今の家に引っ越したときにも来てくれたのだけど、そのとき以来、10年ぶりでの来訪ということになります。
部屋の中を探してみたら、こんなところ(カーテンの上の方が押し入れの扉にひっかかって水平になっているところ)にいました。
写真が撮りにくいところです。せっかくコウモリが来たのに、これだけじゃ記事にするのは難しいなぁ・・・なんて思っていました。
見やすい場所になったので、よく見てみたわけですが、体の前後がわかるようになりました。頭を下にしています。
調べてみたら、前肢の先にピョコンと出ているのは親指で、他の4本の指(と体)の間に「飛膜」があるのだそうです。
頭を下にするというのは、合理的な姿勢だと思いました。そのまま飛び立つことができるのです。頭を上にしていたら、壁から離れたときに仰向けになってしまうわけで、体をひねったりしないと飛ぶことができません。
脊索動物門・哺乳動物綱・翼手目(コウモリ目)に分類されるんですけど、この翼手目というのは、齧歯目(ネズミ目)と並ぶ巨大派閥なんだそうです。地球上には約4500種の哺乳動物がいて、そのうち約2500種が齧歯目、約1000種が翼手目なんだそうです。日本では、約100種の哺乳動物のうち35種が翼手目で、24種の齧歯目を抑えて堂々の第1位です。動物のことをけっこう知っているつもりだったカエサルですが、かなりびっくりしました。
種が多いということで1・2を争う翼手目と齧歯目ですが、系統的には近縁ではないそうです。翼手目は、鯨偶蹄目(ウシ目)や食肉目(ネコ目)に近いということです。ちなみに、リンネは、コウモリを霊長目(サル目)に分類していたそうです。
日本で人家に棲みつくのはアブラコウモリという種なんだそうですが、こいつの場合、カエサルんちに棲みついているというわけではないと思うので、他の種という可能性もあると思います。
どうしようもないので、寝ることにしました。
遊んでやろうかと思ったのですが、眠くて、起きられません。夢うつつでいるとき、このコウモリに「ヤス」という名前をつけました。与話情浮名横櫛・切られ与三の相棒である蝙蝠安ですね。「ヤス、うるさい。もう少し寝かせてくれ」なんてつぶやいたりしていました(笑)
ようやく起きて、飛んでいるところを撮ったのがこの写真です。いかにもコウモリというスタイルを撮ることができたので嬉しいです。ヤス、グッジョブ。
「顔」を撮りたいと思っていたんですけど、目がどこにあるのかわからないので、撮り方に困ったりしました。
しかたがないので、レジ袋でヤスをつかんで、ベランダに持ち出しました。飛んでいないときの動きは極めてスローモーなので、カエサルでも簡単に捕まえることができます。捕まえたときには鳴きました。超音波を出すからと言って、超音波しか出さないというわけじゃないんですね。「キューキュー」みたいな声でした。
ベランダでも、ほとんど動かないでいました。なんか、体が弱っていて死にかけているという風情なんだけど、そういうことではないと思います。
しばらくしてから、どこかへ飛んで行きました。どこへ行って、どのような生活をするのか、コウモリだけが知っている・・・のかな。
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