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和歌山県の御坊市と日高郡をカバーする地方紙「紀州新聞」のウェブサイトです。主要記事、バックナンバーなどを紹介。

紀州鉄道旧日高川駅舎整備し列車運転体験 〈2017年4月16日〉

2017年04月17日 08時30分00秒 | 記事

旧日高川駅舎を活用した列車運転体験イメージ図


「りんこう」の愛称で地域住民や鉄道ファンに親しまれている全国で二番目、私鉄電車で日本一短い紀州鉄道(株)=本社・東京都=の中川源行代表取締役社長が、同鉄道を活用した御坊市活性化プロジェクトとして(1)旧日高川駅舎とその周辺廃線を活用した列車運転体験(2)木製枕木をコンクリート枕木に変更して線路間に芝生を植え、線路の外側に御坊特産の花を植え、観光名所として活用する-構想をまとめた。実現には整備や維持管理など課題もあるが、中川社長は「なんとか実現させたい。行政をはじめ関係機関、市民の皆さまのご協力をお願いしたい」と意欲を見せている。
 
 中川社長は「今、人口減少問題が大きな課題。人口が減ると一番困るのが私たち装置産業。地域住民の皆さまから親しまれている私たち紀州鉄道自身が観光資源となり、子ども達への教育文化活動、地域の人たちへの生きがいづくり、災害に強いまちづくり、観光客誘致などに取り組み、地域活性化につなげたい」として列車運転体験、芝生軌道の地域活性化プロジェクトをまとめた。
 列車運転体験は平成4年に廃線となった旧日高川駅舎とその周辺廃線(延長約100メートル)を整備し、県内外の子ども、鉄道ファンに20トンを超える実際の列車(5月4日に引退イベントを行う「キテツ2号」)を運転してもらう。2日間コースで講義(御坊市などの歴史や労働、輸送、安全等の意義など)を受けたあと、列車の操縦、内熱機関のメカニズム、ポイントの切り替え、整備、点検などを体験し、学んでもらう。
 子ども達には教育プログラムとして▽県内の小中学生は無料、または低料金▽一般、鉄道ファンには鉄道事業として有料(1万円程度)にする考え。島根県の事例では年間2000人が利用しており、紀州鉄道ならそれよりも多い利用が見込まれるという。駅舎や廃線など整備費用に約9000万円かかると試算している。財源確保やNPO、各種団体との連携などが課題となるが、中川社長は「すぐにでも取りかかりたい事業」と位置づけている。
 芝生軌道は、現在の木製枕木をコンクリート枕木に変更して車両安全運転の確保を図った上で、全国でも有数の日照時間を活用して線路間に芝生を植え、線路の外側には全国一の出荷量を誇る市の特産スターチス、スイートピーなどの花を植栽して観光の名所にする構想。芝生、花の植栽で市の知名度アップ、花き産業への貢献、災害時に芝生軌道を避難路として活用、観光客誘致などにつながると期待される。
 熊本県の事例を参考にすると、1メートルあたり35万円の費用がかかり、全線2・7キロを整備するには約9億5000万円必要になるため、市役所前駅~紀伊御坊駅間など段階的に進めることも検討する。整備方法は(1)紀州鉄道が先行し、段階的に実施する(2)国、県、市の補助を受け、第三セクター方式やNPO方式などで実施する-が考えられる。また、芝生や花の維持管理にはボランティアの協力なども必要になる。
 このほか、道の駅設置・運営なども考えており、中川社長は「この前の脱線事故では多くの皆さまにご心配とご迷惑をおかけしました。紀州鉄道に対する信頼を取り戻す取り組みを形にする構想であり、鉄道部門の生き残りを賭けた構想でもあります。構想を実現させるためには行政など関係機関のご支援、ご協力はもとより、地域住民の皆さまのご理解、ご協力が必要です。市民の皆さまからアイデア、意見、提言もいただきたい」と話している。


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由良町白崎海洋公園でGWイベント、「しらす丼」や「ジビエ丼」など限定メニュー販売へ 〈2017年4月15日〉

2017年04月15日 08時30分00秒 | 記事

シシ肉を使ったジビエ丼

人気のシラス丼


 由良町の道の駅・白崎海洋公園が、今月29、30日と5月3日~7日の計7日間にわたり同園で「白崎ゴールデンウィークイベント」を開催する。同町でとれた鮮魚など由良のグルメを味わってもらおうと昨年に続き企画。行楽シーズンに家族で出掛ける機会が増える中、大人も楽しめるグルメイベントを楽しんでほしいとGW限定メニューを販売する。

