空飛ぶ自由人・2

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日本映画興行ランキング・その2

2023年08月11日 23時00分00秒 | 様々な話題

本ブログで4日前から始まった、
日本映画興行ランキングの歴史
本日は、1960年代の10年間です。

1961年(昭和36年)

1位  椿三十郎(黒澤プロ、東宝)  4.5 億円
2位  赤穂浪士(東映)・・・・ 4.3 億円
3位  あいつと私(日活)・・・ 4.0 億円
4位  用心棒(黒澤プロ、東宝)・  3.5 億円
5位  宮本武蔵(東映)・・・・ 3.0 億円
6位  幽霊島の掟(東映)・・・ 3.0 億円
7位  銀座の恋の物語(日活)・ 3.0 億円
8位  堂堂たる人生(日活)・・ 2.8 億円
9位  アラブの嵐(日活)・・・ 2.8 億円
10位  世界大戦争(東宝)・・・   2.8 億円

1962年(昭和37年)

1位  天国と地獄(黒澤プロ、東宝)・  4.6 億円
2位  花と竜(日活)・・・・・・・    3.6 億円
3位  勢揃い東海道(東映)・・・・    3.5 億円
4位  キングコング対ゴジラ(東宝) 3.5 億円
5位  宮本武蔵 般若坂の決斗(東映)3.0 億円
6位  人生劇場 飛車角(東映)・・ 2.8 億円
7位  どぶろくの辰(東宝)・・・・ 2.8 億円
8位  忠臣蔵 花の巻・雪の巻(東宝)2.8 億円
9位  裏切者は地獄だぜ(東映)・・ 2.7 億円
10位  青い山脈(日活)・・・・・・ 2.7 億円

1963年(昭和38年)

1位  にっぽん昆虫記(日活)・・・  4.6 億円
2位  光る海(日活)・・・・・・・  3.6 億円
3位  赤いハンカチ(日活)・・・・  3.5 億円
4位  武士道残酷物語(東映)・・・  3.5 億円
5位  大盗賊(東宝)・・・・・・・  3.0 億円
6位  宮本武蔵 一乗寺の決斗(東映)2.8 億円
7位  五十万人の遺産(三船プロ、東宝)2.8 億円
8位  五番町夕霧楼(東映)・・・・ 2.8 億円
9位  喜劇 駅前茶釜(東宝)・・・    2.7 億円
10位  新吾二十番勝負 完結篇(東映)2.7 億円

1964年(昭和39年)

1位  東京オリンピック(東宝)・  12.0 億円
2位  愛と死をみつめて(日活)・    4.7 億円
3位  (東映)・・・・・・・・    2.8 億円
4位  越後つついし親不知(東映)    2.5 億円
5位  日本侠客伝(東映)・・・・ 2.5 億円
6位  若草物語(日活)・・・・・ 2.5 億円
7位  香華(松竹)・・・・・・・ 2.2 億円
8位  怪談(にんじんくらぶ、東宝)2.2 億円
9位  徳川家康(東映)・・・・・ 2.1 億円
10位  黒い海峡(日活)・・・・・ 2.1 億円

1965年(昭和40年)

1位  赤ひげ(黒澤プロ、東宝)・・  3.6 億円
2位  網走番外地 北海篇(東映) 2.9 億円
3位  関東果し状(東映)・・・・ 2.5 億円
4位  網走番外地 望郷篇(東映) 2.4 億円
5位  日本侠客伝 関東篇(東映) 2.4 億円
6位  続・網走番外地(東映)・・    2.2 億円
7位  大冒険(東宝)・・・・・・    2.1 億円
8位  クレージーの無責任清水港(東宝)1.8 億円
9位  怪獣大戦争(東宝)・・・・ 1.8 億円
10位  四つの恋の物語(日活)・・ 1.8 億円

1966年(昭和41年)

