チビ連れで出かけるとき、目的地に「面白い乗り物」があるかどうかは、大事なポイントです。今回 香港に来たのは、安くて安心の2階建トラム(路面電車)の完全乗車(端から端まで)を果たすため・・・と言ってもいいでしょう。(昨年 滞在時間が足りず、中途半端だったので)
細かい枝線はいくつかありますが、基本的には 一筆書きのように繋がる路線なので、方向さえ間違えなければ、どちらかの端っこにたどり着ける上、料金はどこまで行っても均一。その上支払いは、香港版スイカカード=オクトパス利用で、小銭いらずと 観光客向けにも出来ています。
トラムの特等席は、もちろん2階の最前列。わが家のチビは心得ているので、後ろから乗車するとあっという間に 階段を登り切り、前へ前へと移っていきました。住民にも大人気の乗り物ですから、冷房が無くとも かなり混んでいるのですが、しばらく乗れば、最前列に座ることが出来ます。
ところで 軌道内は、長崎同様 自動車の乗り入れを禁止しているのをいいことに、歩道替わりに使っているヒトも 見かけました。
端から端まで乗ると、約1時間。チビ2号は緊張の糸が解けて、最前列でお昼寝も体験し、隣のおじいさんに倒れ込まないか ハラハラし通しで 大人は昼寝無しでした。
ゆっくり進み、車内外で香港を満喫させてくれるトラム。違う時間帯、違う季節に乗るのを楽しみに、2ドル払って下りたのでした。
夏の終わりに中華圏を訪れると、街で見かけるお菓子は 中秋を愛でる『月餅』ばかり。昔からこの月餅を、他の人に贈るのが慣例のようで、メーカーはPRに力を入れています。
昼食で立ち寄った飲茶屋さんにも、パンフが置いてあったので、じっくり鑑賞できました。どれがどう違うのか分かりませんでしたが、一番右のは「日式」とあり、有名女優(ケリー・チャン)が和服でない着物?を着ています。
どうでもいいのですが、このヒトが笑っている月餅の広告は見つけられなかったので、それほど厳粛なお菓子なのか、タダ単に女優のイメージ戦略なのか不思議な感じがしました。日本なら、笑顔は必須のような。
別の日、朝のニュースに日替わりで出てくる女性キャスターを眺めていると、笑顔でニュースを読んでいたので、日本と同じような美的センスで選ばれている?んだなーと、安心しました。
香港議会の構成を決める選挙が、9月上旬だったらしく、アチコチで選挙カーやら運動員やら、ノボリを見かけました。
日本のように、公認の「ポスター掲示板」はなく、2階建バスの車体や、建物の外壁などアリとあらゆるところに、候補者の顔が出現します。(どうやら政党を選ぶ選挙らしく、ポスターには必ず番号がでかく書いてあります)
一方で 選挙運動が激しいのか、買収を警告するポスターも見つけました。地下鉄の駅には「あなたの投票券は、クーポンじゃないのよ!」という、分かりやすいのもあり、買収が横行?してるのかもなーと思いました。
史上最大の規模と言われた、北京オリンピック・・・・からかなり遠い香港では、どういうルールなのか「馬術」が分散開催され、街の中でも アチコチに五輪マークを見かけました。
一番でっかいのは、香港島を向いているビルの外壁にあるこちら。昼は目立ちませんが、夜は「香港が開催地か?」と錯覚するほど煌々と輝いていました。
ところで ぼくらの香港到着は、閉幕式の日。外遊び中だったので、街頭テレビ?でちょっとだけ観ました。
その翌日、九龍と香港を結ぶフェリー乗り場にある「北京五輪公式ショップ」を冷やかしたのですが、全く値引きが無くガッカリ。とはいえ、変化の早い香港のこと、昨日までこんな風に飾られていた 関連アートも、翌日にはさっさと 撤去されて、どこかへ運び去られていました。
一方 繁華街のスポーツブランドの広告では、中国系のバスケ選手?がデカデカと張り出され、国威発揚をバックアップしていました。
今回一番 ”スゲー”と思ったのが、「京劇のメイキャップ」をした、陸上三冠王のウサイン・ボルトの写真。メイキャップもジャマイカ色で、よく考えられています。日本でも出回っている イメージなのかもしれませんが、普段買い物で寄ることもないので、現地で見ると新鮮でした。
建築関係者の訪問記では、必ず話題になる東南アジアの「竹製」足場。街を歩いていると、アチコチに建築現場があり、ほぼ100%竹足場が使われいます。
ホテルから朝食会場(そのへんのお粥屋さん)へ向かうとき、歩道に整然と積み上げられた竹をしげしげと見て 「どうやって組んでいくんだろう」と思いました。
その後ネイザンロードでぶらぶらしてたら、ちょうど組み立て作業中のお兄さん達がいたので、勝手に見学させてもらいました。お兄さんの腰から飛び出ているのは、ビニールで保護された針金で、コレで竹足場の交差部を縛り付けます。普通の家庭でよく見る、パンの袋を縛ってあるアレのでっかい奴だと思って下さい。
この現場では、外壁に取り付けている(香港名物の)看板の取り替えのため 足場を組んでいるようで、作業員は写真の2名だけ。基本的に竹のみで組むので、日本でよく見る「足場板」も「登り桟橋」もなく簡素そのもので、材料も軽いので2人で扱えるのでしょう。(ついでに、足場の下を通る 歩行者用の安全装置・・・の類も見当たりませんでした)
