紺青小鉢

ミニマムな和の空間で、日本の伝統文化を再発見

クリスチャン・ボルタンスキー展

2019年06月17日 | 美術館・博物館
暗がりからゲェ~という音が聞こえてくる。この先に何があるのか...真上には青く光るDEPARTの文字。国立新美術館で開催中の「クリスチャン・ボルタンスキー – Lifetime」展に行ってきました。
ボルタンスキーが初期に制作した映像作品《咳をする男》。ゲホゲホと苦しそうに血を吐く男の姿を描いたものですが、これを見て不安感は増大。どこからか心臓の音も響き渡る薄暗い展示室。国立新美術館の広大な展示スペースに、ボルタンスキーの様々な作品が展示されているこの大回顧展。配られた地図を片手にさまよい歩きます。
モノクロームの写真を電球で装飾した《モニュメント》という作品はまるで教会の祭壇のよう。壁をくるくると回り続ける《影(天使)》。青い電球で囲まれたコートが壁に掛かっている作品は(矢印!?)磔刑図にも見えます。どことなく厳かな雰囲気が漂う展示室。幽霊の廊下を抜けると目の前に真っ黒な《ぼた山》が。これ大量の黒い衣服の山です。



天井からは何枚もの人物像が垂れ下がる。木でできた人型のランプがささやく言葉。



《アニミタス(白)》という映像作品は10時間36分。丸められた紙みたいのが一面に。



《ミステリオス》ずっと見ていられる作品。でも12時間はちょっと。

ゆらゆら揺れる電球とエマージェンシーブランケットが煌めきの世界を形作る《黄金の海》が良かったですね...。たくさんの電球が灯された《黄昏》は、毎日少しずつ消えて、会期最終日には全ての電球が消えるとのこと。ちなみに撮影可能エリアは地図に載ってますのでご参照ください。不気味なものから崇高なもの、心を開放的にさせてくれるもの、その場の空間が心地いい気分にさせてくれるボルタンスキー、けっこういいかも。
外に出たら吉岡徳仁のガラスの茶室が展示されていました。ガラスのベンチも実物見るのは初めて。でもこんな暑い日だと茶室の中はどうなってるんでしょうか...もはや温室状態。


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