1位  網走番外地 大雪原の対決(東映)2.4 億円
2位  絶唱(日活)・・・・・・・・・ 2.4 億円
3位  網走番外地 南国の対決(東映)    2.3 億円
4位  レッツゴー!若大将(東宝)・・ 2.3 億円
5位  アルプスの若大将(東宝)・・・ 2.3 億円
6位  クレージーだよ 天下無敵(東宝)2.0 億円
7位  愛と死の記録(日活)・・・・・ 2.0 億円
8位  クレージーだよ 奇想天外(東宝)1.9 億円
9位  網走番外地 荒野の対決(東映)    1.9 億円
10位  クレージー大作戦(東宝)・・・ 1.9 億円

1967年(昭和42年)

1位  黒部の太陽(三船プロ・石原プロ)  7.9 億円
2位  日本のいちばん長い日(東宝)・  4.4 億円
3位  クレージー黄金作戦(東宝)・・  3.2 億円
4位  クレージーの怪盗ジバコ(東宝)  2.4 億円
5位  ゴー!ゴー!若大将(東宝)・・  2.2 億円
6位  日本一の男の中の男(東宝)・・  2.1 億円
7位  あゝ同期の桜(東映)・・・・・  2.0 億円
8位  座頭市血煙り街道(大映)・・・  1.9 億円
9位  人間魚雷 あゝ回天特別攻撃隊(東映)1.7 億円
10位  網走番外地 悪への挑戦(東映) 1.6 億円

1968年(昭和43年)

1位  風林火山(三船プロ)・・・・・・・・  7.2 億円
2位  連合艦隊司令長官 山本五十六(東宝)3.9 億円
3位  博徒列伝(東映)・・・・・・・・・    2.1 億円
4位  クレージーメキシコ大作戦(東宝)・    2.1 億円
5位  空想天国(東宝)・・・・・・・・・    2.0 億円
6位  フレッシュマン若大将(東宝)・・・    1.9 億円
7位  侠客列伝(東映)・・・・・・・・・ 1.8 億円
8位  座頭市喧嘩太鼓(大映)・・・・・・    1.6 億円
9位  徳川女刑罰史(東映)・・・・・・・ 1.5 億円
10位  人生劇場 飛車角と吉良常(東映)・ 1.5 億円

1969年(昭和44年)

1位  栄光への5000キロ(石原プロ)・6.5 億円
2位  日本海大海戦(東宝)・・・・・・  3.6 億円
3位  超高層のあけぼの(東映)・・・・  3.6 億円
4位  人斬り(勝プロ・フジ)・・・・・・2.9 億円
5位  千夜一夜物語(虫プロ)・・・・・  2.5 億円
6位  御用金(フジ)・・・・・・・・・  2.5 億円
7位  新網走番外地 流人岬の血斗(東映) 1.8 億円
8位  日本侠客伝 花と竜(東映)・・・   1.8 億円
9位  日本暗殺秘録(東映)・・・・・・ 1.6 億円
10位  コント55号 人類の大弱点(東宝)1.6 億円                                                        

1970年(昭和45年)

1位  戦争と人間・第一部 運命の序曲(日活)  5.9 億円
2位  激動の昭和史 軍閥(東宝)・・・・・・  3.5 億円
3位  座頭市と用心棒(勝プロ)・・・・・・・・2.8 億円
4位  富士山頂(石原プロ)・・・・・・・・・・2.8 億円
5位  新網走番外地 大森林の決斗(東映)・・  2.5 億円
6位  新網走番外地 さいはての流れ者(東映)  2.0 億円
7位  渡世人列伝(東映)・・・・・・・・・・  2.0 億円
8位  昭和残侠伝 死んで貰います(東映)・・  2.0 億円
9位  最後の特攻隊(東映)・・・・・・・・・  2.0 億円
10位  チンチン55号ぶっ飛ばせ!! 出発進行(東宝)1.5 億円

続きは、また今度。

 


小説『闇の傀儡師』

2023年08月09日 23時00分00秒 | 書籍関係

[書籍紹介] 

藤沢周平による伝奇小説。
「やみのかいらいし」と読む。

傀儡師 (くぐつし、かいらいし) ・・・
元々は、傀儡(操り人形)を操り、各地を旅した芸人のことだが、
転じて、陰で人を操るもの。策士、黒幕を指す。

十代将軍・家治の治世。
主人公の鶴見源次郎は御家人の跡取り息子だったが、
無眼流の遣い手として、剣の道に励むあまり、
妻と離別し、家を出て、長屋住まいの上、
筆耕で口を養う生活をしていた。
筆耕の仕事を納めての帰り道、
斬り合いに遭遇し、
斬られた者が虫の息で源次郎にあるもの託し、
届ける先は老中松平と言い残して死んだ。
男はどうやら公儀隠密のようであった。

