12月24日 | モスクワ巡り
ロシアの教会といえば葱坊主のドームをいただいた、おとぎ話に出てきそうな建物ですね。
京都や奈良の神社仏閣のように、モスクワには街中のあちらこちらにロシア正教会の建物があります。



一番知られているのはこの「聖ワシリー寺院」。
正式には「堀の生神女庇護大聖堂」というらしいのですが、一般には聖ワシリー寺院の名称で知られていますね。

私がこの建物の写真を初めて見たのはレコードのジャケットだったと記憶していますが、そのときはてっきリアラビアかどこかの建物だと思っていました。
このような不思議な意匠がロシア正教会のものだと知ってびっくり。
西洋の教会建築とはまるで違うので、宗教施設だなんてこれっぽっちも思わなかったのです。



次はモスクワ川のほとりにその威容を誇る「救世主ハリストス大聖堂」。
驚くなかれ、この内部には1万人が収容できるとか。
スターリンの命令により爆破され、その後2000年になって元通りに復元されたという、曰く付きの聖堂です。
とにかく大きくて目立つので、モスクワの街にあってはランドマーク的な存在。



聖堂の前ではロシア正教会の写真展が開かれていました。
いずれも息をのむような美しさでした。



クレムリンの内側にある聖堂群。中央に「アルハンゲルスキー聖堂」、その陰に「ウスペンスキー大聖堂」を遠望。右側にそびえ建つのは「イヴァン大帝の鐘楼」です。その高さなんと81m。

ロシア正教会の建築様式にも様々なものがあるようですが、それらをまとめて観ることができるのが、「ヴィソーカ・ペトロフスキー修道院」。観光客もあまりいなくて、静かに散策するにはおススメの場所です。



私が訪れたときは復活大祭後の光明週間で、境内には復活祭のカラフルなお卵さまのオブジェが配されていましたよ。



案内板にそれぞれの聖堂の建築年代が記されていました。ほとんどが17世紀後半の建造なんですね。

バガヤヴレンスキー修道院(神現修道院)」。



色合いだけ見るとまるでファッションホテルですが、モスクワでも最古級の由緒ある修道院だそうです。
ロシアで見かける教会は色使いが多彩であるのも魅力ですね。

さて、モスクワの教会はこうした有名な大聖堂だけでなく、むしろ、街角にひっそりとたたずむ、こぢんまりとしたものに魅力があるといってもよいでしょう。



その代表選手、「プチーンカのロジュジェストヴォ教会(聖母マリア降誕教会)」。
彫りの深い意匠の凝らされた純自の壁面に、空に伸びていくようないくつもの尖塔。その頭に金色の十字架をいただく紺青色の葱坊主。
清楚で可憐な少女のようです。



高層建築の陰にひっそりとたたずむは「シメオナ・スタルプニカ教会」。
新アルバート通りの「ドム・クニーギ(本の家)」の近くにあります。
こちらのドームはエメラルドグリーン。これもまた美しいですね。

「クリシキの全聖者教会」。
スターラヤ広場を南に下ったところにあります。



美しい教会として知られているようですが、なんとなく鐘楼部分は右に傾いているような......?
モスクワの斜塔ですね。

モスクワにはそのほかにも紹介しきれないほどの教会がたくさん。



モスクワの街歩きをしていると、時おり「チャンチャンチャンチャン......」と教会の鐘の音が聞こえてきます。
中世のモスクワをしのばせるひと時ですね。
いろいろな教会に出会えるのもモスクワ歩きの醍醐味です。



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