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日裏勝己印南町長が次期町長選に出馬表明 〈2015年9月15日〉

2015年09月15日 08時30分00秒 | 記事

出馬表明する日裏町長


 14日に再開した印南町9月定例議会で日裏勝己町長(64)=1期目=が来年2月23日の任期満了に伴い執行される町長選に出馬を表明した。日裏町長は出馬の意志を問う玉置克彦議員の一般質問への答弁で「印南町をもっと元気にしたい」と次期町長選出馬への決意を述べた。

 玉置議員は、防災対策を中心に精力的に町行政を推進していると日裏町政を評価し、各種団体や多くの自治区から出馬要請が来ている現状を上げ「残り任期も6カ月を切った中、次期町長選に出馬される気持ちはないか」と出馬の意志を聞いた。
 日裏町長は、出馬要請については大変ありがたく、心強い限りです。強靱で安全・安心なまちづくりを中心にがむしゃらに、無我夢中で取り組んできた3年半だった。今後も町民の「声」をしっかり聞き、町政運営を図っていきたい-とし「目の前の仕事に全力投球する気持ちは変わらないが、印南町をもっと元気にしていきたい。地方の創生を町民みんなで実現していきたい。このような思いを強くし、次期町長選に立候補し、私の考えについて町民に信を問う覚悟を固めた」と出馬を表明した。
 日裏町長は平成24年1月29日に行われた町長選で、「住民目線に立った『強靱で安全・安心なまちづくり』」のため町民と協働のまちづくりを推進したいとし(1)産業の振興(2)福祉の充実(3)防災のまちづくり(4)教育の充実(5)行財政改革-を公約の大きな柱に掲げ、現職を大差で破って初当選。
 次期町長選まで半年を切った中で対抗馬の動きは現時点でないものの、選挙のしこりはまだ完全には消えておらず、日裏町長が正式に出馬表明したことで今後、前回現職で涙をのんだ前職の動向が注目だが、前職が不出馬の場合は前回前職を推したグループが擁立に向けた動きも出てくると見られ、選挙戦突入は十分考えられる。


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御坊市議会産業厚生常任委員会で藤井グラウンド復旧予算条件付きで可決 〈2015年9月13日〉

2015年09月14日 08時30分00秒 | 記事

条件付きで災害復旧予算を可決


 11日の御坊市議会産業厚生常任委員会(松本隆史委員長)で、7月の台風11号による日高川増水で浸水被害を受けた日高川ふれあい水辺公園・藤井多目的グラウンドの災害復旧予算4300万円について「グラウンド整備時の経緯等調査」と「河床整備など県への働きかけ強化」の2項目を条件に賛成多数で可決した。景観美化や健康増進、防災面から必要な施設である一方、毎年のように浸水し、税金を投じて復旧していることへの疑問の声を受け「現状が少しでも改善されなければ次はない」との姿勢を示した。

 水辺公園は県の「ふるさとの川のモデル事業」に採択されて整備し、藤井グラウンドは平成9年に供用開始。当時の執行部、議会ともに「椿山ダムの恩恵で日高川が増水してもグラウンドは浸からないとの前提を共有していた」といい、実際に平成23年9月の紀伊半島大水害で壊滅的な被害を受けるまでは、ほとんど浸水被害はなかったが、23年以降は毎年のように浸水被害を受け、その度に国の災害復旧を活用して原形復旧している。
 この現状に委員から「整備後14年間は浸水しなかったのに、23年以降は毎年のように浸水しているのはなぜか。まずこの原因を究明しないといけない」「23年の水害以降、野口から下流の複数個所に土砂が堆積し、川の形が変わっている。土砂を撤去しないと、また浸水するのは明らか」とし、一つめの条件として整備時の計画流量や県の採択条件など整備に至った経緯などを調査し、原因を究明するよう執行部に求めた。
 市はことあるごとに県に対して低水護岸前へのブロック設置、日高川の堆積土砂しゅんせつなどを要望しているが、ほぼゼロ回答の状況。市議会も今年6月議会で、堆積した土砂を撤去し、河床の整備を図るなど「日高川の防災力強化を求める意見書」を全会一致で採択し、知事あてに送ったが、県は「大変重く受け止める」と回答したものの河床整備時期等の明言はなかったという。「河床整備しないまま原形復旧しても、また被害を受けるのは明らか」とし、二つめの条件として「河床整備などを県に強く要請、働きかけること」を付け、執行部は努力することを約束した。