 県外から多くの観光客が訪れるGWに、ファミリーや地産地消に関心が高いシニア層に楽しんでもらおうと企画したグルメイベント。昨年は約1万人が来場する人気だったのを受け、今年も開催を決めた。
 GW限定で提供するのは、由良町でとれた鮮魚の刺し身と丼のセットで、「しらす丼」、シシ肉を使った「ジビエ丼」を選択できるほか、好評の生フランクも用意。料金は、刺し身と丼セットが1500円、生フランクは1本500円。このほか、持ち帰り用として、しらすのパック(1500円)、生フランクも販売する。
 イベントは公園内のパークセンターで行い、屋外や屋内で食事できる。時間は午前9時から午後4時まで。昨年は多い日で一日あたり2000人以上が来場し大にぎわいだった。
 同園では「1年に1回しか食べられない限定メニューとなっていますので、この機会に、ぜひ白崎海洋公園にお越し下さい。日本でも稀に見る白い石灰岩や青い海が広がり、公園内の展望台も改修されていますので、由良町の観光スポットを楽しんで下さい」とPRしており、昨年以上の来場に期待を寄せる。
 また、前回はGWに同町の農産物や鮮魚なども販売し好評だったことから、今年度も地域産品を活用し町内事業者が自分たちの商品に自信を持って販売できる態勢づくりに努めたいとしており、地域活性化をはかっていく。


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日高町原谷のシカ夜間銃猟、出猟日すべてで捕獲に成功 〈2017年4月14日〉

2017年04月14日 08時30分00秒 | 記事

原谷区で夜間に出没するシカ


 県は12日、6地区でのシカの夜間銃猟実施結果について、54頭を捕獲したと発表。27年度から始めた2年目の事業で日高地方では初めて日高町原谷区で行い、このうち10頭に上った。同地区では前回との比較実績はないが、出猟日すべてで捕らえられ、27年度県全体実績を同地区だけで上回る順調ぶりで、カメラでの出没確認や餌付けによる場所の選定などがうまくいった。シカの獣害対策は求められており、県が今年度も計画をあげれば、町は今回の経験を生かして協力していきたいとしている。

 国の法律改正による規制緩和に伴い、県は指定管理鳥獣捕獲等事業実施計画に基づいて夜間銃猟を昨年度から導入し、今年度は、原谷区を含め県下6地区で実施。県が県猟友会に委託し、夜間銃猟の認定を受けた会員の6人が各地区5回ずつの計30回、猟に従事した。
 原谷区では11カ所の射撃ポイントを選定し、2月15日から3月15日まで、毎週水曜日に出猟。初日から2頭と幸先良いスタートとともに2日目2頭、3日目1頭、4日目1頭、5日目4頭とすべてで捕獲に成功した。
 県は昨年3地区計14回で6頭にとどまったことから、実施時間をこれまで20時だったのを22時まで延ばし、地区ごと1カ所だったのを多数の餌場を設定し、車両巡回する方法を採用。原谷区でも同様だったが、カメラを設けて出てくる時間帯を確認したり、餌の食べ具合を見て、出没を出猟時に予想し、ミーティングを行い次回への対策につなげた。
 県内のニホンジカ生息数は5万4000頭と推定しており、1万7000頭以上の捕獲による生息数の減少を目指しているが、27年度の捕獲数は1万3846頭であり、さらなる強化が急務。シカの警戒心が低くなる夜間に行う銃猟は、その対策の一つにあげられ、原谷でも黒竹などの林産物や農産物への食害被害は大きく、地元としても獣害対策は求められている。
 町担当課は「餌付けによるバックストップがある場所など安全性を保ち、比較的民家が近くにある場所で、音などによる近隣住民の苦情もなく、地元の協力もあって10頭を捕獲できた。シカは警戒心が非常に強い動物で1回成功した事例で継続すればいいと言うわけでない。巡回方法を考えたり、狙う時間帯や場所がよかったかなどその都度、改善点を考える必要がある。県が町内で出猟ポイントを設定して実施するならば、今回の経験を生かし、対応したい」と話した。


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日高川町長選に出馬表明の新人・久留米啓史氏が政策訴える 〈2017年4月13日〉

2017年04月13日 08時30分00秒 | 記事

高津尾地区でのミニ集会で政策目標などを
説明する久留米氏(左)


