ビスクドール・雛人形店・オーディオ販売 佐久市 ヤナギダ店長ブログ

ビスクドール64体他お節句雛人形をフランスへ輸出128年、軽井沢方面がお店の場所。

『時は詩人』

2022年11月29日 12時10分31秒 | owarai
時は詩人である。皆さまは、
何を言っているのだろうと、と
首を傾げられるかもしれない。

しかし、詩人とは言葉の網で時
を生け捕りにする魚師みたいな
ものなので、多少の脈絡のなさは
お許し頂きたい。

そう、魚師である詩人は、文字を
打ち込むキーボードのキーに、
“今”という魚を、ピカピカ光る
鮮魚のまま封じ込めることにやっ
きとなる。

銀色の刃物のような尾びれや背鰭
と格闘しながら、命懸けにもなる。

また深い海に潜り“過去”という
名の美しい巻貝を盗むのに余地が
ない。

未来は波間に漂う深緑色の藻だ。
それを網で掬い上げ、先取りする
ことに懸命になる。

大海に生きる回遊魚のような人
の一生を見つめて、その生き様
を書き記す。

恋の歌を書いても、人生の喜び
や悲しみを綴ったとしても、そ
れは時を描くことに他ならない。

一瞬たりとも留まることのない
のも、消え去り、流れ去ってゆ
くものを追いかける作業。

今日もどこかで、時の狭間に迷い
込んだ詩人が、難破船で独り言
を呟いている。

所詮、勝目はないのだ。詩人が
どんなに頑張ったて、時の方が
ずっとずっと詩人なのだから。

よく食べる人に、悪人はいない

2022年11月29日 12時02分34秒 | owarai
食欲の旺盛な人に、悪人は
いない。

僕は、おいしそうにパクパク
食べる女性が好きだ。

食べる量だけの問題じゃない。
おいしいものが好きな女性は、
仕事も一生懸命だ。

おいしいものが好きな女性は、
恋愛にも一生懸命だ。

おいしいものというと、映画
『2 days トゥー・デイズ』という
映画を思い出す。

題名通り、たった2日間のお話で、
ちょっと太った、まぬけなイタリア
人が強盗する話。

強盗が、会社を襲う。

そこにいた社長と秘書を人質に
立てこもるが腹が減り、
「腹、減ったな。なんかないか?」
と、強盗が聞く。

「パスタぐらいならあるわよ」と
秘書が作ろうとする。

「オレが作る」と強盗が言う。
本格的に作ろうとし
「〇〇は、ないのか?」

専門的な調味料を持って来いと
いい、ないと言われると、
「体にいいんだから、今度、買って
おけよ」という。

とうとう、パスタができあがる。
強盗は自分が食べる前に、秘書
に一口食べさせる。

「どうだ、うまいだろう」

「おいしいわ」

社長には食べさせない。
「オマエは、秘書に対するものの
言い方が悪すぎる」と!?

料理が好きな人に悪人はいない、
という話だが、
結末は、どんでん返しがあるので
内緒。

2022年11月29日 12時01分09秒 | owarai
「お願い、お願い、お願い」と、
叫びながら、雨はあとからあと
から地上に落ちてくる。

木の葉の一枚一枚を濡らし、樹
木の幹の奥深くまで染み込んで
ゆく、哀しい雨だ。窓ガラスを
伝う雫は、夜の闇を流している、
涙のようだ。

それなのに、あのひとのいる場所
は今は朝で、空は青く、どこまでも
晴れ、憂いのかけらもなく、乾いて
いるのかもしれない。たったひと粒
の雨さえも共有できない場所に、
決してつながることのない地平に、
わたしたちはいるのだと思った。

電話がなったのは、午後十時を
五分ほど回った頃だったか。
わたしはバスルームにいて、ち
ょうどシャワーを終えたところ
だった。

やっと、やっと、やっと、かか
ってきた。あのひとからの電話。
バスタオルを取るのももどかし
く、濡れた躰と濡れた髪の毛の
まま、電話機に飛びついた。
電話器をつかみ取り、相手を
確かめもしないで、わたしは
呼びかけた。

「もしもし、快晴?もしもし?」
「あ、もしもし、桜木さん?そ
ちらは桜木さんお宅でしょうか。
芦川ですけど」
軽い目眩のようなものを感じ
た。それは、失望のせいだと
わかっていた。けれどもその
失望を、芦川さんに気取らて
はならないと思った。咄嗟に、
わたしは驚いたふりをした。

「ああ、びっくりした。誰か
と思ったら、芦川さん」
「夜分遅くにすみません。ご
迷惑を承知でかけています。
部長からお辞めになると聞いて、
今、ちょっと、話せますか?」

駅の近くにある「喜合」という
居酒屋の場所を芦川さんに教えた。

レインコートに身を包み、大きめ
の傘を出し出して出かけたにも
かかわらず、店に着いた時には、
髪の毛も足もとも、泣きたく
なるほど濡れて、冷たくなって
いた。

店員さんが気を利かせて、おし
ぼりと一緒に、真っ白なタオル
を差し出してくれた。
芦川さんはふたりがけのボック
ス席で、日本酒を飲みながら、
わたしを待っていた。

わたしはジントニックを注文
した。店員さんが下がると、芦
川さんはすぐにしゃべり始めた。

「辞めるって、あの仕事の件です
か」
「もういいんです。ありがとう
ございます」
自然に、頭が下がってしまう。
わたしはもういいんです。
「アメリカに行こうと思って
るんです」

まだ、あのひとにも伝えてい
ない決意を、わたしは芦川さ
んに告げていた。

「こないだね、営業先の人が
教えてくれたんですけど、ニ
ュージャージー州にある日本
人学校で、教師を募集してい
るそうなんです。応募者が多
くて、競争率もすごく高そう
だったけど、でも、だめでも
ともとって気持ちで、書類だけ
でも出しておこうと思ってます」

「そうなんですか。アメリカで
仕事を?」
「はい」
「なんや、そういうことなら、
俺ももうこれ これ以上
言うのをやめておきます。

桜木さんが会社を辞めてしま
うのは依然として残念やけど、
まあ、そういうことなら。
俺が無理に引き留めても・・・」

思わず、芦川さんの優しい視線
に、しがみつきそになっていた。



『悪魔の辞典』

2022年11月29日 11時57分25秒 | owarai
芥川龍之介も影響を受けた
とされる“アンブローズ・
ピアス“(アメリカの小説家)
「悪魔の辞典」から、

背中:あなたが逆境にあったさい、
つくづく眺める特権が与えられる
友達の体の一部分

熱狂:青年がかかりやすい病気で
経験という外用薬と後悔という
内服薬を少量ずつ服用すればなおる。

流行:賢者が嘲笑しながらもその命
に従う暴君

一年:三百六十五回の失望からなる
一期間

友情:天気のよいときには二人乗りだが、
天気の悪いときは一人しかのせられない、
そんな程度の大きさの船

平和:国際関係において二つの戦争の
間に介在するだましあいの時期