あるお客様からの悲痛なご相談が。
「NASに保存してあったファイル、間違って消しちゃった!
導入時、RAID-1とかいう技術で故障してもデータ消失の
危険が減るって聞いてたんだけど、なんとかなるかな?」
なんともなりません。
RAID-1はあくまでも故障時のデータ消失の危険性を減らす技術です。
平時は搭載した2個のHDDに全く同じ内容のデータの読み書き消去等を行います。
もし一方のHDDが故障したとしても、残る一方のHDDが無事ならデータ損失無く運用ができるようにする技術です。
これにより頻繁に起こりうる「HDD故障によるデータ消失」のリスクを減らすのです。
仕組みとしては、記録のリアルタイムな2重化。
1つのHDDに対し、別HDDで定期的なバックアップをとっているわけではありません。
ファイルを削除したなら、その削除は2つのHDDに同時に行われます。
RAID-1は機械的な故障に対する備えであって、ユーザデータの定期バックアップシステムではないのです。
ですので以下のような場合には意味がありません。
・大事なファイル、間違って消しちゃった!
・大事なファイル、間違って上書きしちゃった!
・ウイルスによってデータファイルを改竄された!
機械故障ではないデータの損失に備えるには、やはり別装置/別媒体へのバックアップが一番です。
そもそも事故や災害などで丸ごと機会が壊れるような事態では、RAID-1云々では対処できないわけですし。
皆さん、バックアップは取りましょうね。
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