「河床整備がないのはなぜか」
日高川整備計画に不満の声

 上程議案をすべて原案通り可決したあと、県が策定作業中の日高川水系河川整備計画について意見交換した。
 計画は日高川、西川や下川など支川について今後20年間で実施する事業メニューを盛り込んでいるが、野口から下流については河床整備など事業メニューがないことに「なぜ計画に載っていないのか。万一、堤防が決壊したら大惨事になる」と不満の声が上がった。
 執行部は「野口から下流については場所を特定せず通常事業で適切に維持管理するとのこと。市の意見は述べているし、今後、市長に意見を求められた時にも市としての意見をしっかりと述べる」としたが、委員は「県の対応は無責任」と納得せず、県との意見交換を求める声もあった。


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交安協御坊支部の第30回交通安全ポスター入賞者決まる 〈2015年9月12日〉

2015年09月12日 08時30分00秒 | 記事

稲葉さんの作品

崎山君の作品

浜砂さんの作品


 交通安全協会御坊支部(小松一也支部長)の平成27年度第30回交通安全ポスター審査会は4日、御坊警察署3階で開き、最優秀賞(県知事賞)小学校低学年の部で稲葉千紗さん(松原小1年)、高学年の部は崎山香輔君(比井小6年)、中学校の部は浜砂美紅さん(清流中3年)が選ばれた。今年は昨年468点を10点上回る478点の応募があった。道路交通法の改正により自転車の交通ルールをテーマに注意を呼びかける作品が多く見られた。

 応募総数478点の中から最優秀賞3点、優秀賞は小学生低学年の部6点、同高学年の9点、中学生の部10点、佳作小学生低学年の部12点、同高学年の部15点、中学生の部18点の計73点を選んだ。さらに今年は30回目を記念して特別賞が設けられ、保富速人・御坊警察署長が低学年で中元煌翔君(印南小3年)、高学年で山本怜奈さん(同4年)、中学生で正賀万柚子さん(清流中3年)の3点を選んだ。
 最優秀賞を受賞した稲葉さんは「交通事故が減ってほしいと思い描いた。横断歩道を渡るときは手を挙げて渡ってほしい」、崎山君は「自転車に乗ってスマートホンを触っている人をよく見かける。危ないので絶対にやめてほしいとの気持ちを込めた」、浜砂さんは「交通安全教室で正しい黄色の信号意味は『気を付けて止まれ』と教わり、ドライバーの人に気を付けてほしいと思った」と話した。
 受賞者は、26日午後1時30分から御坊商工会館で開催する平成27年度日高地方交通安全功労者・優良運転者表彰式の席で表彰する。
 優秀・佳作作品の入賞者は次のみなさん。
【優秀賞】小学生低学年の部=川神天真(内原2年)稲葉陽祐(松原3年)林心音(内原同)山本留維(同)嶋田倫也(志賀同)松本羽礼(印南同)▽同高学年の部=串田魁星(野口4年)野村和志(塩屋同)細田咲月(比井同)柏木颯馬(三百瀬同)湯川楓里(印南同)川合琴葉(川原河同)東原百伽(同)伊賀康将(江川5年)川神大地(内原6年)▽中学生の部=坂本大輔(由良1年)蔵本幸生(清流同)白倉佳司(切目1年)細谷美夕(御坊2年)森本汐莉(清流同)夏見昂樹(稲原同)平田美緒(印南3年)東さくら(稲原同)鈴木豊(同)玉置悠有(切目同)。
【佳作】小学生低学年の部=井口永愛(衣奈1年)中野悠真(同)小角好誠(内原2年)青木和香(清流同)上道碧巧(衣奈3年)竹村健平(三百瀬同)中野哲(印南同)伏見遥花(同)古田透磨(同)釣本智里(清流同)沼野希泉(同)森萌乃香(同)▽同高学年の部=川手瑠梨(和田4年)高澤そら(比井同)中本樹志(衣奈同)大嶋脩斗(川辺西同)谷畑綺音(同)中津琉友(同)南出華歩(同)井川咲世(印南同)岡本亜結奈(同)北村佳乃子(同)冨田昇吾(同)西山詩織(和田5年)浜村碧翔(比井同)井口陽登(切目同)高澤めい(比井6年)▽中学生の部=岡田結衣(印南1年)川島梨嵯(同)西山直輝(同)山本芽依(同)大村和誠(清流同)坂口亜沙美(同)森直樹(同)森本愛未(稲原同)奥垣結衣(印南2年)花本里美(同)大橋望乃(同3年)岡本茉里(同)久保阿由弥(同)太田茉那(清流同)久保元輝(同)川口瑞貴(切目同)前山あゆみ(同)笹野楓華(稲原同)。


