白河夜舟

水盤に沈む光る音の銀砂

虹だらけの日

2009-05-08 | 日常、思うこと
数日の落ち着かない帰省、わざとらしい団欒を
まるでやっつけ仕事のように終えて、
木曜、職場に出ればまだ半分の人間が休んでいる、
嫌気がさして、金曜分の休暇願を出してから
日本橋丸善でジャン・ジュネを購い、
近くのラーメン屋で軽く食事をとってから銀座、
ラフロイグとアートベッグと煙草とジャズを飲み、
結局、一晩を通り越しそうな時間に外へ出ると、
豪雨、タクシーを拾う。
明け方、落雷。





金曜、雨の中を神保町まで歩く。
遠い雷が春日の、すり鉢の底のような地形に入り
辺縁を削られて、音が若干まろやかに聞こえる。
古書店をいくつか巡り、山の上ホテルで遅いランチを
取ったあと、小川町へ進み、古書渉猟。
帰途、聖橋から東を眺めると、遥か、東に、虹。





大雨も雷も続く今日は都内あちらこちらに虹が掛った、
という。
今日は人一倍恥ずかしがりで、人一倍やさしく暖かな
声、歌をずっと耳に掛けて運んでいた。
明日はその葬式らしい。
きっと明日も虹だらけの昼であることだろう。
虹だらけでありますよう。





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