丸太の梁は、古民家の特徴と言っても良いくらい目を引く部材です・・・(屋根の萱と迷いましたが・・・)
合掌造りの建物などに、根元が大きく曲がった松の梁が使われています・・・
日本の急な斜面に育った松は、根元が曲がって育ちますが・・・
粘り強く丈夫な材質になって、大きな屋根を支える立派な梁材になります。
ぐねぐね曲がった丸太材も、立派な構造材を受け止めるのに、工夫しながら使われています。
でも、丸太を使うには、その加工にとても手間がかかります・・・
木組みの部分が丸いと水平や直角が出しづらいからです・・・
どうしてそんな丸太を使ったのでしょう・・・?
粘り強くて良い材料なのはその通りなのですが・・・
そんな材料が身近にあったからです・・・その時代は、四角く材料を加工する技術がそこまでなかったからです。
加工技術が進歩して、大工さんが手間隙掛けて手刻みしていた工程を、機械がするようになって・・・
低価格で安定した加工が出来て、低価格の住宅がどんどん作られてきました・・・
それは住生活が向上した意味では良い事なのですが・・・手刻みの丈夫で長持ちする建物が無くなってしまいました。
現代の木材の乾燥技術・加工技術が悪いとは言いませんし、性能が良くないとも言いません・・・
良い材料を・良い職人さんが・時間と手間を掛けて造った住まいは、何世代も住み継がれる・・・
循環型で環境にやさしい、お家になるんだな・・と思うからです。
ちょっと昔は、家の裏にある木を切って、自分のお家を建てていました・・・伐採したら・・・
次の世代に造るために木を植えました・・・足りない分は、近くの山から切り出しました・・・
そんな木材です、節もあれば、木目も真直ぐではありません・・・
近くで用意できるものを工夫して使っていました。
だから、手間を掛けても、お寺の様な贅沢な造りで建てる訳ではありません・・・
いろんな工夫をして、建築費を少し抑える事も出来ます。
どこで育って、どこで作られて、どんな職人さんたちが造ってくれたか・・・
顔の見える・・・育った環境が解る・・・そんな住まいだからこそ、愛着が沸くのだと思います。