社民党がんばれOB・G福島の会の「OB・Gニュース №、138号(2018年10月1日)から転載しました。
例えば、取り上げている「高齢者介護施設に入居できない」の問題を、埼玉県のホームページの「【特養・老健】空床・入所待ち情報提供システム」を見ても、待機待ちの高齢者がいます。
社民党として、現実の待機高齢者の問題をどんな政策を作るのかを問われています。
福島の「OB・Gニュース」を読んで、提案を募集します。
【参院選挙を前にして福祉政策を考える】
社民党に期待する 高齢者の実態に具体的な政策を‼
現在65歳。60歳まで厚生年金に加入、40年間保険料を払い、年収が平均400万円を超えていた場合は、平均月収は月額約38万円となり、受け取る厚生年金部分( 比例報酬分) は年間約120万円。国民年金部分( 基礎年金) は約78万円となる。
よって合計の年金受給額は約198万円、月に直すと約16万5千円。
しかし、そこまでの収入がない場合もある。賃金が常に右肩上がりと言うことはない。
職務給制度のある企業であれば職務が変わり職務給が下がる場合がある。 (日本年金機構の水準により計算)もちろん総報酬制であるから賞与( ボーナス) も関係をするが、賞与あり、なし。あるいはその額は千差万別でありそこは省く。
年金生活者には不安の老後が待っている
また国民年金のみの場合は、年間の支給額は最高でも約78万円であり、月額にして約6万5千円である。要するに年収400 万円程度の夫と、専業主婦であった妻の基礎年金を含めても「老後の年金額は月22万円を下回る」ということがあり得る。
そして今、非正規雇用や不安定雇用が拡大し続けているなかで、今後は「生活保護基準」以下の年金支給額しか受け取ることができない場合も多くなるだろう。さらに忘れては ならないことに年金受給者には各種課税や保険料の徴収がある。実質の手取り金額はさらに数万円減少する。加えて高齢期は疾病や介護など予期せぬ出費が増える時期でもある。
それまでに相当な準備をしていなければとなるが、その準備が不十分であることをもって高齢者の貧困問題を「自己責任」といって責められて良いのだろうか。
一般的な水準の年収をもってしても
「下流老人」という言葉を承知しているだろうか。この言葉を生み出したのは「NPO法人ほっとプラス代表理事の藤田孝則氏」である。藤田氏によれば「下流老人」とは、生活保護基準相当で暮らす高齢者およびその恐れがある高齢者のことであり、2015年現在で、この下流老人に相当する人口は推定で600万〜700万人がいると述べている。
そして、下流老人に陥る主なパターンとして現役時代に「一般的な水準の年収」を得ていた者でさえも、次の出来事が原因となり「下流老人」に陥る危険性があると指摘している。
1・病気や事故、そして要介護の状態による高額な医療費や介護費の支払い。
2・高齢者介護施設に入居できない。
3・子どもがワーキングプア(年収200万円以下)や、引きこもりで親に寄りかかる。
4・熟年離婚による年金受給額や財産の分配が発生する。
5・独居老人状態で認知症を発症する。
「あなたの老後は下流ですか?」と問えば、残念ながら多く人が「イエス」と答えざるを得ない時代が間もなくやってくるだろう。
福祉行政の貧困に政治の責任はないのか
八月の末、岐阜の医療施設で熱中症と見られる5名の死亡事故が発生した。その施設の管理責任者は殺人罪として罪が問われようとしている。しかし、入所された皆さんの多くは、介護施設を探し当てようやく入所できた方々である。
そして、2004年の東京都墨田区の「たゆまら介護施設」の火災事故を思い出す。「たまゆら」の管理責任が厳しく問われる一方で、福祉の現場を知る専門家からは、今日の日本における老人福祉政策への疑問の声が聞かれた。
市民団体「市民福祉情報オフィス・ハスカップ」の主宰者・小竹雅子さんは指摘をしている。「経営者の責任は重いとしながらも、都内で受け入れる施設がない中で、墨田区自体が『たまゆら』を紹介し、そしてたまゆら側もそれを受け入れてきた。行政が無届け施設であると知りながらそこに頼らざるを得ない状況は解消されていない」と。
社民党を支持する多くの層は年金生活者である。そして一様に老後の不安を抱えている。そこに具体的な政策を示さない限り、党の支持拡大、強化はあり得ないと主張することに無理があるだろうか。