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南陵高校開校で南山の利用は? 〈2015年9月11日〉

2015年09月11日 08時30分00秒 | 記事

和歌山南陵高校の開校予定で利用方法に関心が集まる南山スポーツ公園の施設


 日高川町は「紀の国わかやま国体」の開催にあわせ、南山スポーツ公園の陸上競技場を人工芝生化するなどの大改修を行った。国体後の運用が課題となる中、来年4月には隣接地に和歌山南陵高校が開校予定で、町議会でも同校の利用に関して質問が相次いだ。改修後は県内外から合宿利用者が殺到し、野球場も週末には地元団体などの利用が多いため、町では「町民や地元の利用を優先」の方針で、利用方法について学校側と覚え書きを交わすとしている。

 旧国際開洋二高校があった施設に、和歌山南陵高校が来年4月からの開校を予定。同校の学校案内やホームページには、スポーツコースの開設とともに、南山スポーツ公園の施設を「野球場」「サッカー場・陸上競技場」として写真入りで施設紹介し、「町などの協力でクラブ活動等にも使用します」と記されている。
 一方、町側も施設を有効活用して頂くという話には賛同し「出来る限りの範囲で協力したい」との方針を示しているが、議会の一般質問で市木町長は「競技場と野球場はあくまでも町営の施設。町民が利用したい時に空いていない、高校に貸しっぱなしというのは、いかがなものかと思う。週末には大会なども開催され、合宿などの利用も多く、それを最優先すべきだと思っている。せっかくある施設だから、空いている時は南陵高校にも利用して頂く形を取りたい」と答えた。
 同施設の整備には、町が約9億円という多額な予算を投じており、町民からは「以前の開洋二高のように、学校施設のような利用状態では…」と危ぐする声も聞かれる。さらに、改修完了後の夏休みには、県内外から陸上競技やサッカー、アメフトなど学生や社会人の合宿利用が続き、町内の宿泊施設に与えた経済効果も大きい。町教委では1年を通じたスポーツの合宿誘致を図っていく考えで、町にとっては高校側が使用するよりも合宿誘致や地元利用の方がメリットは大きいと思われる。
 同高校がどのような形で来春の開校を迎えるかも不明確な状況。町では、校舎東側に広いグラウンド用地があるため、学校側が整備して利用するよう要望する考えで、これらを含めた南山スポーツ公園の利用について学校側と覚え書きを交わす考えを示しており、町民も関心を寄せている。


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日高町小中区の子どもたちに被災地小学校(宮城県)から感謝の手紙 〈2015年9月10日〉

2015年09月10日 08時30分00秒 | 記事

小学校から届いた感謝の手紙を手に
喜ぶ杉村さん


 日高町小中区の子どもたちが、応援する言葉を載せた色紙や折り紙で作ったチョウチョウなどを贈ったお礼に、東北の東日本大震災被災地の宮城県の小学校から感謝の手紙が届いた。小中区の子どもたちのふれあい活動からつながったもので、手紙には心温まる贈り物に感謝する気持ちがつづられており、事務局の杉村邦雄さん=日高町小中=は「地域の子どもたちが、大人になるまで応援する気持ち、被災地への思いを持ち続けてほしい」と話している。