友人の細田民之丞の所に行き、事のあらましを述べた。
民之丞は松平という老中は三人いるというが、
なんとかしてその老中を突き止めることが出来た。
老中は松平右近将監武元だった。

その老中が鶴見源次郎に会いたいという。
仕方なしに会いに行くと、老中は奇怪な話を聞かせた。
それは八嶽党という正体不明の集団のことで、
昔自裁した駿河大納言忠長の一族であるといい、
その暗躍の歴史は150年に及び、
徳川将軍家の代替わりに介入してきていた。
最近、その八嶽党が動き出しているので、
源次郎に八嶽党の動きを探るのに手を貸せという。
結局、源次郎は老中の手助けをすることになった。

八嶽党はなぜこの時期に蠢動し始めたのか?
そして、彼らの狙いとは一体何なのか?

こうした話に、
幕府中枢での田沼主殿頭意次らの権力争いや
将軍の世継ぎ家基を巡る毒殺の陰謀がからむ。
安永8年(1779年)、家基が
鷹狩りの帰りに立ち寄った品川の東海寺で突然体の不調を訴え、
3日後に死去(満16歳没)。
家治の血筋が絶えたため、
一橋家の嫡男・豊千代(後の徳川家斉)に将軍家を継がせることになった
歴史的事実が背景にある。

また、源三郎が家を出る原因となった妻の織江の不倫、
織江の妹・津留との関係、
絵師をめざす細田民之丞の苦衷、
その妹・ゆきとの関係、
隠棲している但馬流の老剣士・赤石道玄とその孫の奈美、
老剣士の弟子の伊能甚内などの話もからみ、
重層的に物語は展開する、
読み応え十分の作品。                           

八嶽党は初め、源三郎の敵として登場するが、
源三郎の認識が、物語の進行とともに変化していき、
やがて、その存在に同情するようになる。
彼らの悲願は、駿河大納言忠長の血筋の者を将軍にすることで、
ついには、公儀からの殲滅命令にさらされる。
本書で描かれるのは、その八嶽党の滅び行く姿で、
最後に甲州の山道に消えてゆく彼らの姿は寂寥感を誘う。

藤沢らしいのは、女性が魅力的なことで、
織江と妹の津留、
民之丞の妹で娼婦になる、ゆき、
赤石道玄の孫娘・奈美、
八嶽党の一員・お芳などが彩りを添える。
白井半兵衛、布施重助など脇役も魅力を放つ。

本来将軍職につく機会もあった
白河侯の嫡子・松平上総介に、
一橋が諭す場面が興味に残る。

「上総介。そなたは将軍職の座を逃したと思われるかも知れぬが、
将軍職が何ほどのものかの。
いまのお上を見よ。
ありあまる才を抱きながら、
こと政治となると手も足も出ぬ。
ゆえに、絵に凝り、碁、将棋に鬱を散んじて、日を送られておる。
お気の毒じゃな。
わしに政治の志があれば、
将軍職はのぞまぬ。
幕閣に入り、首座にのぼって天下を仕置きすることを心がけるだろうて。
これこそ男子の本懐と思うが、違うか」
「将軍家は飾りもの。
天下を仕置きする者は別におる」

週刊文春に昭和53年8月から翌54年8月まで丸一年にわたって連載。
翌55年に単行本化された。

1982年、フジテレビ系で北大路欣也主演でドラマ化
1996年、NHKで「風光る剣 八嶽党秘聞」の題で、
中井貴一の主演でドラマ化

あとがきに、藤沢の濫読について書かれており、
最初の濫読時代が小学校5、6年の頃だったというから驚く。
こうした濫読から小説家としての養分を吸い取ったのだと分かる、
貴重な記録である。


映画『イノセンツ』

2023年08月08日 23時00分00秒 | 映画関係

[映画紹介]

