クロカメ日記

カメを中心に読んだ本のこと、見た映画のことや日々感じたことを書いていきます。

明治という国家 上 司馬遼太郎著

2010-01-25 20:41:07 | 読書
 今年は、幕末、明治を中心にに読書をすすめて行こうと思っています。僕の時代、明治以降はあまり詳しく習わなかったので、おさらいというより、独学でしか知りません。そこで、教科書の代わりにこの本を選びました。
 幕末から明治にかけてのお話で、かなり脱線することが多かったのですが、この脱線も面白かったです。何しろ、江戸時代は、藩という国が集まったものが日本ですから、特に庶民に至っては、国家や日本人という意識は無かった。維新は、武士による武士支配の脱却ですから、自分で自分の体を手術するようなもの。読み進めて言って、維新とは、武士の手によって武士を失業に陥らせること。どのような感覚ですすめて行ったのでしょう?という疑問を持ちました。自分のことより、国家としての日本の存続、つまり、外国支配の恐怖があったのだということがわかってきました。でも、憂鬱になったでしょうね。この憂鬱を最も感じたのが、西郷隆盛でした。彼は、倒幕後、鹿児島に帰り、猟師になり、世を離れる時期があります。これは、鬱病に近い状態だったからだと著者は推測します。最前線の者がそうだったのだから、庶民は混乱しただろうと思います。
 
コメント
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