 杉村さんは平成23年9月に岩手県花巻市で開かれた笹川良一第26回全国選抜ゲートボール大会シニアレディースの部で、日高町レディースチーム「紀の国日高」の監督として参加。
 現地を訪れて、津波で破壊された施設など被災状況を実際に見て感じたり、ゲートボール仲間から、ボールやスティックなどの用具を失った人や競技場もがれき置き場になるなどの話を聞いたことをきっかけに、用具を贈ったり、ミカンを届けるなど被災地への支援活動を続けている。
 昨年9月30日、被災した大川小学校を訪れた。海岸から約4キロの川沿いに位置する同校は、平成23年3月11日の東日本大震災で全校児童108人の7割に当たる74人が死亡、行方不明になった。杉村さんは津波で壁や渡り廊下が崩れ落ちたりしているのを見て、学校が再開していないなかで何か支援できないかと考えた。
 日高町小中区ふれあい推進協議会が主催する区ふれあい・ペタンク大会で、地域の子どもたちに今年は初めて被災地に心温まる贈り物を届けようと提案。
 今年4月下旬に大会を開催し、大小のピンクや白などさまざまなチョウチョウを作ったほか、「みんな仲間だ」「友達なんだ!」などと応援するメッセージを色紙に書いたり、花の絵なども添え、宮城県石巻市の大川小学校や、津波で校庭、校舎はがれきで使用できなくなるなど被害が大きかった名取市閖上小学校にも送った。
 これを受け、閖上小学校の三品隆校長からは5月上旬に、大川小学校の千葉照彦校長からは9月2日に手紙が杉村さん宅に届けられた。手紙には折り紙やメッセージは校舎内に飾っていることや学校再興に向けた取り組みなどが書かれており、「遠い地から私たちのことをお気遣いいただき、感謝の気持ちでいっぱいです」、「これからもどうか見守っていただきますようお願いします」などとつづられている。
 手紙が届いたことを地域の活動の中で伝えることにしており、杉村さんは「少しでも、子どもたちの温かみを感じてもらえてうれしい。小中区の子どもたちも自分たちのチョウチョウを飾ってくれ、喜んでいる。支援の心を持ち続けてほしいし、活動したことを大人になっても思い出してもらいたい」と話している。


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日高川町がかわべテニスコートのドーム化を平成30年に着手計画 〈2015年9月9日〉

2015年09月09日 08時30分00秒 | 記事

平成30年にも屋根付きの整備計画に着手する
かわべテニス公園のコート「神和住ガーデン」


 日高川町が、旧3町村区域住民の意見を町施策に反映するため設置した川辺地区の地域審議会が答申していた「かわべテニス公園」のコートを屋根付きに整備する計画について、市木久雄町長は、8日再開の町議会一般質問で、平成30年にも着手する考えを明らかにした。

 市木町長は、防災センターの建設とテニスコートのインドア化のどちらを優先するか検討した結果、南海トラフの大地震が近い将来発生する可能性がある中で、防災センターを優先した経緯を説明。その上で「テニスコートについては防災センター建設後に着手したいと考えており、すでに財源や事業採択にはめどが付いている。屋根の設置で雨天時のコート利用が可能となり、効率的な合宿や大会誘致を行うことができ、大いに利用者の増加につながると考えている」と述べ、防災センターが完成する平成30年にコート整備の設計などに着手したい考えを明らかにした。
 かわべテニス公園のコートをドーム付きに整備する計画は、平成18年に町が旧3町村区域住民の意見を町施策に反映するため設置した「地域審議会」の川辺地区会議が「地域活性化施策」に沿った審議結果として町に答申。今後の具体的な整備計画は未定だが、答申時の計画では、同公園の北側6コートに設けられた「神和住ガーデン」をドーム付きにするもので、6コート全面を屋根で覆うプランと3コートだけを覆うプランがあった。最大6コートのプランでは縦40メートル、横107メートル、高さ10メートルの軽量鉄骨製ドームを建設し、全天候型のコートにするもので、町では平成21年度の予算に、ボーリング調査委託料として212万6000円を計上している。
 同公園の人工芝コートと宿泊施設は、「サイクリングターミナル」の名称で昭和56年3月に約2億3000万円を投じて完成した。平成11年に(財)日本自転車道路協会が解散、旧川辺町が財団の払い下げを受けて運営し、その後、名称も変更された。
 一般質問で入口誠議員が同計画について質したのに答えた。


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JC和歌山ブロック大会で矢野燿大さん(元阪神)講演 〈2015年9月8日〉

2015年09月08日 08時30分00秒 | 記事

講演後、地元の野球少年から花束を受けた矢野さん


 元阪神タイガースの正捕手で野球解説者の矢野燿大さん(46)が6日、日高川町で行われた公益社団法人日本青年会議所の第46回和歌山ブロック大会で講演し、自らの野球人生を振り返りながら、失敗を重ねても、夢をあきらめずに成長していくことの大切さを訴えた。矢野さんは、2003年にセ・リーグ優勝をともに経験した星野仙一監督や野村克也監督らとのエピソードを交えながら、裏話なども披露し、訪れた野球ファンら満員の聴衆を楽しませた。

