今日は、Mリーグの話。
読者の中には、マージャンに親しくない人も多いと思うので、
このブログで、たまにMリーグの話題が出ることをお許し下さい。
10月に開幕した、
プロマージャンリーグ・Mリーグの
2022~2023年シーズンは、
現在、4分の1ほどの日程を終了。
そのさ中、ある出来事が起こった。
感動的な事態が。
Mリーグは、シーズンとシーズンの合間に、
若干のメンバーの入れ換えが行われる。
今回は、3人のメンバーが新たにMリーガーとして登録された。
規定により入れ換えとなったパイレーツの鈴木優と仲林圭。
引退したベテランを補充したサクラナイツ渋川難波。
Mリーグはプロマージャンの頂点で、
そこに選ばれることは名誉だが、
必ずあるプレッシャーにさらされる。
トップを何時取れるか。
マージャンというのは、
4人で対局し、1人が勝って、3人が敗れるゲーム。
トップを取れば、50ポイントが加算されるので、
チームに貢献できる。
だから、トップを取るというのは、
至上目的なのだ。
既存のメンバーでも、
シーズンが始まって、一度トップを取ればほっとするような中、
新人3人はリーグ参加後の初トップをとにかく取らなければならない。
鈴木と仲林は4回目の登板で早々とトップを獲得したが、
一人渋川だけが残されてしまった。
この渋川という人は、別に特殊な事情があった。
というのは、この方、昨シーズンまで、
リーグの公式解説者として、
中継で解説していた人なのだ。
だから、
「偉そうに解説していたくせに、
たいしたことないじゃないか、と言われてしまう」
と本人も言っていた。
その渋川、エンジンがかからない。
6試合に登板して、2位・2位・4位・3位・4位・3位という成績。
それこそ「たいしたことない」である。
そして、7回目の登板となる11月7日の第1試合で、
更なる不運が渋川を襲う。
Mリーグの記録をことごとく塗り変える、
黒沢咲(雷電)の大爆発だ。
この試合、オーラスの親である黒沢咲が、
11連チャンを記録し、
11万2700点という、
Mリーグ記録を達成してしまったのだ。
(それまでの記録は10万5500点。
11連チャンはタイ記録)
黒沢の親がなかなか終わらず、
試合が延び26局という新記録。(それまでの記録は23局)
時間も3時間28分というMリーグ記録。
時々、こういう絶好調の選手が出て来て、
卓上に嵐が吹き荒れると、
他の選手は、もはや被害者で、同卓したことを嘆くしかない。
その上、渋川は26局の間、
一度もあがれず、(リーチは6回)
マイナス4万7600点という、
Mリーグ最低記録を樹立してしまった。
ラスとなった上、最低記録まで。
もはや立ち直れないだろうと思っていたら、
第2試合に渋川が連投してきたので驚いた。
もしこの試合でもラスを引くことにでもなったら、
本当に立ち直れない。
大丈夫か、渋川。
この第2試合、
第1試合と全く逆に、するすると進んだ。
渋川は、
リーチをかけると、間チャン、辺チャンを積もるというラッキーさ。
そして、念願のトップをものにした。
その後のインタビューで、次のように説明していた。
第1試合で負けた後、控室に戻ると、
岡田紗佳(おかださやか)選手から「渋川さん、次もやりますか」と言われたという。
本当は岡田の出番だったのを譲ってくれたというのだ。
この岡田紗佳(サクラナイツ)という選手、
プロ雀士であると共にアイドルもやっているという変わり種。
傷心を抱えて戻って来た渋川を
このままでは帰れまい、と挑戦することを勧めてくれたのだ。
かわいいだけの人ではないと、見直した。
チームメイトを思い、再挑戦を促し、
それに見事に応えた渋川。
一つ間違えれば、危険な賭けとなったこの経緯。
Mリーグが団体戦であることを
改めて認識させてくれた出来事だった。
その4日後の11月11日。
同じようなことが起こる。
第1試合で本田朋広選手(パイレーツ)が、不運な高い振り込みを繰り返し、
ラスに沈む。
しかし、第2試合を連投して、
トップをもぎ取った。
元々連投の予定だったそうで、
本人はラスで終わって連投はないかな、
と思って控室に帰った時、連投を告げられたという。
チームメイトの後押しで再挑戦し、
それに応えた渋川と本田。
Mリーグにさわやかな風が吹いた。
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