ヒトラー~最期の12日間~
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原題:Der Untergang
制作:2004年 ドイツ イタリア オーストリア
制作・脚本:ベルント・アイヒンガー
監督:オリヴァー・ヒルシュビーゲル
出演:ブルーノ・ガンツ アレクサンドラ・マリア・ララ コリンナ・ハルフォーフ ウルリッヒ・マテス ユリアーネ・ケーラー
「独裁者」といえば真っ先に浮かぶ人物がこの人。ヒトラーの女性秘書を務めていたトラウドゥル・ユンゲの証言と歴史書を元に描いた「ヒトラー~最期の12日間~」です。
1945年ソ連軍に攻め込まれベルリンは陥落直前です。ヒトラーとその側近たちは、総統官邸の地下要塞に避難します。追い詰められたヒトラーは遂に正気を失います。わずかに残った軍勢に戦況の挽回を命じ、戦況はさらに悪化。そんなヒトラーを前に究極の選択を迫られる側近たち。最期まで運命を共ににしようとする者、逃亡を企てる者、酒に溺れて現実逃避する者。そんな一部始終を間近で目撃していた総統付き秘書のユンゲは、ある日、ヒトラーから遺書の口述筆記を依頼されます。
今まで観てきた実録系映画の中で、私の心に残るベスト3に入る作品です。
アドルフ・ヒトラーという人物には以前から興味があって、いくつかドキュメンタリーや記録映画を観てたんですがヒトラー像がいまいちだったんです。そんなヒトラーの「人間像」を描くという、しかもドイツで。色々なタブーを超えて作られた話題作。絶対に観なきゃ!と当初から、かなり期待していました。
とにかく完成度が高いです。ヒトラーの自害以降の幹部たちの最期も克明に描かれ、映画の終わりには、晩年のユンゲ本人が登場してヒトラーのことを語るシーンもあり、まるで質の良いドキュメンタリーを観ているような感覚になります。
ブルーノ・ガンツ演じるヒトラーは凄いです。彼の演技は鬼気迫るものがあります。ちなみに、ドイツ人俳優がドイツ語でヒトラーを演じるのはこの作品が初だそうです。この作品で初めて知った女優さんですが、秘書ユンゲを演じたアレクサンドラ・マリア・ララも可憐で素敵でした。
色々な意味で凄い・濃い作品です。
・ヒトラー~最期の12日間~@映画生活
・前田有一の超映画批評