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沖縄知事:首相に「辺野古撤回を」 米大統領に伝達要請
毎日新聞 2015年04月17日 21時24分(最終更新 04月17日 22時51分)
安倍晋三首相は17日、沖縄県の翁長雄志(おなが・たけし)知事と首相官邸で約30分間、会談した。米軍普天間飛行場(同県宜野湾市)の移設について首相が「名護市辺野古への移設が唯一の解決策だ。丁寧に説明しながら理解を得る努力を続けたい」と政府の方針を説明したのに対し、翁長氏は「県民の理解を得ずに辺野古埋め立てを強行するなら、絶対に新基地はつくらせない」と計画撤回を求めた。
翁長氏の知事就任後、首相と翁長氏の会談は初めて。菅義偉官房長官と同県の安慶田光男副知事が同席した。
首相は冒頭、「沖縄の振興、発展はたいへん重要だ。国家戦略として進めたい」と沖縄振興への意欲を強調した。米軍嘉手納基地(嘉手納町など)以南の6施設・区域の返還も順調に始まったと指摘し、「少しでも(沖縄の基地)負担を軽減したい。普天間飛行場の一日も早い危険性除去は、われわれも沖縄も思いは同じだ」と述べた。
一方、翁長氏は、仲井真弘多前知事が行った辺野古沖の埋め立て承認に言及し、「前知事が県外移設という公約をかなぐり捨てたことを、(政権は)錦の御旗(みはた)に移設を進めている」と反論。「かたくなな固定観念に縛られず、移設中止を決断するよう期待する」と述べ、首相が今月末に会談するオバマ米大統領に沖縄の反対方針を伝えるよう要請した。
翁長氏は、仲井真氏が2013年末に政府に求めた「普天間飛行場の5年以内の運用停止」についても「空手形ではないか」と懸念を表明した。これに対し、菅氏は会談後の記者会見で「相手(米軍)のあることだが、県の協力を得ながら進めている」と述べるにとどめ、辺野古移設が実現しない場合、普天間飛行場が「固定化」するかどうかも明言しなかった。
菅氏は会談について「双方がそれぞれ考え方を説明し、率直な意見交換ができた」と評価しつつも、「これからも話をしながら進めていく」と移設推進の方針に変わりはないことを強調した。一方、翁長氏は「話し合いには意義があると思う」と記者団に語り、政府との対話継続に期待を示した。
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