北欧ノルウェー発のホラー

郊外の団地にイーダ一家が引っ越してきた。


9歳の少女イーダ、自閉症で口のきけない姉のアナ。
じきに同じ団地に暮らすベン、アイシャと親しくなる。
4人を惹きつけたのは、それぞれが持つ不思議なパワーだった。
ベンは手で触れることなく小さな物体を動かせる念動力、


アイシャは互いに離れていても感情、思考を共有できる能力。


イーダとアナは、まだ自分の秘めた能力に気づいていない。


4人は大人の目が届かないところで、
お互いの能力を共鳴させ、
サイキック・パワーの強度を高めていく。
親の知らない子どもだけのネットワーク。


始めは遊びだったのに、
次第にエスカレートし、
ベンの能力が大人の行動をも支配するようになった時、
それは狂気に変わり、
衝撃の夏になっていく・・・

ノルウェーのアカデミー賞と呼ばれるアマンダ賞
監督賞・撮影賞・音響賞・編集賞の4冠を獲得。
世界の映画祭で16映画賞を受賞した問題作。
監督・脚本を手掛けたのは、「わたしは最悪。」で
米アカデミー賞・脚本賞にノミネートされたエスキル・フォクト

大友克洋「童夢」からインスピレーションを得たという本作、
大人が介在しない、子供たちだけの危険な遊びを描いて秀逸。
何かが起こるという緊迫感が映像から伝わって来る。
特に、子どもたちの演技が素晴らしく、
是枝流の「自然な演技」などではない、
しっかりと役どころを捉えた子役の演技に驚嘆する。
どうやって演技指導したのだろう。

子どもたちの親が、
やや欠けたところがあるのも、
超能力の要因としてしっかり描かれている。
「イノセンツ」の題名にあるように、
悪気の無さや無邪気さに裏打ちされた
加減を知らない特殊能力を持った子どもが、
善悪の区別が付かず、取り返しのつかないことをしてしまう恐ろしさ。

狭い団地の空間の中、
広場で遊ぶ親子に混じって
人知れず展開される子ども同士のバトル。
音や絵で観客を怖がらせるのではなく、
心理的に追い詰められる
北欧らしいホラー
観るべき。

5段階評価の「4」

新宿ピカデリーで上映中。


日本映画興行ランキング・その1

2023年08月07日 23時00分00秒 | 様々な話題

その昔、映画が「娯楽の王様」と言われた時代があった。
私は、まさにその時代に生きた人間で、
休みの過ごし方は、映画館に行くのが当たり前だった。

昭和35年(1960年)頃、
私は渋谷から少し離れた住宅街に住んでいたが、
夕食後、家族揃ってバスで渋谷に出て、映画を観た記憶がある。
まだ家にテレビがない時代だったのだ。

映画人口(年間総入場者数)がピークに達したのは昭和33年(1958年)で、
日本全国に7067の映画館があり、
年間11億2745万人が映画館へ行った。
当時の人口は9177万人だから、
単純計算でひとり1年に12回映画館へ行っていたことになる。
つまり、全ての日本人が毎月1回、映画を観に行っていたのだ。

当時、日本映画は系列館方式で、
全国主要都市に東宝、松竹、東映、日活、大映の系列の映画館があった。
番組は毎週代わり、2本立てが当たり前。
つまり、映画会社は年間100本の映画を映画館に供給していたことになる。
今のように、1本立てで、何カ月も同じ映画を上映したりはしなかったのだ。

全席指定席などではないから、
映画館は入れるだけ入れた。
満員でドアが閉まらなかったというのは本当で、
その状態も目撃した。

洋画は特定の映画館でロードショーされ、
その後、2本立ての洋画チェーンで上映され、
2番館、3番館、そして名画座へと流れていく。

1960年代に入ると映画人口は激減していく。
最大の要因はテレビである。
昭和34(1959年)の皇太子ご成婚から
昭和39(1964年)の東京オリンピックまでの5年間に、
すさまじい勢いでテレビが普及した。
それに反比例して映画館へ行く人の数は激減し、
昭和39年には4億3145万人と、
ピークの昭和33年の約3分の1になってしまった。
たった5年で3分の2の顧客を失ったのである。

