日高川堤防側の放水路、排水施設のイメージ
県が進めている日高川水系河川整備計画のひとつで、令和3年度から事業着手している下川放水路整備事業は今年度中に初めての工事発注を行い、来年度当初から着工する。下川は河川ぎりぎりまで家屋が密集し、拡幅が難しいため、通称18メートル道路(県道御坊停車場線)の地中に放水路を設置し、大雨時は放水路から日高川に直接放流することで氾濫を防ぐもので、地域住民らは一日も早い完成を期待している。
下川は藤田町吉田地内から旧御坊町内を通り、西川に合流する延長約4キロ。市街地を流れ、川幅が狭い上に河床が低く、河川ぎりぎりまで家屋が密集していることから今以上の拡幅が難しいため、天理教湯川分教会前の県道交差点から日高川堤防まで約1・5キロの通称18メートル道路(県道御坊停車場線)の地中約5~7メートル下に、3・4メートル四方の放水路(ボックスカルバート)を設置する。
令和3年度に新規事業着手し、5年度から今年度にかけて詳細設計を行い、現在は工事発注準備、用地交渉を進めている。工事はオープンシールド工法を採用し、100メートル間隔程度で工事を進める。18メートル道路4車線のうち中央の2車線部分を掘削し、地中に放水路を設置するため、工事中は両サイドの1車線は通行できるようにする。日高川寄りの下流部分から工事を始める予定で、今年度中に1件の工事発注を行い、7年度当初から着工する。
放水路の流下能力は計画流量が毎秒20トン、最大流量が毎秒26トン。日高川に直接放流するための排水施設(高さ約5メートル)は、18メートル道路堤防から約40メートル離れた場所に設置し、フラップゲート(高さ2・5メートル、幅3メートル)を二つ取り付ける。ゲートは日高川との水位差によって自動開閉し、ゲートより水位が低ければ排水し、水位が上がれば放水路に逆流しないようにする。
放水路への流入施設も2カ所に設置する。平時は水は下川を流れるが、大雨で下川の水位が上がり、流入施設に設けたコンクリート壁を超えれば放水路に水が流れ込むため、下川の氾濫を防げるという。総事業費は未確定。完成時期も今後の予算のつき方次第のため不確定。市自治連合会は「河川ぎりぎりまで家屋が密集しており、地域住民の不安は大きい。一日も早い完成をお願いしたい」と求めている。
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