まぼろしの
ねこが足に
まとわるから
脚はいつもの
幻となる
「悲しみの秘儀」
若松英輔 著
悲しみはだれのなかにも現れる。
たとえば苦しみから、孤独から、愛から。
さまざまの人の言葉を引用し、
悲しみとは何かを解きほぐす。
かなしみ、と、書くとき
こういう漢字を当てはめられる。
悲しみ、哀しみ、愛しみ、美しみ・・・。
またおもうにもたくさんに溢れている。
もしかしたら花も当てはめられるのかもしれない。
花の供養にという章はせつなさが零れている。
「人生おろおろ」
伊藤比呂美 著
女性の人生相談を、
伊藤比呂美が答えていく。
人生を経てきた詩人の回答は兎にも角にも、
その言葉に抱擁される。
浮気、舅姑、介護、仕事のあれこれ、恋愛等々。
ずば!は、やわらかさも含んでいて
心の糧のひとつとなって。