 小学2年生で野球を始めた頃から「プロになりたい」という夢を抱いていたと話を始め、中学時代には体育教師を志すようになり、大阪府下の公立校では一校だけ体育科のあった桜宮高校に進学。高校では先生になるよりも甲子園への思いが強くなり、勉強より野球中心の生活になったが、思うような成績が残せず「野球しかやっていなくて燃え尽きてしまったが、完全燃焼できなかった。プロの夢にケリをつけようと大学進学を決めた」と振り返った。
 強豪だった東洋大のセレクション(入部テスト)は不合格になる挫折を味わったが、一般入試で東北福祉大へ。大学3年の時には日本代表に選ばれ、ドラフト指名が確実な選手に成長し、巨人と阪神のスカウトから上位指名の約束をもらったが、2位で巨人と中日が競合。中日の指名は頭になく「ウソやろ…中日は余計なことするな」と当時の心境を暴露。抽選で巨人の交渉権獲得を祈っていたが、中日が引き当て「行きたい方向に行けない人生。全くうれしくなかった。2歳年上には正捕手の中村選手がおり、何より星野監督への恐怖感で、監督の下では無理だから行きたくないという気持ちだけだった」と話して会場を笑いに包んだ。
 プロ入り後も挫折の連続で試合に出るのが怖く、言われた練習を繰り返す日々が続いたが、同期の選手や先輩が解雇される姿を見て「このままでは後悔しか残らない。やるだけやったけどプロで通用しなかったと思えるまでやらないと、もったいない」と目覚め、深夜まで公園でバットを振り続けた。「やらされる練習から、自分でやる練習に変わることで、試合に出たいと気持ちが前向きになった」という。
 ところが、1997年のオフに阪神に突然のトレード。移籍後は、トレードに出した中日と星野監督を見返すことしか頭になかったが、2001年に星野監督が阪神へ。「僕をトレードに出した人で、また『要らん』と言われるかもしれない。また一緒に…」と当時の複雑な心境を語ったが、「プロ入りもトレードも、初めて優勝を経験したのも星野監督。自分の人生には欠かせない存在で、内面的に大きな影響を受けた人であり、熱さと優しさを持った人。現場に戻ることがあれば、星野イズムで燃えるような選手を育てたい」と語った。
 野村監督の下では能力の高い選手に負けない頭脳で勝つ野球を学んだことも紹介し、「野村さんと出会わなければ今の自分はなかった」と。そんな野球人生を振り返り、「良いことばかりではなく、失敗することでパワーをもらうことが多い。成功ばかり続くのは良いことがない。波があり、夢を持ち続けてそれを乗り越えて成長していくことが大切」と締めくくった。
 筋ジストロフィー患者・児童養護施設の子どもたちを応援するため、自身の背番号にちなんだ「(サンキュー)矢野基金」に協力を呼びかけ、質問コーナーに手を挙げた野球少年らにサインボールを贈った。


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御坊市が後期事業計画を発表 〈2015年9月6日〉

2015年09月07日 08時30分00秒 | 記事

策定委員会で後期事業計画決定


 御坊市が、第4次総合計画(平成23~32年度)後期事業計画を発表した。基本計画に基づき、28年度から32年度の5年間で着手、実施する94事業を採択。新規事業は既報の津波避難タワー建設やファミリーサポートセンター開設など防災対策、子育て支援対策を重点に16事業あり、過去に検討し、断念した経緯がある御坊総合運動公園市民野球場屋内練習場整備も初めて事業計画に載った。着手時期等は毎年秋に開く実施計画策定委員会や予算編成の中で決める。
 
