カエサルの世界

今年(2019年)1月中旬から「休載中」ということになっているのだけど、まあ、ときどき更新しています。

■コウモリだけが知っている

2018年04月14日 | ☆野鳥とか    

 コウモリが遊びに来てくれました。
 今の家に引っ越したときにも来てくれたのだけど、そのとき以来、10年ぶりでの来訪ということになります。


 4月12日の夜、何かが部屋の中を飛んだのです。蝶々?カブトムシ?とも思いましたけど、コウモリじゃないかという気がしました。
 部屋の中を探してみたら、こんなところ(カーテンの上の方が押し入れの扉にひっかかって水平になっているところ)にいました。
 写真が撮りにくいところです。せっかくコウモリが来たのに、これだけじゃ記事にするのは難しいなぁ・・・なんて思っていました。


 コウモリがいるのは、パソコンに向かっているカエサルの背中側です。ときどき振り向いて様子を見ていたわけですけど、いつの間にか、位置を変え、壁に張り付いていました。
 見やすい場所になったので、よく見てみたわけですが、体の前後がわかるようになりました。頭を下にしています。
 調べてみたら、前肢の先にピョコンと出ているのは親指で、他の4本の指(と体)の間に「飛膜」があるのだそうです。




 飛び始めました。部屋の中を10周くらいしたんじゃないでしょうか。これだけ飛び回ったのは、このときだけと言ってもいいと思います。




 さっきとは別の所で壁に張り付きました。最初は頭を上にしていたんだけど、気がついたら、頭が下になっていました。
 頭を下にするというのは、合理的な姿勢だと思いました。そのまま飛び立つことができるのです。頭を上にしていたら、壁から離れたときに仰向けになってしまうわけで、体をひねったりしないと飛ぶことができません。

 この姿勢のまま動かなかったので、寝ていたのかもしれません。大きさを測ってみようと思って、ものさしを近づけてみたのだけど、それくらいのことではピクリともしません。ものさしで前肢のところを触ってやると、脚をちょっとひっこめたりはします。さらにちょっかいをかけると飛び立ったんですけど、飛び回るというのではなく、移動したという感じです。




 移動先は、押し入れの中のプラスチックケースの上です。すぐ近くまで寄ることができます。ほとんど動かないし、触ろうと思えば触ることもできます。でも、なんかちょっと怖かったので触らないことにしました。コウモリはいろんな病原体をもっているという話なので、それが正解みたいです。

 コウモリのことをいろいろと調べてみました。
 脊索動物門・哺乳動物綱・翼手目(コウモリ目)に分類されるんですけど、この翼手目というのは、齧歯目(ネズミ目)と並ぶ巨大派閥なんだそうです。地球上には約4500種の哺乳動物がいて、そのうち約2500種が齧歯目、約1000種が翼手目なんだそうです。日本では、約100種の哺乳動物のうち35種が翼手目で、24種の齧歯目を抑えて堂々の第1位です。動物のことをけっこう知っているつもりだったカエサルですが、かなりびっくりしました。
 種が多いということで1・2を争う翼手目と齧歯目ですが、系統的には近縁ではないそうです。翼手目は、鯨偶蹄目(ウシ目)や食肉目(ネコ目)に近いということです。ちなみに、リンネは、コウモリを霊長目(サル目)に分類していたそうです。
 日本で人家に棲みつくのはアブラコウモリという種なんだそうですが、こいつの場合、カエサルんちに棲みついているというわけではないと思うので、他の種という可能性もあると思います。


 その他、いろんなことを調べてみたわけですが、コウモリは家に棲みつかせない方がいいとのことでした。じゃあ、外に追い出してしまおうと思ったのですが、そう思ったときにはプラスチックケースの上にいませんでした。探してみたのだけど、見当たりません。
 どうしようもないので、寝ることにしました。


 4月13日の朝は、コウモリに起こされました。部屋の中をバタバタと飛び回るのです。
 遊んでやろうかと思ったのですが、眠くて、起きられません。夢うつつでいるとき、このコウモリに「ヤス」という名前をつけました。与話情浮名横櫛・切られ与三の相棒である蝙蝠安ですね。「ヤス、うるさい。もう少し寝かせてくれ」なんてつぶやいたりしていました(笑)
 ようやく起きて、飛んでいるところを撮ったのがこの写真です。いかにもコウモリというスタイルを撮ることができたので嬉しいです。ヤス、グッジョブ。








 その後、ヤスはカーテンとベッドの間にやってきました。明るいし、至近距離だし、パシャパシャと写真を撮っていたわけですけど、ちょっとやそっとのことでは逃げたりしません。カーテンや布団を強く揺すってやると、飛んでいったりするのですが、また戻って来たりします。
 「顔」を撮りたいと思っていたんですけど、目がどこにあるのかわからないので、撮り方に困ったりしました。




 ベランダとの間の掃き出し窓を開けておいて、ヤスを飛ばせたりしたんですけど、出て行きません。超音波ソナーで、窓が開いているというのはわかると思うんですけどね。カエサルの部屋を気に入ってしまったのでしょうか。
 しかたがないので、レジ袋でヤスをつかんで、ベランダに持ち出しました。飛んでいないときの動きは極めてスローモーなので、カエサルでも簡単に捕まえることができます。捕まえたときには鳴きました。超音波を出すからと言って、超音波しか出さないというわけじゃないんですね。「キューキュー」みたいな声でした。
 ベランダでも、ほとんど動かないでいました。なんか、体が弱っていて死にかけているという風情なんだけど、そういうことではないと思います。
 しばらくしてから、どこかへ飛んで行きました。どこへ行って、どのような生活をするのか、コウモリだけが知っている・・・のかな。

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