マンダレイ
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制作:2005年 デンマーク スウェーデン オランダ フランス ドイツ イギリス
制作:ヴィベク・ウィンドレフ
監督・脚本:ラース・フォン・トリアー
出演:ブライス・ダラス・ハワード イザック・ド・バンコレ ダニー・グローヴァー ウィレム・デフォー ジェレミー・デイヴィス クロエ・セヴィニー
「ドッグ・ヴィル」の続編「マンダレイ」です。本作ではアメリカにおける奴隷制度をテーマに描かれた作品となっています。
舞台は1933年のアラバマ州。縄張りを失って旅をしていたグレース(ハワード)たちギャング団は大農場マンダレイの前で黒人の女に呼び止められます。そこでは依然として奴隷制度が色濃く残る町で、今まさに「使用人」の一人ティモシー(イザック・ド・バンコレ)がむち打たれようとしていたのです。その前にグレースが止めに入ります。その後年老いた農場の女主人(バコール)は息絶えてしまいます。命令するものを失って途方にくれる黒人の使用人たちをみてグレースは、マンダレイを民主的で自由な共同体につくりかえる決心をしますが…。
身も蓋もない言い方してもいいですか?
「グレース!学べよ!」
前作ドッグ・ヴィルでのグレースの立場は、成り行き上どうしようもない感じがしましたが、今回は彼女のお節介気質にもうちょっとうんざり。彼女は何様なんでしょうか?前回さんざん「傲慢」という言葉をたくさん発していたのに。本作では彼女の行動がいちばん傲慢に見えます。でもま。彼女がお節介しない限りは物語が成立しないのでしかたないですね。いやいや。失礼しました。
どストレートな表現でズッバズバ斬ってますね。わかいやすいお話ですよね。でも、どうしてもグレースに対して不快感が強くて感情移入はできませんでした。(あっ。また蒸返しちゃった★)結末にそんな意外性があるわけでもないですし。主人公に同調できるかどうかって、やっぱり重要ですね。
独特な世界観は相変わらずすばらしいと思いますし、前作よりさらに「そぎ落とされた」表現はさすがだな、と思いました。
今年公開される「ワシントン」で完結ですね。
きっと観るとは思いますが…。
・マンダレイ@映画生活
・前田有一の超映画批評