上川陽子法相が代表の自民党支部が2013年に、総合物流会社「鈴与」(静岡市清水区)から毎月6万円の寄付を受けていたことが、政治資金収支報告書からわかった。

鈴与には国の補助金2件の交付決定がそれぞれ13年3月と8月に通知されていた。政治資金規正法は、補助金の交付決定の通知から1年以内の政治献金を禁じており、合わせて60万円の寄付がこれに違反する可能性がある。

 鈴与の寄付をめぐっては、望月義夫環境相が代表を務める政党支部も13年、同社への補助金交付の決定通知から1年以内に140万円を受け取っていた。

 上川氏は27日の閣議後の会見で、「今ここで正確に答えるのは困難だ。法に抵触するような献金をいただいていたという認識は全くない」と説明。鈴与については「これまで私の政治活動にあたたかな支援をいただいてきた企業だ」と述べた。この日の衆院予算委員会でも後藤祐一議員(民主)から返金したのかを問われ、「まずはしっかり調査し、対応していくことで説明責任を果たしていきたい」と述べるにとどめた。

政治資金収支報告書は13年分まで公表されている。上川氏の「自民党静岡県第1選挙区支部」は同年、月末ごとに6万円の寄付を鈴与から受けていた。

 国土交通省環境省によると鈴与は13年3月15日、国交省の3件の補助金計4200万円の交付決定を通知された。また、環境省の補助金についても、同省所管の一般社団法人から同年8月19日に約1億7千万円の交付決定を通知された。国交省からの補助金の決定通知を起点とすると、3月末から12月末までの計60万円が、同社への交付決定通知後の寄付にあたる。

 鈴与は、上川氏の政党支部に11年5月からほぼ毎月6万円を寄付。13年末までの合計は198万円に上る。