 御坊総合運動公園市民野球場は2~4月、8月、12月の学生長期休暇中は学生野球チーム等の合宿で埋まっているほか、年間通して週末は予約でほぼ一杯と人気が高いが、雨天時の屋内練習場がないため、以前から整備要望が出ていた。市当局は「屋内練習場があれば合宿誘致等にも弾みがつく」と新規事業に採択。今後、田辺市や新宮市など県内他地域を参考に検討し、財政状況も勘案しながら実施の有無を判断する。
 施設の規模や事業費は未定だが、他地域の例では面積約1600平方メートルで事業費は約3億円。場所は運動公園内で確保できる見通しで、あとは財源確保。担当課は「補助金も探しながら5年間で実現できるように検討したい」とした。過去に住友金属総合スポーツセンター閉鎖に伴う雨天練習場の移転受け入れを検討した際は「ノドから手が出るほど欲しい施設」と交渉したが、財政にゆとりがなく断念した経緯がある。
 既報の津波避難タワー建設と御坊医療圏域初のファミリー・サポート・センター(子育て援助活動支援事業)開設も新規採択。津波避難タワーは名屋、新町両地区に1基ずつ整備することが決まり、平成29年度着手を視野に場所や規模等を検討中。ファミリー・サポート・センターは子育てをサポートしてほしい人に、支援できる人を紹介する事業で、子育て支援の拠点として御坊小学校北校舎耐震補強工事が終わる平成29年度開設で進めている。他の主な新規事業は次の通り。
【塩屋漁港施設機能強化】3連動地震被害シミュレーションを行い、必要に応じて荷揚場や市場、道路など基幹施設の補強対策、背後地の液状化対策を実施。
【漁港海岸保全施設老朽化対策】塩屋漁港を除く5漁港を対象に背後地の防波堤を点検し、必要に応じて長寿命化対策を実施。
【橋梁長寿命化定期点検】市道に架かる橋長2メートル以上、15メートル以下の214橋をすべて点検。
【農業集落排水施設機能強化対策】平成10年完成の富安処理場の老朽化等を調査し、必要に応じて機能強化を図る。
【地域密着型サービス事業所設置】認知症グループホームを現在の2カ所から3カ所に増やす▽小規模居宅介護事業所を藤田地区以外の5地区にそれぞれ1事業所開設する。
【空き家再生等推進】市内の空き家実態把握調査を行い、除去事業を含めた計画を立てる。
【消防緊急通信指令システム更新】老朽化した同システムを更新。事業費約3億円。
  
庁舎改築、学校空調、防災施設
未着手9事業はそのまま引き継ぐ
 継続事業78件のうち、懸案の庁舎改築、学校空調整備、防災拠点施設整備など9事業は前期事業計画で未着手だったのをそのまま引き継いだ。
 庁舎改築は施設規模縮小などコスト軽減で20億円程度に抑える方針。優先すべき防災対策事業が残っているのに加え、財政調整基金も減ってきており、着手は総合計画最終年度の32年度ごろになる見通し。
 学校空調整備は改築の湯川中を除く小学校6校61教室、中学校3校17教室、幼稚園4園12教室が対象。関連電気工事も含めれば約3億円必要。湯川中改築事業が終盤に入る平成28年度着手をメドに検討するも着手時期は流動的。
 防災拠点施設は市消防本部が津波対策で海抜約20メートルの高台にある藤田町の北吉田住宅団地用地(市有地)に通信指令機能やヘリポートなどを備えた非常時の代替え施設建設を計画。事業費は用地造成費も含めて約4億円を予定。
 
達成率92・7%
前期事業計画
 前期事業計画は123事業のうち、完了(27年度予定含む)は32事業、継続は69事業、経常事業への移行等13事業、未着手9事業で、未着手を除いた達成率は92・7%だった。
 主な完了、継続事業は湯川中改築、市立体育館耐震補強・リニューアル、市福祉センター同、学童保育、JR御坊駅バリアフリー化、町内会防犯灯等LED化、花き販路拡大、第3子以降子育て応援(保育料や給食費無料化、給付金)などがある。


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わかやま国体弓道競技に管内から男女13人選抜入り 〈2015年9月5日〉

2015年09月05日 08時30分00秒 | 記事

 紀の国わかやま国体・弓道競技の県選抜メンバーが決まった。少年(高校)、成年の男女とも正選手と補欠を含め5人ずつの計20人で、日高地方から高校生7人、成年6人の計13人が選ばれた。弓道は今月27日から30日まで田辺市立弓道場で開催し、地元選手の活躍が期待される。

