お絵描き日記~イラストレーター照井正邦

職人、照井正邦の似顔絵、意匠など。画力の向上を目的に練習しています。

似顔絵の誇張

2024-12-07 08:58:18 | 似顔絵教室談
似顔絵の醍醐味は、誇張である。
今回は、誇張を分類したいと思う。
1,輪郭の誇張(体型の誇張)
2,位置の誇張
3,部分の誇張
4,状況の誇張
輪郭の誇張とは、面長などを大げさに描くこと。
位置の誇張とは、目鼻口の位置を大げさに描くこと。
目が離れていると思ったら、思い切り離すとよい。
部分の誇張とは、目鼻口の大きさや角度を大げさに描くこと。
大きいと思ったら思い切り大きく、小さいと思ったら、うんと小さく描くとよい。
形にも気を配りたい。鼻が長いと思ったら、思い切り長く描く。
状況の誇張とは、モデルのシチュエーションを大げさに描くこと。
モテモテなら、ラブレターをいっぱい描いたり、筋肉質なら、プロテインをいっぱい描いたりすると面白いと思う。

リアルについて考える

2024-12-07 08:48:38 | 似顔絵教室談
以前、リアルかデフォルメかの二元論には陥らないほうがよいという話をした。
今回もリアルについて考えてみたい。
その前に、言葉の意味を整理したい。
リアルとは、「本当の」とか「現実の」という意味。
リアリティとは、現実味という意味。
リアリズムとは、写実主義のこと。
似顔絵はリアルである必要はないが、リアリティは必要なのかもしれない。
現実味は、輪郭をはっきりさせるとか、影を落としてみるなど、リアルと呼ばれていない似顔絵にも必要な要素である。
ところで、リアルかデフォルメかの二元論に陥ってしまうのなら、リアルをリアリティと言い換える方法が考えられる。
リアリティとデフォルメは、対立軸ではない。
現実味のあるデフォルメもあり得るからだ。
現実味というのは、似ているという要素にも関わってくる。
リアルを毛嫌いするあまりに、似ていない似顔絵にならないようにしたい。

透明水彩で顔のニュアンスを描く練習

2024-12-05 10:17:15 | 似顔絵教室談
パーツとしての目鼻口に限界を感じてしまったのなら、透明水彩を用いて顔のニュアンスを描く練習をおすすめする。
顔を目鼻口としてとらえないで、顔を凹凸としてとらえる。
出っ張っているところは明るく、へっこんでいるところは暗い。
それを丁寧に描いていく。
顔の立体感が出てきたところで、目鼻口の陰影を描いていく。
顔のニュアンスが描けるようになると、目鼻口の描き方も変わってくると思う。

身体を描くときの三つの要素

2024-12-05 10:10:44 | 似顔絵教室談
身体を描くときに大事な要素を三つ挙げる。
一つ目は、シルエットとしてのポーズ。
二つ目は、重力。
三つめは、全体のバランス。
何をしているのか一目で分かるポーズを描こう。
何をしているのか分からないポーズだと、身体を描く意味がなくなってしまう。
かっこいいポーズよりも、伝わりやすいポーズを選んでほしい。
重力は、身体が地面の上に乗っかっているよいうに描ければよい。
全体のバランスを考え、顔だけ描きこみすぎてしまったり、身体だけリアルになりすぎたりしないように気を付けてほしい。

似顔絵と印象

2024-12-05 10:02:30 | 似顔絵教室談
顔の特徴をつかもうと必死でじーっと見ていると、何が似ていて、何が似ていないのかすら分からなくなるときがある。
そんな時には、ぼーっと見てみるのも手だ。
部分をしっかり見るのではなく、全体をぼんやりと見る。
この時、トーン(階調)を見るようにするとよい。
ぼんやりと見ていると、目鼻口の位置が見えてきたり、シルエットとしての輪郭が見えてきたりすると思う。
部分の特徴も大事だが、全体の印象も見れるようになると、似顔絵の雰囲気は格段によくなる。
このぼーっと見は、長時間はおすすめできない。
じーっと見があっての、ぼーっと見なのである。

パーツという考え方を改める

2024-11-30 09:21:08 | 似顔絵教室談
似顔絵でパーツという言葉を使うのは好きではない。
目鼻口を部品のように見てしまうと、人間味が薄れてしまう気がする。
目にはまぶたがあり、鼻には小鼻があり、口には唇がある。
そうであるなら、目と鼻の間や、鼻や口の間にも言語化できない特徴があるはずだ。
便宜上、目鼻口と言っているが、その間のニュアンスも似せられるようにしたい。
目鼻口以外が似せられるのであれば、かなりの個性になり得る。
パーツを似せるということでいきづまってしまったのなら、いったんパーツという考え方をやめ、顔のニュアンスを観察してみるとよい。

似顔絵と余白

2024-11-30 09:15:14 | 似顔絵教室談
似顔絵を描くとき、余白のことも考えたい。
似顔絵は輪郭が大事だと言ってきたが、その外側の余白も見てほしい。
余白が少ないと厚かましい印象を与える。
余白が多いと、さみしい印象を与える。
余白でモデルの印象も変わるので、その特色を活かして描いてみてほしい。

似顔絵と明暗

2024-11-28 09:46:07 | 似顔絵教室談
似顔絵を描くときに、どこに明暗を用いるのかを考えることは大事だ。
主役を暗くするのか、背景を暗くするのかなど、線で下描きしているときにも考えておきたい。
強い明暗というと、ハイコントラストが浮かぶ。
ハイコンの場合は、造形的な正しさというよりも、白い画面と暗い部分とのバランスで見たほうが上手くいく。

見立て似顔絵の描き方

2024-11-26 10:01:14 | 似顔絵教室談
見立て似顔絵を描くには、
まず、「モデル」と「似ていると思われるもの」を決める。
次に、「モデル」と「似ていると思われるもの」の中間の形をイメージする。
そして、二つの共通の似ている点を誇張して描けばよい。
モデルと似ていると思われるものの関係性が深いと、必然的になり、浅いと突飛なアイデアに見える。

初めての似顔絵教室アーカイブ

2024-11-26 09:19:05 | 似顔絵教室談
先月の自由が丘産経学園「はじめての似顔絵教室」は、体験の方もいらっしゃったので、似顔絵の基本の話をした。
髪型や輪郭から見ていくものの見方と、「ぱじぼー」という見方。
体験の方は、初心者だったが、線がよく、クロッキーとしても通用するものだったが、もっと面白く描きたいということだった。
高尚すぎると、面白味にかけることがある。