*ガン・動脈硬化を予防、ダイエット効果も*
レープフルーツは、値段が安くて1年中手に入る手軽な果物です。日本では果物消費ランキング7位ですが、本場アメリカでは97年以降、消費量が激増しています。その理由の第一は、アメリカガン学会による「グレープフルーツの摂取がガンの予防に有効」との発表にあります。
グレープフルーツ独特の苦味成分「リモニン」に
ガン抑制効果があり、その含有量はレモン、オレンジ、みかんの2倍もあるということです。ラットの実験でも、リモニンを注入したラットの方が、何もしないラットよりがん細胞を50%も抑制している結果が出ていますが、リモニンは、継続的に摂取すると体内の解毒代謝酵素(発ガン性物質を無毒化する酵素)を活性化させ、発ガン性物質を体外に排出します。がん予防効果を高める1日の摂取量は、果実1/2個、ジュースでコップ1杯ほどで十分です。
もう一つの理由は、グレープフルーツに抗酸化物質とコレステロールを減少させる成分「イノシトール」が含まれていることでした。イノシトールは抗脂肪肝ビタミンと呼ばれるビタミン様物質で、肝臓内の脂肪やコレステロールの代謝を促して
動脈硬化を防ぐ効果があります。「通常の食事」と「通常の食事+グレープフルーツ」の2グループに分け、二週間後の悪玉コレステロール値の変化を調べたところ、前者は全く数値が変わらなかったことに対し、後者は全員が見事に20~30も数値が減っていました。
また、グレープフルーツには葉酸という血液や細胞を作る働きのある組み立てビタミンが含まれています。葉酸には1、
神経管系形成異常を防ぐ 2、
巨赤芽球性貧血を防ぐ といった働きがあり、葉酸含有量トップを誇るのがグレープフルーツです。通常の生活で葉酸が欠乏することはほとんどありませんが、ファーストフードやインスタント食品の過剰摂取による栄養バランスや、無理なダイエットなどから、葉酸不足の女性が増えています。特に、妊娠中の女性が葉酸不足になると、新生児の脳や脊髄に障害が起きることがあるので、妊娠中は普段の2倍の葉酸が必要です。
また、貧血の原因は鉄不足と限りません。葉酸やビタミンB12が少なくて起きる巨赤芽球性貧血があります。赤血球は脊髄で前赤芽球が細胞分裂して作られますが、細胞分裂の際に鉄分が不足すると赤血球が小さくなり、酸素の供給が低下して貧血を起こします。これが鉄欠乏症貧血です。一方、葉酸が不足すると赤血球が大きくなります。赤血球が大きくなると数が少なくなるため、酸素の供給が低下して巨赤芽球性貧血となります。
グレープフルーツは他の果物に比べて脂質・糖質・カロリーが低く、また、ビタミンB1も多く含まれ、ごはんやパンなどの主食の糖質を効率よくエネルギーに変えてくれるので、ダイエット効果も期待できます。
1日1杯のグレープフルーツジュースを飲んで健康に役立てたいものです。
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