375's ROAD TO BOSTON/ゴールは虹の彼方に

米国在住ランナーの究極目標「ボストンマラソン」とアメリカ50州制覇を目指す人生の旅日記。

発売1周年!「LIFE ~本田美奈子.プレミアム・ベスト」

2006年05月25日 | 本田美奈子.記念館


「LIFE ~Minako Honda. Premium Best (2005年5月21日発売) UMCK-9115

収録曲 ①祈り ②愛の讃歌 ③アマリア ④BBちゃん雲にのる ⑤Oneway Generation ⑥1986年のマリリン ⑦Temptation(誘惑) ⑧幸せ届きますように。 ⑨この歌をfor you ⑩Fall in love with you -恋に落ちて- ⑪僕の部屋で暮らそう ⑫June ⑬ら・ら・ば・い ~優しく抱かせて ⑭命をあげよう ~ミュージカル「ミス・サイゴン」より ⑮あなたとI love you ⑯つばさ

DVD(初回限定版のみの特典) 
①ら・ら・ば・い ~優しく抱かせて ②僕の部屋で暮らそう ③Fall in love with you -恋に落ちて- (いずれもプロモーション・ビデオ)
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昨年5月21日、本田美奈子さんが病床で自ら選曲した、「LIFE」と題するアルバムが発表されてから、1年が過ぎた。あれから、このアルバムを何度くりかえして聴いたことだろう。おそらく、すべてのアルバムの中で、聴いた回数では、いちばん多いに違いない。

本来は、この時期、デビュー20周年の記念アルバムが予定されていた。しかし、突然の入院によって、レコーディングの延期を余儀なくされてしまったので、その代わりに、1994年発売の「Junction」と、1995年発売の「晴れときどきくもり」の2枚のアルバムの収録曲を中心にして、命をテーマとするベスト・アルバムを編集したのだった。

実を言えば、自分は1990年代の美奈子さんの活動は、ほとんど追いかけていない。美奈子さんの思い出といえば、1985年のデビュー時から、「1986年のマリリン」でのブレイクを経て、1988年のロックバンドMINAKO with WILD CATSの結成、1991年のミュージカル「ミス・サイゴン」のオーディション合格・・・ ここまでである。

1991年以降、自分は日本を離れ、アメリカへ定住してしまったこともあって、美奈子さんの情報からは、すっかり遠ざかってしまった。当時はインターネットなどもなかったので、地理的に離れてしまえば、それまでだったのである。

自分が再び、美奈子さんに注目するようになったのは、2003年、初めてのクラシックアルバム「アヴェ・マリア」をリリースするという情報を、某レコード会社のサイトで知ってから。当時は、日本の音楽はほとんど聴かず、クラシック音楽を中心に聴いていたのだが、そのニュースは、やんちゃなおてんば娘が、突然、美しい天使に変身して帰ってきたような驚きだった。

というわけで、1990年代の「Junction」「晴れときどきくもり」という2枚のアルバムは、存在すら知らなかった。名曲「つばさ」が使われたという、化粧品のCMも見ていない。リアルタイムで聴くことのできなかった名曲を、この2005年発売のアルバム「LIFE」で、ようやく耳にすることができたのである。

とにかく、この⑯「つばさ」は素晴らしい。自分は40年以上、歌謡曲を聴いているけれども、戦後最高の名曲をひとつだけ選ぶようなアンケートがあるとしたら、迷わずこの曲に一票を入れると思う。

このアルバムは、名曲の宝庫だ。美奈子さんの曲には、世間的なヒット曲よりも、何度でも聴きたくなる曲、歌いたくなる曲が多いが、特に、このアルバムに収められた曲は、すべて魅力的だ。

グレゴリオ聖歌を題材とした①「祈り」では、後年のクラシック作品を先取りするような、世界平和への祈りが聴かれる。

「愛の讃歌」と③「アマリア」は、往年の大歌手・越路吹雪のカバーだが、美奈子さんならではの、ピュアな感情にあふれている。

ブリジット・バルドーをモデルにした④「BBちゃん雲にのる」は、愉しいJAZZ、もしくはチャールストン風。ハイトーン・スキャットの素晴らしさも含めて、名人芸の域だ。

⑤⑥⑦では、アイドル時代へタイムスリップ。前後の曲とのつながりが良く、ここだけ浮いてしまうような違和感はない。

「幸せ届きますように。」と⑨「この歌をfor you」は、ともに美奈子さん自身による、優しく、思いやりに満ちた歌詞。このあたりから、いつも、涙が止まらなくなってしまう。

「Fall in love with you -恋に落ちて-」は、スケールの大きいデュエット曲。「♪ねえ 高い空から 天使の歌が きこえるわ・・・」で始まる天使のモチーフが、俗世間を超越した、天界の雰囲気を感じさせる。

「僕の部屋で暮らそう」は、レゲエ風、もしくは沖縄音階風の、ちょっと変わったメロディー。こういう南国的な雰囲気も、美奈子さんにはよく似合う。

「June」は、「words インスピレーション:本田美奈子」とある。本人にとって、何か特別な思い出が、込められているのだろうか。

「ら・ら・ば・い ~優しく抱かせて」は、最高にカッコイイ名曲。クラシックの格調の高さと、J-POPのビート感をあわせ持ち、カラオケのレパートリーにするには理想的といえよう。こういう曲が今後増えてくれれば、日本の音楽界にも希望が持てるのだが・・・。

「命をあげよう 」は、ミュージカル歌手・本田美奈子としての代表作。まるで人類の母になりきって、自分の命を捧げるかのような迫力がある。

「あなたとI love you」は、作詞・作曲とも美奈子さん自身。この歌詞の中には、再び「天使のモチーフ」が現われる。やはり彼女の理想は、俗世間から離れた天上的な永遠の愛…なのだろうか。

そして、⑯「つばさ」。本田美奈子さんの、真の意味での代表作
夢・希望・勇気、そして永遠なるものへの憧れ…。彼女が命を賭けて追い求めてきたすべてのものが、この一曲に込められている。

  あなたもある つばさがある
  飛び立つのよ 空へと
  美しいわ 幸せでしょう
  風にのり 虹を渡ろう

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