私の頭の中には、いつの頃からか、
薄命そうなピエロがひとり棲んでいて、
それは、紗の服かなんかを着込んで、
そして、月光を浴びているのでした。
ともすると、弱々しげな手付をして、
しきりと 手真似をするのでしたが、
その意味が、ついぞ通じたためしはなく、
あわれげな、思いをさせるばっかりでした。
手真似につれては、唇も動かしているのでしたが、
古い影絵でも見ているよう―
音はちっともし . . . 本文を読む
less than humanのフレームの調子が
どうもおかしいと思って触っていたら
突然、力を入れたわけでもないのに
レンズが割れた。
まっぷたつ。
1年間で2度もレンズが割れるとは、
これははじめから縁がなかったのかと思う。
出張から帰ると、
仕事先の室長の子息が23歳で心筋梗塞で
急死したという知らせが入った。
過労とストレスから今日を休みにして、
今朝起きて、どうも心臓がおかしい . . . 本文を読む
近傍隣家のリフォーム及び催し事の太鼓隊列から
発される騒音と家庭内の錯乱に嫌気がさして、
不調のボルボを駆って名神高速、彦根で降りて
ひこにゃんに会いに行こうとするも気が萎えて
多賀方面に走り、行きつけの蕎麦屋に入り、
眼の前の席に座る、仲睦まじいカップルの姿を
雑誌「東京人」アウトロー特集のページ越しに
ひとり眺め見ながら、三色盛り850円、美味。
食後、多賀大社へと歩いて、二礼二拍手 . . . 本文を読む
名を呼べば、そこに存在が立ち上がって
生きはじめる、といいますね
だから名が失われれば、もう呼びようがなくて
存在は失われてしまいます
永いあいだ 独語して呼びさましていた名前が
失われてしまった以上は
もう二度とその名を呼ぶことはできません
だから存在を立ち上げることももうできません
だから あのひとは
もう いないのです
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. . . 本文を読む
Fill my eyes
O Lithium sunset
And take this lonesome burden
Of worry from my mind
Take this heartache
Of obsidian darkness
And fold my darkness
Into your yellow light
I've been scattered I' . . . 本文を読む
聴く人のいない音は音楽ではない。
演奏でしかない。
だから、聴いてくれませんか、
一緒に試みてくれませんか、と、思いながら
叶わずにひとり試みてきた。
演奏を音楽にしたくて仕方がなかった。
あなたがいなければ音楽にならない、
音楽にならないから音楽が解らない。
だから切に願ってきたけれども、
どうにも演奏する機会も仲間も客もいない。
どうしてかと考えたところ、
下手なのに上手ぶるので嫌われているか . . . 本文を読む
昨夜、NHK教育テレビ「芸術劇場」において
今年7月3日、東京・紀尾井ホールにて行われた
エグベルト・ジスモンチと東京フィルハーモニーによる
演奏会の模様が、インタビューやリハーサル風景と併せて
実に2時間15分にわたり放送された。
ジスモンチの音楽は、キース・ジャレットの音楽と並んで
かねてから僕にとって大きな位置にある。
僕は7月4日に大阪・フェニックスホールにおいて
ジスモンチのソ . . . 本文を読む