伝統工法と言われると、なんだか神社仏閣を建てる技術で、自分たちの家を造るには
関係のない技術だと思う方も多いと思います・・・
宮大工さんも特殊な技能を持った職人さんで・・・雲の上の存在と思われても仕方がないと思います。
スペインにある、今も建造中の「サグラダファミリア」ですが、その姿や装飾すべては「聖書」を表しています。
(詳しくは数多くの書籍が出ていますので一読してみて下さい)
海外に建てられている建築物の多くが、さまざまな宗教の内容を元に、表現されているようですが・・・
時の権力者がパトロンとなる画家や彫刻家に、聖書に書かれた内容の絵画を書かせたのも・・・
宗教が社会の中で大きな意味を持つ時代背景があっての事なのでしょう・・・。
「法隆寺」などは日本でも有名な建築で、その補修に携わった・・・とても有名な宮大工さん・・
「西岡 常一さん」が祖父の「常吉さん」から教えられていた言葉と、大工の口伝として・・・
お堂を建てるのでは無く・・伽藍(仏道修行者が修行する清浄・閑静な場所)を建てるのだと・・
仏法を知らずに堂塔伽藍を語るな・・・と伝えられているそうです。
どうしてこんな間取りになったのか?・どうしてこんな屋根の形になったのか?
窓の位置や、天井の高さ、軒の出幅・・・仏教の信仰心を知ればおのずと解る造りが・・・
そんな納まりが、建物のあちこちに表現されているそうです・・・
そんな宗教も権力者だけのものでは無く、庶民の中にも広がってくる事で・・・
社寺仏閣の施工技術が、一般の建築技術や工法に生かされるようになってきました・・・
勉強不足で自分も解らない所だらけですが、何も知らずに訪れて見る物や景色と・・・
訪れる先の宗教やお国柄を調べてから見る、物や景色は全く違った感覚で体に入ってきます。
古民家も、時代や・地域で間取りや造りが違っています・・・その地域の産業や環境もありますが・・・
地域の方達の造り上げてきた暮らしが、その姿にもなったのだと思います・・・
何気なく見ているものが、多くの意味を持っていると思うと・・・
今とは違った景色が見れるようになるかも知れませんね。