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夏の甲子園、コロナで中止 〈2020年5月22日〉

2020年05月22日 08時30分00秒 | 記事


2月下旬から活動中止し、グラウンドに球音が響かないまま
3年生の夏が終わる(日高中津グラウンド)


 日本高校野球連盟は20日、新型コロナウイルス感染の影響で、今夏の第102回全国高校野球選手権大会を戦後初めて中止すると決定。代表校を決める各都道府県の地方大会も中止することになり、3年生にとっては最後の夏を戦わずに高校野球を終える。管内高校の指導教諭は「3年生に掛ける言葉がない。高校野球の区切りをつける機会も失う」と無念さをにじませた。県高野連は独自に県大会を開く道を模索する考えを示しており、関係者も開催に希望を寄せる。

 新型コロナウイルスの影響で史上初の中止となった選抜高校野球大会に続き、夏の甲子園は代表校を決める地方大会すら中止に追い込まれた。第102回の選手権大会は8月10日から甲子園球場で開催を予定し、和歌山大会は、7月14日に県営紀三井寺球場で開幕予定だった。春季大会が中止となった影響で、シード校がないフリー抽選で組み合わせが行われることも決まっていた。
 緊急事態宣言が発令されて以降、管内高校の野球部でも活動を中止した。昨秋の新人戦で準優勝、県2次予選で3位校で選抜の21世紀枠県推薦校にも選ばれた日高中津分校は、全寮制で生活する部員全員が2月下旬に県内外に帰省。大阪府内出身の選手も多く、現在も閉寮状態が続いている。夏の甲子園、地方大会中止の決定を聞いた山本誠司監督は「帰省中も夏の大会を目指して個人練習をしっかりとやっておくように伝えていた。3年生になんと言葉を掛けて良いのか分からない。夏の大会で負ければ高校野球が終わるが、高校野球に区切りがつけられなくなる。どんな形でも良いのでそんな機会があれば…」と話し、県大会など独自の大会開催を望んだ。
 新人戦ベスト8の紀央館は試験休みとなった2月15日以降活動を休止している。3年生は部員17人、マネージャー4人。決勝で智辯和歌山に惜敗し、甲子園にあと一歩届かなかった夏の大会の翌春に入部した子たちだ。先輩たちが果たせなかった聖地へと最後の夏にかけていた。吉水智章監督は「言葉にならない。いまは3年生に何と言えばいいのか分からないが、会って直接伝えたい。新人戦で智辯に勝ったように実力はある。ひと冬越えて選手たち自身も成長を感じ春から試合ができることを楽しみに思い描いていた。夏の大会を目標にやってきたので何らかの形でやらせてあげたい…。紀三井寺球場で試合をやらせてあげたかった」と、選手たちの声も球音も響かない静かなグラウンドで声を詰まらせた。


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