長野の田舎を、ひとり、丸2日かけて旅してきた。
生わさびをつけて味わう十割蕎麦の香りと
どろりと白濁した蕎麦湯の味わいから始めて、
江戸期の古民家や蚕室を見て回り、
室町期禅宗様の御堂に参り、
思い切ってさまざまのひとびとに話し掛けて
磯崎新やシュペーアの話題で盛りあがり、
妻籠宿の町並み保存を行った80歳の古老に会い、
偶然出くわした新聞記者と音楽の話で意気投合し、
碧空を渡る風が広大な栗林の葉を揺らす中を
自転車で駆け抜け、
著名なワイナリーで涼み、個人美術館を巡った。
その代償に、僕の白く柔らかでこまやかな肌は
太陽に犯されて、赤紫に腫れあがってじんじん痛む。
ところどころに水ぶくれ、日焼けの域を超えて火傷、
見かねた秘書課の美人さんが保冷剤をタオルに巻いて
両腕に結び付けてくれたがどうにも痛みが引かず、
とうとう総務から直々に医者に行くよう指示が出て、
職場近くの皮膚科で塗り薬の処方箋を出してもらった。
今の僕の腕は、ゆでダコ色である。
生わさびをつけて味わう十割蕎麦の香りと
どろりと白濁した蕎麦湯の味わいから始めて、
江戸期の古民家や蚕室を見て回り、
室町期禅宗様の御堂に参り、
思い切ってさまざまのひとびとに話し掛けて
磯崎新やシュペーアの話題で盛りあがり、
妻籠宿の町並み保存を行った80歳の古老に会い、
偶然出くわした新聞記者と音楽の話で意気投合し、
碧空を渡る風が広大な栗林の葉を揺らす中を
自転車で駆け抜け、
著名なワイナリーで涼み、個人美術館を巡った。
その代償に、僕の白く柔らかでこまやかな肌は
太陽に犯されて、赤紫に腫れあがってじんじん痛む。
ところどころに水ぶくれ、日焼けの域を超えて火傷、
見かねた秘書課の美人さんが保冷剤をタオルに巻いて
両腕に結び付けてくれたがどうにも痛みが引かず、
とうとう総務から直々に医者に行くよう指示が出て、
職場近くの皮膚科で塗り薬の処方箋を出してもらった。
今の僕の腕は、ゆでダコ色である。
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