京葉線に新しい駅が出来たというので、行ってみました。
新しい駅は新習志野駅と海浜幕張駅の丁度中間にあり、
名前は「幕張豊砂」(まくはりとよすな)。
千葉県内のJRの駅としては
武蔵野線の東松戸駅以来25年ぶりの新駅。
京葉線の18番目の駅になります。
3月16日オープン。
何もかもが新しい。
まだ売店はありません。
ものすごく広いバスターミナル。
その前に大型商業施設イオンモールが。
まるで、この施設のために新駅が出来たかのようです。
新駅の建設が決まったのは、
5年前の2018年4月。
幕張新都心には幕張メッセや、ZOZOマリンスタジアムなどがありますが、
駅は海浜幕張駅しかなく、混雑の緩和が大きな課題でした。
このため、地区の西側に大型商業施設(イオンモール)を構える地元企業と
千葉県、千葉市でつくる「協議会」が
海浜幕張駅と新習志野駅の間に新駅を設置するよう
JR東日本に要請し、
建設費用110億円の2分の1 を地元企業が、
県と千葉市、JR東日本がそれぞれ6分の1 ずつを負担することで合意し、
3年前の令和2年5月から建設が始まりました。
イオンモールは、海浜幕張駅から少し距離があり、
バスで客を移送。
新駅が出来たことで、その必要もなくなり、
最も新駅の恩恵を受けることから、
費用の半分を、この施設の運営会社が負担したのもうなずけます。
駅名は、一般公募で行われ、
応募総数1万4715件、
4300種類を超える候補の中から「幕張豊砂駅」と決まりました。
この名称は応募者数の第1位ではなく、13番目。
エリア全体を表す「幕張」に、駅の南側にある
「豊砂」という地区名が組み合わさったもので、
JR社内で検討した結果、
利用客への親しみやすさや分かりやすさで選定。
幕張豊砂駅は他の駅にはほとんど見られない、不思議な構造をしています。
列車の上り線と下り線は、駅の同じ階にあるのが普通ですが、
幕張豊砂駅では、下り線のホームは地上部分に、
上り線ホームは2階の高架上にあり、段違いの構造となっています。
京葉線の下り線は、
新習志野駅を過ぎると次第に下り始め、
やがて地上に降りていきます。
それが幕張豊砂駅を過ぎると今度は上がり始め、
海浜幕張駅の手前で上り線と同じ高さに戻ります。
下りホーム。
見上げると、上にもう一つホームが。
階段を上がると、
上りホーム。
見下ろすと、下りホームが。
このような構造になった理由は、
京葉線がかつて貨物用の路線だったことにあります。
貨車の入れ替えなどを行う操車場=貨物ヤードが、
幕張豊砂駅の南北の土地に計画されていました。
この貨物ヤードに貨物列車を分岐して引き込む際、
スムーズに交差できるよう、上り線と下り線の高さを変えて作られたのです。
その後、貨物需要が減ったため、
京葉線は旅客線に変更され、
貨物ヤード計画も幻となりましたが、
片側が高架となった構造がそのまま
今の駅に生かされたため、珍しい構造となったのです。
このように上下線が同じ高さではなく、段違いに配置されているのは、
JR東日本管内では埼玉県久喜市にある宇都宮線「東鷲宮駅」くらいで、
極めて珍しい。
開業の1 年後、再来年の春には
駅の前にJR東日本系列のホテルもオープンする予定となっています。
大型商業施設の南側には
広い駐車場や空き地もあり、
駅の開業をきっかけに
ますますの発展が期待されています。
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