白河夜舟

水盤に沈む光る音の銀砂

Concert:June 15,2008

2008-06-15 | 日常、思うこと
公開演奏記録、以下、覚書に留める。






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Instrument:
Hamburg Steinway D-274

Tune :
A=442hz




Set List :
1. Prelude and Fugue in C♯minor,
        BWV848‐849 (J.S.Bach)

2. Improvisation Ⅰ 

3. Improvisation Ⅱ 

4. Over the Rainbow in F major
              (Harold Arlen)





午後2時より演奏、全5曲、約32分、聴衆120名。






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今回弾いたスタインウェイのフルコンサートグランドは
楽器の新しさゆえ、ハンマーのフェルトが柔らかにすぎて
低音部のハウリングが起きただけでなく、
音響上、縮退を起こしているのではないかと思われるほど
フォルテの和音がホールに乱共鳴して聴こえたために
一音一音を明確に響かせるべく慎重に弾いたのだが、
アクションの状態が非常に僕の指に馴染んでくれたことで
とても快適に、指を運ぶことができた。





華やかな黄色、煌くような光彩を放つ高音部の倍音の分離、
爛漫と伸びあがる、ふくよかな音の量感、
低音をがつん、と強烈に打鍵すればそのとたんに出現する
かのホロヴィッツの音、





いい楽器というものは、弾いている自分自身が今までに
全く聴いたことも弾いたこともなかったような音を
湧きあがらせてくれる。
楽器自体がどのように弾けばよいのかを教えてくれるし、
弾いているこちらが楽器にいつのまにか導かれるように
弾いている、という瞬間も訪れる。





今回は2曲を完全即興として演奏した。
バッハは即興への導入の儀式のようなものである。
即興の1曲目は調性を有するスローテンポによる
フォークロックともいうべきもの、
2曲目はウェーベルン的な無調の音の点描から初めて
調性のあいまいな多声のリチェルカーレへと移り、
ホ調による偽終止から点描へ戻る、という演奏をした。
最後に、あらかじめ要望のあった「虹の彼方に」を
2コーラス、アウトロを加えて弾き、演奏を終えた。





納得できる演奏が出来たのではないか、と思っている。

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