昭和46年(1971年)には、
映画館は2974館、映画人口は2億1675万人にまで減少。
ピーク時対して19.2パーセントに落ち込んでいた。
13年間で8割の顧客を失ったのだ。

その後、日本映画の系列館方式は瓦解し、
大作はものすごい数の映画館で占有されるようになった。
シネマコンプレックスが広がり、
単館の映画館は少なくなり、
映画館数ではなく、スクリーン数で数えるようになった。
2022年の映画館スクリーン数は3634スクリーンだ。

そして、映画は配信で観られるようになった。
というか、映画館を飛び越えて、
最初から配信で公開されるようになったのだ。
誰が想像しただろう、
家のテレビで新作映画が観られる時代が来ることなど。

2022年昨年1年間の全国の映画館入場者数の合計は1億5252万5千人。
しかし、興行収入は2131億1100万円。
入場料が比較にならないほど上がったためだ。
「タワーリング・インフェルノ」が公開された昭和50年(1975年)に
1000円を突破した入場料は、
徐々に上がり続け、
ついに今年は2000円となった。
久しぶりに映画を観た人が、つまらない映画だったら、
2度と観にいかなくなる水準だ。
平均客単価は今、1402円だという。

一方配信は、月額1000円以下で、
いくらでも映画が観られる。
新作が配信にまわる期間も短くなった。
交通費もかからない。

私のように、年間100本以上映画館で観る人は、
希少な存在かもしれない。

前書きが長くなったが、
その映画の黄金時代の
日本映画の配給収入のデータを紹介する。
入場料が今と比べて比較にならないくらい安いので、
総配給収入の少なさに驚く方もいるだろう。
また、オールド読者には、なつかしい映画の題名に
頬が緩むかもしれない。

1950年(昭和25年)

1位  宗方姉妹(新東宝)・・ 0.8 億円
2位  自由学校(大映)・・・ 0.8 億円
3位  佐々木小次郎(東宝)・ 0.7 億円
4位  続・佐々木小次郎(東宝)0.6 億円
5位  帰郷(松竹)・・・・・ 0.6 億円
6位  紅蝙蝠(大映)・・・・    0.5 億円
7位  月の渡り鳥(大映)・・    0.5 億円
8位  自由学校(松竹)・・・・ 0.5 億円
9位  銭形平次(大映)・・・・ 0.5 億円
10位  おぼろ駕篭(松竹)・・・ 0.5 億円

1951年(昭和26年)

1位  源氏物語(大映)・・1.4 億円
2位  大江戸五人男(松竹)1.2 億円
3位  馬喰一代(大映)・・0.9 億円
4位  陽気な渡り鳥(松竹)0.8 億円
5位  銭形平次・恋文道中(大映) 0.7億円
6位  麦秋(松竹)・・・・ 0.7 億円
7位  呼子星(大映)・・・ 0.7 億円
8位  続佐々木小次郎(東宝)0.7 億円
9位  完結 佐々木小次郎(東宝) 0.7億円
10位  本日休診(松竹)・・・・・ 0.6 億円

1952年(昭和27年)

1位  ひめゆりの塔(東映)・・  1.7 億円
2位  お茶漬の味(松竹)・・・  1.0 億円
3位  ひばり姫初夢道中(松竹)・1.0 億円
4位  夏子の冒険(松竹)・・・ 1.0 億円
5位  (松竹)・・・・・・・ 1.0 億円
6位  学生社長(松竹)・・・・ 0.9 億円
7位  銭形平次捕物控 からくり屋敷(大映)0.9 億円
8位  ハワイの夜(新東宝)・  0.8 億円
9位  現代人(松竹)・・・・・0.8 億円
10位  千羽鶴(大映)・・・・・0.7 億円

1953年(昭和28年)

1位  君の名は・第二部(松竹)3.0 億円
2位  君の名は・第一部(松竹)2.5 億円
3位  太平洋の鷲(東宝)・・・1.6 億円
4位  地獄門(大映)・・・・・1.5 億円
5位  金色夜叉(大映)・・・・1.4 億円
6位  花の生涯(松竹)・・・・1.3 億円
7位  戦艦大和(新東宝)・・・1.3 億円
8位  東京物語(松竹)・・・・1.3 億円
9位  叛乱(新東宝)・・・・・1.2 億円
10位  家族会議(松竹)・・・・1.2 億円

