若者の感性が瑞々しい「現代学生百人一首」

　第35回「現代学生百人一首」が発表されました。
今年も若者たちの時代意識、生活感覚をうかがい知る作品ばかりです。
入選作の一部を抜粋しました。

次はいつ会えるのかしらと泣く祖母の手も握れずにガラスと会話
「うるさいな」言ってしまった一言を細い身体の祖父見て悔やむ
大好きな車の運転やめにしてバスに乗る祖父小さく見えた
初めての車椅子に乗る祖父の手を握って感じる笑顔の裏側
特別に最期だからと病棟へ厚い祖父の手「またね」と握る
看護師の祖母が引退「おつかれ」とハグしたいのをはばむ世の中
ＡＩも母の声には返事する優先順位インプット済
植物は文句を言わずかわいいな水やりながら母はつぶやく
妹の寝顔にそっとごめんねと言うくらいなら優しくしろ俺
卒アルの写真撮影マスクとり初めて知った先生の素顔
十年後再会しても気づくかなマスク顔しか知らない友達
暗い道街灯の明かり道しるべ私もなりたい誰かの明かりに
二年半育てた髪がカツラへと姿を変えて闘う君へ