残るナゾ?として、香港をはじめ中国中に出回ってるこれだけの竹は、どこから持ってくるのか?ですが、どこかの汚染米同様 調べようがないので、次回以降の宿題としました。
香港の景気はどう?と聞かれたら、悪いどころか「絶好調」という答えが返ってくるほど 街に活気がありました(単に人口密度が世界一だからではなくて)。
メインストリート沿いの建物は1階(香港ではグランドフロア)が商店、2階(同じく1階)以上は 住宅系になっていて、観光客が目にするのは お店ばかり。どこかの町と違って、昼間にシャッターが下りている場所が少なく、たまに閉まっているとこんな感じで、新しい借り手募集の他、訳の分からない張り紙が ベタベタ貼られてしまいます。
また不動産屋を見つけるには、入り口のガラスを物件が埋め尽くすという 一昔前の日本と同じパターンなので、すぐ分かります。ちなみに値段ですが、長崎を遙かに超えていることは間違いありませんでした。また 賃貸する場合の苦労は、星野博美さんの本で重々学習させてもらったので、頻繁に訪れるようになっても、ホテル短期利用が無難なようです。
日本と違って 「東横イン」も「ルートイン」もない香港のホテル相場は、右肩上がり。しかも 添い寝無料???という制度は、行政からダメ出しを受けているらしく、大人2名チビ2名でも チャーンと定員4名の部屋を確保しなくてはなりません(過去に断られた経緯あり)。
そんなファミリー向けに超お薦めなのが、2年連続で利用させてもらったYMCAサースベリー@香港。以下にメリットを羅列します。(ウェルカムフルーツです)
・繁華街のど真ん中に近く、徒歩圏に飲食店やショップが溢れている
・交通の要衝(バスターミナル、地下鉄、スターフェリー乗り場)も徒歩圏
・料金は中ぐらいなのに、部屋は広々している(この部屋に泊まりました)
・隣にあるペニンシュラと引けをとらないほど、眺めが良くて最高
・従業員はキビキビ。昨年のバゲージトラブルのとき、キャセイ航空を怒鳴りつけ?強引に期限を守らせた実績あり。
といういいことづくめなので、もちろんファミリーでなくてもOKですが、来港の際は 最優先でご検討を。
香港到着が日曜午後だったので、まずは空港で最低限両替し、市内へGO-。翌日の月曜は、銀行も開いて レートも良くなるだろうと、どのガイドブックにも載っている 両替所のメッカ「重慶マンション」へ行ってみました(ホテルから徒歩5分だし)。
このビル 日本では「雑居ビル」に該当するのですが、「雑居」しているのがいろんな「用途」だけでなく、人種や怪しさ?も混ざっていて、なかなか不思議なビル。ビルの中で”命の危険”までは感じませんが、”財布の危険”は少々感じます。
ということで、入り口に溜まるインド人かアフリカ人かに熱視線を受けながら チビ1号と2人 両替所のレートを確認して 奥へ進みました。敵もさるもので、通常日本円から両替するときは左側の「BUY」を見るのですが、劣悪レートの店は意図的になのか「SELL」(香港ドルから各国通貨)欄を左にしています。
ボーっとしていたら、大損?・・・なので、評判のいい2階の両替屋へたどり着くと、開店前の準備中。インド人のお兄さんが貼っているレートは、確かに最高の数字だったので、まだシャッターが閉まっている廊下で開店を待ち、無事両替を終えました。(最高と最低のレート差は、1万円の両替で800円程度・・・エッグタルト8個分)
外国での両替はいつも大イベントです。このマンションがある限り 香港では またお邪魔したいと思います。
今回の旅も、予算の関係で 飛行機チケット+ホテルの個別予約・・・という自由気ままスタイルだったので、当然朝食も自己調達。いつもながらホテルのレストランは高いし、せっかく外食が盛んな香港に来たので、ぜーんぶ外で食べることにしました。
で、ホテル廻りを事前に調査(ネットと実地)し、これは!という「お粥」専門店を探してみました。入ると日本語メニューなどなく、こちらの壁メニューで頼みます。「肉」は分かるとして、「皮蚕」はピータンだろうと目星をつけ注文。見事 熱々とろとろのお粥が登場しました(チビ1号は麺を注文)。このあと、近くのスタバ(香港にはやたらとあります)で、食後のコーヒーを調達して ホテルで休息しました。
次の日以降は、チビ2号が「お粥はイヤ!」とごねたので、香港風洋食にしました。ココも事前に調査済みの、メロンパンが美味い店。メニュー不明でしたが、図書館で借りていたガイド本を信用して「モーニング」を頼むと、意志が通じました。伝票はこちらただ、値段が書いてあるだけです(1ドル14円で計算してください)。
モーニングセットとは、マカロニスープにハムを乗せた皿、目玉焼きとメロンパン、それにコーヒーで、充分腹一杯になる内容で満足。2日連続で通ってしまいました。
ということで、1日のスタート台は連日大成功し、子連れ香港の日々を楽しく過ごせたのでした。