 管内から選ばれたのは、少年男子で浜上直也君(日高2年)、山本敦也君、中尾信次郎君(以上紀央館3年)と補欠に辻泰雅君(日高2年)、同女子は川崎沙羅さん(日高2年)、大江加奈子さん(紀央館2年)、津村怜那さん(同3年)。
 成年男子は明治大学4年、小山竜矢さん(21)=御坊市出身・神奈川県在住・日高高卒=、補欠に神島高校教諭、嶋田良太さん(29)=日高町出身・上富田町在住・日高高卒=、同女子は日高高校教諭、石本千夏さん(34)=由良町・日高高卒=、和歌山大学1年、永野杏奈さん(19)=御坊市出身・和歌山市在住・日高高卒=と、補欠に田辺市立上芳養小学校事務、浜中香里さん(21)=日高川町・日高高卒=、同市立中芳養小学校事務、今井梓さん(24)=みなべ町=。
 各チームを率いる監督は少年男子が中村栄子さん=美浜町=、同女子は山崎涼子さん=みなべ町=、成年男子は中村文雄さん=美浜町=、同女子は西原照美さん=みなべ町=の4人。
 今年は和歌山県で開催されるため、全部門とも本選に出場するが、和歌山県チームは去る8月に大阪・万博記念公園弓道場で開催された近畿ブロック大会(近的・遠的)に参加し、少年女子と成年女子がともに総合優勝、少年男子が準優勝と調子は上々。成年男子は総合4位だったが、近的では2位と好成績を残しており各チームとも上位入賞に期待がかかる。
 少年の部でメンバー入りした日高高の浜上君は「優勝します。悔いの残らないよう死ぬ気で頑張ります」、辻君は「正選手のサポートをしっかりして、来年につながるよう学びたい」、川崎さんは「全部当てるつもりで、優勝目指して頑張ります」、紀央館の山本君は「チームの足を引っ張らないよう頑張りたい」、中尾君は「優勝を目標に頑張ります」、大江さんは「和歌山県に貢献したい。良い射を見せられるよう頑張ります」、津村さんは「自分の納得いく射で、和歌山県に貢献できるような結果を残したい」と話した。


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中学バレージュニアオリンピック県代表に管内3選手 〈2015年9月4日〉

2015年09月04日 08時30分00秒 | 記事

 

 12月に大阪で開催するJOCジュニアオリンピックカップ第29回全国都道府県対抗中学バレーボール大会の県選抜メンバーに、男子で五味登以選手(大成中3年)、女子で西川凌選手選手(日高中同)と田中彩織選手(上南部同)が選ばれた。男女各12選手の代表メンバーが6日に和歌山市で結団式を行い、12月25日から大阪市中央体育館などで開催される全国大会に挑む。

 選考会は8月7日に湯浅スポーツセンターで行い、男子は21人。女子は、U-14選出のメンバーや地区大会などをもとに県内各郡市から選ばれた約50人の候補選手が参加。サーブやレシーブ、スパイク、ブロックなどの練習やゲーム形式のプレーなどを参考に選抜メンバー男女12人を決めた。
 男子で唯一人、大成中から選出された五味登以選手(身長180センチ)は、1年秋からチームのエースアタッカーとして活躍。県大会では6大会連続準優勝、今夏の近畿中学総体ベスト8入りに貢献した。五味選手は、持ち前のセンスを生かした得点力がずば抜けており、スパイクをコースに打ち分け、巧みなフェイントが高く評価されている。ジャンプ、無回転の2種類のサーブ、レシーブにも定評があり、オールラウンドプレイヤーとして県選抜をけん引するエースアタッカーとして期待され、五味選手は「期待に応えられるように頑張って、日本一を目指したい」と話している。
 女子選抜に日高中からは西川凌選手(身長158センチ)。1年生の秋からレギュラー入りし、主将を務めムードメーカーとしてチームをけん引。今年1月の梅の郷バレーでは優勝、夏の大会では県3位にチームを導いた。身長は高くないが、跳躍力があり、相手のブロックを見抜いて、きわどいコースへスパイクを繰り出す。真面目でバレーへの熱意は人一倍。西川選手は「まずは予選リーグを突破して決勝トーナメントを目指す。練習を重ね、レギュラーに入り、自分のプレーをしたい。うまくレシーブして、チームメートにいいアシストがしたい。今できることを確実にできるよう精度を上げていきたい」。 
 上南部中3年の田中彩織さん(身長164センチ)は初選出。チームではレフト、センターを任され、最高到達点2メートル68センチの県下でも高いレベルのジャンプ力が魅力。ブロックを打ち破るパワーのあるスパイクを打てるアタッカーで、ジャンプフローターサーブも得意とする。2年からチームの主力として活躍し、昨年秋の県新人戦ベスト4で近畿大会出場。3年生では春の選手権大会で県準優勝、夏の総体日高予選優勝とエースとしてチームを牽引した。
 田中さんは「まずはレギュラーを取れるようがんばり、出場すれば、厳しい試合のときに、つないでくれたボールを確実に決められるようにしたい。力強いプレーを目指したい」と話した。


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