http://politas.jp/features/10/article/495#より転載
参院選でどこに投票したらいいか迷う人へ
2016年7月4日
それでも今回の選挙は、比較的わかりやすくなった。政党が乱立しても、有権者が迷って投票率が下がるばかりで、いいことがないと政治家の方もわかったからだ。
今回は、「与党連合」と「野党連合」の二大陣営に分かれた。「与党連合」は自民党と公明党で、いま政権を担当している。「野党連合」は民進党と共産党が中心で、いま政権を批判している。ほかにも小さな政党がいろいろあり、それぞれがんばっているのだが、政党に詳しくない人は、とりあえず「二大陣営がある」とだけ覚えておけば間に合うと思う。
それでは、与党連合と野党連合は、どこが違うのか。
これは私の意見だが、経済や社会保障については、大きな違いは出しにくい。たしかに、各政党が掲げている政策は、それぞれ違う。しかし日本政府は、お金がない。だから、実際にできる政策の選択肢があまりない。なので結果的には、どこの政党が政権についても、大きな違いを出すのはむずかしいと思う。
与党連合と野党連合の違いが出る分野は何か。これも私の意見だが、それは、進めてもお金のかからない政策分野だ
それでは、与党連合と野党連合の違いが出る分野は何か。
これも私の意見だが、それは、進めてもお金のかからない政策分野だ。具体的にいうと、憲法を変えるとか、学校で愛国心や道徳心を教えるとか、労働の規制をゆるめるとか、原発の安全審査を急がせるとか、人種差別をあまり罰しないとか、そういったことだ。
だから、そういった政策を進めた方がいいと思う人は、与党連合に投票したらいいだろう。そういったことを望まない人は、野党連合に投票したらいいと思う。
以上は、今回の選挙に限っての、簡単な目安だ。今回の選挙で、与党連合が政権を失う可能性は、ゼロに近い。野党連合の側も、与党連合が進めようとしている政策を、押しとどめるのが当面の目的だ。だから、今回は上に述べたような目安で投票しても、大きな問題はないと思う。
抽象的な公約を読みこむよりも、人間で追いかけた方がわかりやすい
あとは、地元の選挙区の候補について、経歴や役職を調べることをお勧めする。「こんな仕事を経た人が、こういう党の、こういう役職に就くのか」とか、「こんな役職は、どんなことをするところなんだろう」とか、そういうことを調べるといい。抽象的な公約を読みこむよりも、人間で追いかけた方がわかりやすいし、政治のことが具体的に理解できる。今どきはネットが発達しているから、昔より調べるのが簡単だ。自分が投票した候補が当選したり、落選したりしたら、その後に何をしているのか、追いかけてみることもお勧めしたい。
以上述べたことに対して、単純すぎるとか、反論があるとかいう人もいるだろう。そういう人は、日本の政治について、すでに一定以上の関心と知識があるはずだ。そういう人が、どんどん増えてくれればいいと思う。