 5月16日に告示される日高川町長選挙(21日投開票)まで約1カ月となる中、出馬表明している前町公室長で新人の久留米啓史氏(60)=江川・農業=が12日からミニ集会をスタートさせた。高津尾地区での初集会には約60人が集まり、産業振興や若者定住施策による人口維持、子育てや高齢者支援で住民に優しい行政、災害に強い町づくり、健全な財政運営を図る行財政改革の5つの政策目標を説明し、支援を訴えた。12日時点で他に出馬の噂もなく、一人だけの静かな前哨戦まま本番を迎えそうな情勢だ。

 初のミニ集会には、西川榮一中津地区後援会支部長や冨安民浩県議も同席。西川支部長が久留米氏の経歴を紹介し「公室長として市木町長を補佐する役目を担ってきた。誠実な人柄で、正確で素早い判断力と決断力を備えた人物。役場の中も知り尽くしており、円滑な町政を任せられる」と支援を訴えた。
 冨安県議は「圧倒的な支援で4年間町政を頑張って頂いた市木町長の右腕として活動してきた。町政の停滞は許されない」と、事実上の後継者としての期待を寄せ、久留米氏本人も「市木町長は住民を一番に考えた施策を進めてこられた。私も住民の皆さんを一番に心に置きながら、皆さんと協力して豊かな日高川町を創り上げたい」との思いを語った。
 5つの政策目標を紹介。産業振興では、川辺で特産のミカン栽培に加え、トマトなどの施設栽培を行う新規就農者などを積極的に支援。中津、美山では森林組合などと協調した林業振興策、町内企業への支援を行って若い世代が町内で働き「夢の持てるような産業振興を図りたい」と述べた。
 町が抱える大きな課題の「若者定住と人口維持」では、就労対策に力を入れたいと強調し、町で生まれ育った若者が町に戻ることで人口維持を図るとした。中津、美山地区などを訪れる中で、若者の川辺地区への町内移動が進んでいることを実感し、上流に行けば行くほど過疎化が進んでいることを危ぐ。地域バランスのとれた発展に努めたいと訴えた。
 このほか「子育てや高齢者支援」では、住民が暮らしやすく、人に優しい行政の推進。「防災対策」では、集落間道路などの整備や避難訓練の実施で自助と共助の精神を養うソフトとハードの両面から災害に強い町づくりを推進。「財政運営」では、事業を再検証し、新しい事業を取り入れるための見直しや継続など、費用対効果を考えながらメリハリのある健全な財政運営に取り組むとした。
 12日以降も連日ミニ集会を重ね、川辺地区全域で15カ所、中津地区は旧小学校単位の5カ所、美山地区は全域を対象に1カ所で予定している。


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久保井仁菜さん(印南町出身)全日本カデ柔道選手権大会女子44キロ級で優勝 〈2017年4月12日〉

2017年04月12日 08時30分00秒 | 記事

全試合一本勝ちで優勝を飾った久保井さん


 平成29年度全日本カデ柔道体重別選手権大会は9日、大阪府門真市の東和薬品RACTABドームサブアリーナで開かれ、印南町出身で京都文教高2年、久保井仁菜さん(16)=切目小-松洋中=が女子44キロ級を制し同大会初優勝を飾った。全国規模の優勝は昨年9月のJOCジュニアオリンピック全日本ジュニア柔道体重別選手権大会に続いて2回目で、3年後の東京オリンピック出場など今後さらなる活躍が期待される。

 同大会は全日本柔道連盟が主催するカデ(大会開催年の12月31日時点で15歳以上18歳未満)のジュニア選手による全国大会で男女各階級に全柔連から選抜された10人前後が出場。女子44キロ級は選抜された高校生8人がトーナメント戦で競った。
 久保井さんは初戦、吉田さくらさん(北海道・札幌北斗高1年)に縦四方固めで1本勝ち。続く準決勝は宮城杏優菜さん(沖縄・沖縄尚学高1年)と対戦。初戦に続き得意の寝技に持ち込み上四方固めで1本勝ちを収め昨年に続いて2年連続で決勝へと駒を進めた。河端悠さん(愛知・大成高1年)との対戦となった決勝も攻め続け優勢。残り時間も少なくった開始から4分すぎに寝技へと持ち込み肩固めを決めて見事な1本勝ちで制し、昨年準優勝の雪辱を果たした。全試合を寝技で一本勝ちの久保井さんは、減量の影響もあり試合内容としては満足していないとしながらも「決勝は残り時間がわずかで抑え込まなくても勝てたが最後まで一本にこだわってやりきったのがよかった」と喜んでいる。
 優勝した久保井さんは今年8月にチリ・サンティアゴで開催される世界カデ選手権に日本代表選手として出場する権利を得たが、インターハイ(全国高校総体)と時期が重なるため世界大会には出場せずインターハイ(48キロ級)での全国制覇をめざす。3月の全国高等学校柔道選手権大会で準々決勝で敗退しており「シニアの階級の48キロ級で勝っていけるように頑張りたい。インターハイで選手権のリベンジも果たしたい」と闘志を燃やしている。


