宮城・南三陸の高台遺跡が思わぬ足かせになっている
東日本大震災の被災地で計画されている高台移転で、
埋蔵文化財調査が思わぬ足かせになっているという。
住民が移転先にと希望する山林などには未調査の遺跡が多数存在し、
調査が長引けば移転が遅れかねない事態に。
復興を急ぐ自治体の要望を受け文化庁は新年度、
被災3県に専門職員を派遣し、調査のスピードアップを図るそうですが・・・
埋文調査は文化財保護法に基づき、
地下に遺跡が埋まっている可能性のある場合に行われるもので
切り土をする高台の宅地造成などでは調査を要するケースが多く。
遺跡が見つかれば、本格的な発掘調査も必要となるもので
防災集団移転促進事業で高台移転を計画する宮城県南三陸町では、
4地区の移転候補地で中世戦国時代の館(たて)跡などの遺跡があることが分かっている。
志津川の清水地区では住民が第1候補として要望した場所から遺跡が見つかり、
次に検討した場所からも遺跡が見つかるなどし、
候補地選定が難航しているという。
この4月にも、移転候補地の調査が始まる。
調査に入る県教委文化財保護課は
「数軒程度の小さな集落なら1カ月程度で終わるし、
比較的規模の大きい館なら最長2年かかったときもある。
こればかりは掘ってみないと分からない」と説明する。
多くの世帯が移転を希望する高台でも、古代の集落跡が見つかっている。
早期の地域再建を望む区長の佐藤さんは
「被災者の今後の暮らしを優先してほしい。
移転事業の見通しが早く立たないと若者は町外に流出し、
高齢者も希望を見い出せない」ともどかしそうに話している。
佐藤仁町長は
「高台移転できる場所は限られている。
文化財を軽視するつもりはないが、1000年に一度の災害で数百年前の遺跡を優先し、
いま生きる人たちが住めないのでは本末転倒だ」と言う。
一方で専門家からは
「過去の津波災害で高台に移った形跡など、学術的に有益な遺跡がある可能性もある。
住宅建設を急ぐ必要性は理解するが、きちんとした調査も必要だ」との声もある。
縄文期や製鉄関連の遺跡が多く見つかっている岩手県でも、埋文調査が控える。
現段階で調査を要請する自治体は多くはないが、
住民の移転合意が進めば今夏から調査の本格化が見込まれる。
三陸沿岸道路や東北横断道釜石秋田線などの整備に伴う調査も想定される。
岩手県教委生涯学習文化課は
「デジタル機器なども活用し調査のスピードを上げても、
県内のマンパワーだけでは追い付かない」と頭を抱える。
文化庁も対策に乗り出し全国の道府県から専門職員を集め派遣する。
今後も事業の本格化に伴い人員態勢を見直す。
同庁記念物課は「調査を迅速に済ませ、復興につなげたい」としている。
うーん何だかもどかしいですねぇ~
http://info.shinsai.yahoo.co.jp/311/story/