1954年(昭和29年)

1位  君の名は・第三部(松竹)・・・・3.3 億円
2位  忠臣蔵 花の巻・雪の巻(松竹)・2.9 億円
3位  七人の侍(東宝)・・・・・・・・2.6 億円
4位  新諸国物語 紅孔雀(東映)・・・2.4 億円
5位  二十四の瞳(松竹)・・・・・・・2.3 億円
6位  月よりの使者(大映)・・・・・・1.6 億円
7位  宮本武蔵(東宝)・・・・・・・・1.6 億円
8位  ゴジラ(東宝)・・・・・・・・・1.5 億円
9位  ハワイ珍道中(新東宝)・・・・・1.5 億円
10位  哀愁日記(松竹)・・・・・・・・1.4 億円

1955年(昭和30年)

1位  赤穂浪士 天の巻・地の巻(東映)  3.1 億円
2位  修禅寺物語(松竹)・・・・・・・  1.8 億円
3位  ひばりチエミいづみのジャンケン娘(東宝)1.7 億円
4位  新・平家物語(大映)・・・・・・・1.7 億円
5位  亡命記(松竹)・・・・・・・・・・1.7 億円
6位  続・宮本武蔵 一乗寺の決闘(東宝)1.6 億円
7位  楊貴妃(大映)・・・・・・・・・・1.5 億円
8位  宮本武蔵 決闘巌流島(東宝)・・・1.5 億円
9位  力道山物語 怒涛の男(日活)・・・1.5 億円
10位  夫婦善哉(東宝)・・・・・・・・・1.4 億円

1956年(昭和31年)

1位  任侠清水港(東映)・・・・・・・・3.5 億円
2位  蜘蛛巣城(東宝)・・・・・・・・・1.9 億円
3位  恐怖の空中殺人(東映)・・・・・・1.9 億円
4位  曽我兄弟 富士の夜襲(東映)・・・1.9 億円
5位  旗本退屈男 謎の幽霊船(東映)・・1.8 億円
6位  銭形平次捕物控 まだら蛇(大映)・1.8 億円
7位  太陽の季節(日活)・・・・・・・・1.8 億円
8位  月形半平太(大映)・・・・・・・・1.8 億円
9位  (東映)・・・・・・・・・・・・1.7 億円
10位  歌う弥次喜多 黄金道中(松竹)・・1.7 億円

1957年(昭和32年)

1位  明治天皇と日露大戦争(新東宝)・  5.4 億円
2位  喜びも悲しみも幾歳月(松竹)・・  3.9 億円
3位  水戸黄門(東映)・・・・・・・・  3.5 億円
4位  嵐を呼ぶ男(日活)・・・・・・・  3.4 億円
5位  任侠東海道(東映)・・・・・・・  3.4 億円
6位  大忠臣蔵(松竹)・・・・・・・・  2.6 億円
7位  錆びたナイフ(日活)・・・・・・  2.4 億円
8位  夜の牙(日活)・・・・・・・・・  2.3 億円
9位  挽歌(松竹)・・・・・・・・・・  2.3 億円
10位  大当り三色娘(東宝)・・・・・・  2.2 億円

1958年(昭和33年)

1位  忠臣蔵(大映)・・・・・・・・・    4.1 億円
2位  陽のあたる坂道(日活)・・・・・    4.0 億円
3位  紅の翼(日活)・・・・・・・・・    3.6 億円
4位  忠臣蔵 櫻花の巻・ 菊花の巻(東映) 3.6 億円
5位  隠し砦の三悪人(東宝)・・・・・ 3.4 億円
6位  明日は明日の風が吹く(日活)・・    3.2 億円
7位  風速40米(日活)・・・・・・・ 3.1 億円
8位  日蓮と蒙古大襲来(大映)・・・・    3.0 億円
9位  人間の条件 第1・2部(松竹)・・3.0 億円
10位  彼岸花(松竹)・・・・・・・・・・2.9 億円

1959年(昭和34年)