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御博(おんぱく)2017各地でイベントにぎわう 〈2017年4月11日〉

2017年04月10日 08時30分00秒 | 記事

段々花畑園で休憩する参加者

うどん食べ比べを楽しむ参加者


 御坊市、日高郡全域を舞台に今月1日に開幕した御坊日高博覧会「御博(おんぱく)2017」は、8日と9日に各地で様々なイベントが行われ、家族連れら地域住民、観光客らでにぎわった。3回目の今回は「出会い」をテーマにおいしい、楽しい、学べる、出会える、御坊日高の魅力が詰まった51の体験型交流プログラムを随時実施している。

 印南町稲原地区では9日に「段々花畑園さんぽみち」が行われ、家族連れら40人が参加。JR稲原駅前で喫茶店を営む吉岡登さんが定年退職後「稲原に人が来てくれるように」と区の荒廃した土地を借りて花畑にした。今年で約8年を迎え、地元有志で「稲原さんぽみちの会」を作り、おんぱくに参加。
 稲原防災センター前で同町樮川出身のシンガーソングライター、にしゆきさんがミニライブを行った後、段々花畑を中心にしたおすすめの散歩コースを歩いた。30分と1時間の散歩コースがあり、参加者は山道を登り、約50種類が植えられた段々花畑に到着。かき氷を食べながらチューリップや山桜、ハナカイドウなどきれいな花木を観賞。参加者に額入りの押し花やしおりをプレゼントした。
 同会メンバーの谷章資印南原区副区長は「稲原地域をたくさんの人に知ってもらい、地域活性化につなげられるように、みんなで盛り上げていきたい」、にしゆきさんは「段々花畑が名所になり、多くの人に来ていただけるよう願っています」と話した。
 御坊市湯川町小松原、JR御坊駅前の「いきいきうどん」では9日に本格讃岐うどんの食べ比べが行われ、家族連れや地域住民ら20人が参加した。
 案内人で本場讃岐で修業し、フランチャイズにて平成20年7月に開業した丸山信仁さんが讃岐うどんの特徴や食べ方などを説明。一番だしを味見したあと、かけうどん(温)同(冷)ざるうどん、湯だめ、釜あげうどん、ぶっかけうどん(温)同(冷)釜たまうどんの8種類を食べ比べ、その中から気に入ったうどんを注文して食べた。参加者は「いろんな種類があって驚いた。どれも美味しくいただきました」と話した。


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第28回危険業務従事者叙勲、管内は松尾隆(日高川町)村上吉彦(御坊市)両氏 〈2017年4月9日〉

2017年04月10日 08時30分00秒 | 記事

 警察官や消防士、自衛隊など危険性の高い業務に精励した人に贈られる第28回危険業務従事者叙勲の受章者が決まった。日高地方から瑞宝双光章に日高川町小熊2347の16、元県警部の松尾隆氏(70)、瑞宝単光章に御坊市名田町野島3139の2、元同市消防司令の村上吉彦氏(70)-の2人が選ばれた。それぞれ警察、消防業務に献身的に務め、住民の安心、安全に尽くした。5月上~中旬に東京や県庁で伝達され、東京で拝謁する。県下受章者は28人で今回を含めて713人となった。国の栄典制度改革で平成15年秋の叙勲から創設された。

