白河夜舟

水盤に沈む光る音の銀砂

汗だくで働いて

2009-07-23 | 日常、思うこと
ご褒美かしら、久米仙の古酒をいただいた。
とはいっても7年物ゆえ、本格的なものではないが、
ロックで呷ると、痛快である。





来週から再来週にかけての出張ラッシュに備えて、
国内用のスーツケースを買い換えた。
リモワのトパーズといえば、定番であろうけれども
デザインと機能性を考えれば、少ないボーナスでも
つぎ込んでいいだろう。
そのかわり、ソメスサドルのダレスバッグや、
チャーチのウィングチップ、スーツの誂えは諦めて、
伊勢丹で休日用の上下を揃える程度に留めることに
なってしまった。





齢を重ねれば、何か、変わると思っていた。
大人になる、ということとは、別のことだと考えていた。
子供の無邪気を大人に持ち込むということは、
当人にその自覚がなくても、背を向けられやすいらしい。
ぼんやりとした不安は、現実におけるはね返りになって、
時折積乱雲となって僕を襲った。
雷鳴に僕は耳をふさぎながら、無邪気を消して立ち回る
他のひとびとの器用さを羨みもした。





拒むこともなく、ああ、そんなものなのだな、と、
己とは何か、己というものにもがき苦しんできたはずが、
己を構成する物質と、他と分類した物質との婚姻、
その疑いえぬ相互依存性と、そうした関係性からの疎外感、
焦り、憤り、諦め、僻み、妬み、嫉み、
くだらないことだと判断する理の働きに情念が放火する。





せめて生きようとだけ思った。
この世の不快、痛苦とよばれるものを、味わえるために。
そしてそのことの意味するものは、羅刹であろう。
怠惰によって安直な選択と安易な場所を確保したとても、
残るのはきっと、理の判断を許さぬような、被害妄想と
鬱状態、ここにいてはいけないのだ、という不承認感覚、
許されないことに対する諦め、もしくは、暴発的復讐、
そんなところだったろう。





動くしかない。

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