心拍が刻む時間を標準時が追い越していった。
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高原にあって、薄明、霧を身にからめ取りながら
歩いていた。
濡れ草の匂い、深く、
斑点状に乾きはじめた土の道の端に残っている
青銅色をした水盤の面を翅虫が漂った。
ぼくはどうにも生まれ間違えたような気がした。
このあとを躓かずに歩くことがどうにも出来る
気がしなかった。
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来週日曜、公開演奏を行うことになった。
地元で開催される催し物のため、出演のオファーがあり
これを引き受けた。
音楽専用のホールという場所で、それもスタインウェイの
フルコンサートピアノを用いて即興演奏を行う機会など、
そうあるわけではないから、出演料などそっちのけである。
出演にあたっては、曲目の制約も何もないとのことで、
即興演奏を行うということで合意した。
何を弾くべきか、これから . . . 本文を読む
5月31日、6月1日、神戸に滞在した。
大学時代に所属していたサークルの同期のひとの
結婚披露パーティに招待されたためだった。
宿をホテルオークラに定め、
この二日間、神戸の街、三宮、元町、旧居留地、
メリケン波止場、ハーバーランド、北野を歩いた。
ロビンソン神戸での昼食、フォリフォリの贈り物、
メリケン波止場の散策、遊覧船での神戸港周遊、
モザイクから眺め見たコンチェルトウェ . . . 本文を読む