交通捜査で活躍
瑞宝双光章 松尾隆氏

 美浜町出身。昭和40年に県警巡査となり、白浜署を経て昭和47年に御坊署に着任以来、昭和61年までの14年間と、平成7年から平成14年までのあわせて21年間同署交通課などに勤務。平成19年に田辺交通センターを最後に退職するまで42年間、勤務の大半で交通分野の捜査などにあたった。
 昭和61年には県警本部の交通指導課で特殊捜査を担当し、偽装の交通事故を繰り返した県警初の交通保険金詐欺事件を検挙する功績を挙げた。御坊署勤務の平成13年には、壺を積んだレンタル自転車を故意に自動車にぶつける交通事故偽装事件を近畿、中国地方の6府県で繰り返していた犯人検挙にも携わった。
「交通戦争」と言われた昭和50年代には、御坊署管内の交通事故死亡者数が年間に20人にもなり、県下で和歌山東署と並んで最悪の状態だった。当時は高速道路が南伸しておらず、紀南方面に向かう車で国道42号は交通量が多く、速度超過など無謀運転をする若者も多かった。現場では事故に巻き込まれないことを第一に考えて職務にあたっていたという。退職後は現場を通るたびに事故のことを思い起こし、今でも事故現場の夢を見ることもあるが、事故減少には「事故が減るのは何よりも良いこと」とほっとした表情だ。
 松尾氏の話 身に余る光栄です。上司や先輩、同僚、地域の人など多くの人に助けて頂き、42年間やって来られたお蔭です。


火災予防に尽力
瑞宝単光章 村上吉彦氏

 昭和40年9月1日に御坊市消防本部消防士を拝命し、主に予防、警防業務で手腕を発揮し、平成16年3月に退職するまで、市の火災予防や、火災原因調査などに尽力した。最終階級は消防司令。
 御坊商工高校(現・紀央館高校)を卒業後、一度会社員になったが、地元に帰り、消防士になった。予防業務では、昭和57年に関西電力御坊発電所建設の際には、連日危険物施設の安全強化から消火設備等の改善に至るまで幅広く指導した。許認可の検査では、万が一にも不備がないよう、日々神経をすり減らしながら、タンクの厚み、溶接部分などをきめ細かくチェックした。
 平成13年3月に、薗の長屋住宅で発生した火災時には、指揮者として現場臨場し、即座に危険を察知し、消防団全分団への出動命令を指示。人命を最優先に、出火家屋からの逃げ遅れ者がいないかを部下に確認させた。消火戦術を徹底し、1人の負傷者も出すことなく、被害を最小限に食い止めた。
 平成14年4月には、警防課長に任命され、火災原因調査の最前線で、総括責任者として実況見分に取り組んだほか、部下職員の育成にも力をいれ、心構えや安全管理の重要性などを徹底的に指導した。
 村上氏の話 先輩、同僚、後輩のみなさんのお陰と感謝している。今後も経験を生かし、住民のみなさんのために役に立てたい。


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御坊日台友好協会が八田與一技師の偉業学ぶ台湾の旅 〈2017年4月8日〉

2017年04月08日 08時30分00秒 | 記事

八田與一氏の銅像前で記念撮影する藤原君(左)、
川越さん(右)、古山代表

現地の中学校で授業も体験


 御坊日台友好協会(古山隆生代表)が第2回台湾スタディーツアーを実施し、管内の中学生2人を連れて台南市を訪れた。日本統治時代の台湾・台南地方に烏山頭ダムを建設し農業水利に貢献した日本人・八田與一技師=1886~1942、石川県出身=の偉業を知ってもらおうと企画。中学生はダムなどを見学したほか、現地の中学生とも交流を深めた。

 戦前の日本人の功績を知ることで日本人としての誇りを持ち、地域に貢献できる人材を育成しようと昨年からスタート。
 2回目のスタディーツアーには故・八田與一氏の感想文に応募し参加が決まった藤原風輔君(湯川中)、川越万里名さん(丹生中)が古山夫妻とともに台湾を訪問した。
 ツアーは去る3月28日から31日まで3泊4日間の日程で実施。現地では八田與一氏が建設した烏山頭ダムを訪れ、目の前に広がる大きなダムや、建設の際に土などを運ぶのに使用された蒸気機関車も展示され、中学生たちは興味津々で見て回った。
 この後、官田区國民中学校も訪れて生徒たちと一緒に英語の授業を受け、給食を食べ、屋外でピザ作りを体験したりと有意義な時間を過ごした。また、命をかけて戦火から村を救った日本兵が祭られている寺院・飛虎將軍なども訪れ、日本人の偉大さにふれた。
 古山代表は「國民学校で出会った女性講師や、美術館で出会った人が初対面にもかかわらず、見ず知らずの私たちに手土産を持たせてくれたりと、今回は台湾人の心にふれる旅となりました」と振り返った。友好協会では次回、台湾の中学生(2人程度)を日本に招待することを計画しているそうだ。


