白河夜舟

水盤に沈む光る音の銀砂

バイバイ

2007-12-25 | 日常、思うこと
土曜の朝、隣家の同い年の幼馴染があいさつに来た。
大安吉日。
結婚するんだ、とだけ。
式の当日に、何となく会いたくなったらしい。





彼女は成人式のときに、振袖姿で駆け寄ってきて、
写真とろうよ、と僕にせがんだ。
出来上がった写真を届けに来た彼女は
幼稚園の雛祭で、御内裏さまと御雛さまを気取って
ふたりで撮った写真との余りの変わらなさに笑っていた。





あれから7年。
彼女は、バイバイ、といって、お嫁に行った。
小学校の頃、初めてキスした相手だったことを、
ふ、と、思い出して、ぼんやり。





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僕がジャズをはじめて魅力あるものに感じたのは
確か小学3年の頃、オスカー・ピーターソンの
「ウェスト・サイド・ストーリー」の4曲目、
「トゥナイト」を聴いたときだと思う。
軽やかで、華やかで、破綻のない、
苦悩を音に陰翳として決して映し込むことをしない
ピアニストだった。





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会いたくない、ということばと、
会えない、ということばとは、
とても、僕にはなじみが深い。





さよなら、という言葉があるだけ、
まだ救われているのだろう。

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