老朽化で将来廃止・撤去する野口橋
御坊市は、懸案の老朽インフラのひとつ日高川に架かる野口橋(延長351・8メートル)の対応について架け替えなど更新は行わず、将来廃止・撤去する方針を固めた。昭和34年完成から65年が経過し、過去2回の定期点検で早期に対策が必要とされるが、10億円以上かかる耐震補強や架け替えは困難と判断した。廃止・撤去の時期は今後の検討になるが、令和8年度で実施する定期点検までに状態が悪化すれば即時通行止めの措置を講じる必要性も生じるという。
野口橋は、御坊大橋(延長480メートル)に次いで市道で2番目に長い橋。もともとは県道として昭和34年に県が建設し、昭和44年に歩道を増設。その後、野口新橋完成に伴い、平成15年に県道から市道に移管。平成10年に約1億円かけて塗装塗り替えなど修繕を行っているが、それ以外の大規模改修は行われておらず、老朽化が進んでいる。
日高川に架かる御坊大橋や県道の野口新橋、国道の天田橋は耐震補強工事を終えているが、野口橋は耐震調査も未実施。国が義務付けた5年に1回の橋梁定期点検で過去2回とも4段階で3番目に悪い早期措置段階の結果が出ており、老朽化による落橋事故が懸念されるほか、藤井側での車両進入待機による交通障害、橋脚による水の流れの阻害といった問題もあり、将来の廃止・撤去を視野に検討を続けてきた。
今後の対策として架け替え、耐震補強を含む大規模改修、塗装塗り替えなど修繕、廃止・撤去があるが、架け替えは20億円程度(撤去費6億円程度含む)、耐震補強を含む大規模改修は12億円以上の予算が必要になり、厳しい財政状況の中で行うのは難しい。塗装塗り替えなど修繕でも2億円以上かかり、その後の維持管理費もかさむ。撤去費にも6億円程度かかるものの維持管理は不要になる。
交通量調査では一日約740台の自動車・自動二輪車、約90人の自転車・歩行者が利用。令和5年12月から6年1月にかけて地元の野口、藤田町藤井・吉田、市内外問わず日ごろ橋を利用している人に行った利用実態調査では「あるほうがよい」は50・8%、「なくてもよい」は27・3%、「どちらでもよい」は21・9%だった。
この結果も参考に今後の対応を検討する中、架け替えや耐震補強は「やはり困難」と判断。周辺には野口新橋や川辺大橋が整備されていることもあり、更新は行わずに将来廃止・撤去する方針を固め、関係区や橋占用管所有者に理解を求めていく。令和8年度で実施する定期点検で状態が変わっていなければ当面維持するが、最も悪い緊急措置段階と判定されれば即時通行止めの措置を講じることになる。8年度までに状態が悪化するようなことがあれば定期点検を待たず通行止めとする可能性もある。
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