白河夜舟

水盤に沈む光る音の銀砂

忙中閑有りて若冲

2009-10-24 | 日常、思うこと
先週日曜は、いつものように本郷、東大前から言問通り、
根津へ折れて、芸大裏から上野へと歩いた。
国立博物館では「皇室の名宝」として、天皇家が所有し
一般にはあまり目に触れないものばかりを展示していた。
狩野永徳、伊藤若冲、円山応挙、酒井抱一など、近世の
日本絵画の粋から、明治以降の帝室技芸員であった
横山大観や橋本雅邦、下村観山に川合玉堂と、
絵画部門だけでも完璧な構成である。
尤も、明治以降の作品のなかには、思わず首を傾げたく
なるような代物もないわけではない。




しかし、、若冲の動植栽絵30幅は圧巻だった。
永徳も応挙も正直にいえば、かすんで見えた。
これに比肩して見えたのは酒井抱一だけ、あの大観の
「臣」と署名してまで描いた大作屏風に、印象はない。
むしろ圧倒的であったのは工芸のほうで、象嵌、蒔絵、
彫刻、七宝、硝子など、今はもう失われてしまった
日本の職工の、最高の技術の粋、結晶が一堂に会する
その様は壮観というほかになかった。





その後、木曜まではさまざまの催しことに駆り出され、
外務大臣に挨拶したり、かの「IT革命」という言葉で
流行語大賞をとったひとの講義を聴いたり、
一日中イベントの差配をしたり、
日本橋で江戸前寿司の本流を味わったりしてから、
金曜、沖縄に飛んだ。






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