1位  任侠中仙道(東映)・・・・・・・ 3.5 億円
2位  日本誕生(東宝)・・・・・・・・ 3.4 億円
3位  血斗水滸伝 怒涛の対決(東映)・ 3.1 億円
4位  世界を賭ける恋(日活)・・・・・ 2.7 億円
5位  男が命を賭ける時(日活)・・・・ 2.6 億円
6位  鉄火場の風(日活)・・・・・・・ 2.4 億円
7位  人間の条件 第3・4部(松竹)・ 2.3 億円
8位  水戸黄門 天下の副将軍(東映)・ 2.2 億円
9位  男なら夢を見ろ(日活)・・・・・ 2.0 億円
10位  天と地を駈ける男(日活)・・・・ 1.9 億円
[裕次郎映画が5本ランクイン。]

1960年(昭和35年)

1位  天下を取る(日活)・・・・・ 3.2 億円
2位  波濤を越える渡り鳥(日活)・ 3.0 億円
3位  闘牛に賭ける男(日活)・・・ 2.9 億円
4位  喧嘩太郎(日活)・・・・・・ 2.7 億円
5位  娘・妻・母(東宝)・・・・・ 2.7 億円
6位  あじさいの歌(日活)・・・・ 2.7 億円
7位  水戸黄門(東映)・・・・・・ 2.6 億円
8位  名もなく貧しく美しく(東宝)・2.5 億円
9位  ハワイ・ミッドウェイ大海空戦 太平洋の嵐(東宝)  2.5 億円
10位  新吾二十番勝負(東映)・・・・2.0 億円

続きは、また今度。

 


小説『ワンダーランド急行』

2023年08月05日 23時00分00秒 | 書籍関係

[書籍紹介]

40歳のサラリーマン、野崎修作は、
今朝の会議がユウウツなあまり、
いつもの上りの通勤快速に乗らず、
反対方向の下りの急行電車に乗ってしまう。
次々と通過していく駅を見ながら、
つかのまの日常からの脱出を気取る・・・

と、ここまではよくあるサラリーマンの現実逃避モノ

終点で下車して山に登り、
夕刻になったので、
元の電車に乗って、帰宅してみると、
何かがおかしい。
コロナ禍のはずなのに、誰もマスクをしていない。
「上を向いて歩こう」を妻の美冬は知らないし、
会社に出ると、何だかチグハグだ。
スタジオジブリをみんな観ていないし、
会議でスカイツリーでの婚活パーティーを提案すると、
「それ、何だ」と言われる。

帰って来たのは、以前とは違う、異次元の世界だったのだ。
この世界ではコロナは存在しない。

と、話はパラレルワールドものに変身する。
今風にいえば、マルチバースもの。

確かめに押上に行ってみると、
スカイツリーの代わりに変な牛頭の観音像が建っている。
そういえば、○○屋に牛丼がないし、
牛の病気で牛が死に絶えてしまっていて、
スーパーでは牛肉を売っていない。
前の世界での成功例の企画が次々と通り、
サラリーマンとしては評価される。
新興宗教がはびこり、
妻は、その儀式での憑依巫女を務めるのだという。

元の世界に戻るために
再び下り急行に乗り、
山登りをして、戻ってみると、
もっと変な世界に迷い込んでしまった。
ポリティカル・コレクトネスが世界を支配しており、
過去の差別発言などで社会的抹殺が行われている。
「正義」が社会を分断し、
会社ではかつての同僚が専務として、独裁している。
何より、妻は別人。
しかも、離婚の危機。
だが、子どもはいる。

そして、再び下り電車に乗った野崎は、
日本が東西に分裂し、
大元帥総統閣下が支配する、
ミサイル軍事国家「東日本共和國」に迷い込んでしまう。

終点駅付近の商店で
パラレルワールド選択の法則を見つけた野崎は、
何とか元の世界に戻って来るのだが・・・

という、パラレルワールドの世界が現代の風刺になっている、という一篇。
発想は面白いが、
意外と読んでて胸がはずまないのは、どういうわけか。

「海の見える理髪店」で直木賞を受賞した萩原浩の異世界モノ。


コロナ禍で行動制限中の日経新聞夕刊に連載。