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日高川で数年ぶり大量の天然アユそ上 〈2017年4月7日〉

2017年04月07日 08時30分00秒 | 記事

銀鱗を輝かせてそ上する稚アユ。すでに約100万匹が確認された
(5日午後3時ごろ若野堰)


 日高川で、近年まれにみる大量の天然アユそ上が確認されている。先月下旬からそ上が本格化し、日高川町若野の若野堰では体長約7~8センチほどの稚アユが春の日差しを浴びて銀鱗を輝かせている。昨季の天然そ上は136万匹にとどまったが、今年はすでに5日現在で約100万匹が確認されており、早くも昨年分に届く勢い。天候などに恵まれれば250万匹以上に達すると予想され、この10年間では水害が発生直前に記録した平成23年の450万匹に次ぐ好況となりそうだ。

 天然そ上は、かつて昭和54年に約1870万匹を記録するなど昭和50年代半ばまでは1000万匹近い数を記録していた。平成になって以降は平成3年の約630万匹をピークに増減を繰り返しながら平成10年まで減少傾向となり、同年には過去最低の20万匹まで落ち込んだ。
 その後、平成11年から数年は回復傾向にあったが、平成15年からは20年は、17年を除いて再び100万匹に届かない悪況が続いた。
 低迷が続いていたが、平成21年からは上昇に転じて96万匹、翌年は5年ぶりに200万匹を超える280万匹、平成23年には平成になって2番目に多い459万匹にまで復活した。
 しかし、同年9月、台風23号による大水害が発生。水害翌年は前年のわずか16分の1の28万匹に激減。河川環境が徐々に復興を遂げる中、日高川漁協では天然そ上の復活に傾注し、産卵直前の親魚を10月末から11月の産卵期に日高川町小熊の瀬に放流するなど、積極的な増殖対策に努めた。
 その成果もあってか、平成26年には3年ぶりに100万匹の大台を超える120万匹、27年は128万匹、昨年は136万匹と着実に増加。さらに例年より多く親魚を放流した今シーズンは5日現在で100万匹を確認し、数年ぶりに200万匹を超えそうな勢いだ。
 平成23年の水害から5年半が経過。河川環境の変化などから遊漁者数の減少が大きな懸案となっているが、天然そ上が数年ぶりの活況となり、稚アユのそ上の復活とともに遊漁者数の増加に漁協関係者も大きな期待を寄せている。


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日高町が水門遠隔操作システムを更新へ 〈2017年4月6日〉

2017年04月06日 08時30分00秒 | 記事

役場内に設けている遠隔操作システム

町内にある水門(産湯川水門)


 日高町は町内に4基ある水門の遠隔操作システムの改修に取りかかる。10年が経過して老朽化に伴う更新で、この機会に全国瞬時警報システム(通称・Jアラート)で緊急情報を受信した際に自動閉鎖もできるよう整備する。松本秀司町長は防災を喫緊の課題にあげており、町は緊急時の対応を円滑にしたい考えだ。

 町は役場で備えているパソコンで遠隔地にある産湯川、南出川、比井川、小浦川の4基の水門を操作して閉めることができるよう平成19年4月から導入。パソコンなど情報機器は更新期が早いことが望まれており、10年が経過したことで情報処理スピードが遅くなるなど支障も出始めたことから、更新を計画。これまで水門は地震など発生時にこのパソコン操作のほか、地域の代表者らが直接閉めるなどしてきたが、夜間などは役場職員が常時配備されていないため、遠隔操作を行えない状態も考え、自動閉鎖も可能にさせるようにする。
 Jアラートは国が平成16年度から整備を進めたもので、通信衛星と市町村の防災行政無線などを利用し、対処に時間的余裕がない大規模な緊急情報を住民へ瞬時に伝達するシステムのこと。大型地震や大津波発生などの情報が送られて同時に町内放送で住民に伝えられるが、その情報受信時に自動的に信号を送り、町内の4基の水門を閉めることができるようにシステムを組み替える。
 実際に自動閉鎖を導入しても、夏場の海水浴シーズンに大地震などが発生して、勝手に閉まれば危険性があることも考えられるため、一部の水門で閉める設定なども検討する。3月議会で29年度一般会計予算にシステム改修委託料1198万8000円を予算化しており、町は「被災時は瞬時の対応が必要で円滑化できれば。最新のものにするため、ソフトの組み替えなど整備に時間を要することも考えられる。今年度末までに整備を終える予定だが、できるだけ早期に対応したい」としている。


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