徒然映画日記。

食わず嫌いは卒業し何でも観よう。思い切りネタバレありの「観た帳」です。

サイドウェイ

2007年06月06日 | ★★★★


サイドウェイ
おすすめ度
原題:Sideways
制作:2004年 アメリカ
制作:マイケル・ロンドン
監督:アレクサンダー・ペイン
脚本:アレクサンダー・ペイン ジム・テイラー
出演:ポール・ジアマッティ トーマス・ヘイデン・チャーチ ヴァージニア・マドセン サンドラー・オー

これ観るとワインが飲みたくなります。ワイナリーを巡る男2人旅(笑)しょぼくていれた中年男の再出発を描いたヒューマンドラマ「サイドウェイ」です。

英語の教師をしながら小説家目指すマイルス(ポール・ジアマッティ)は2年前に離婚した元妻に未練たらたらです。ワイン通のマイルスは、悪友のジャック(トーマス・ヘイデン・チャーチ)の結婚前に独身最後の旅行へ出かけます。旅先はカリフォルニアのワイナリー巡り。マイルスは美味しいワインとゴルフで有意義な時間を楽しもうとしますが、ジャックは独身最後の女漁りで頭がいっぱいです。そんな旅の途中でワイン好きの美女マヤ(ヴァージニア・マドセン)に出会います。

2人のだめだめ男の珍道中(笑)相当面白かったです。どこまでも不器用な男マイケル。どこまでもアホなジャック。トーマス・ヘイデン・チャーチの「一昔前の俳優像」最高です。「あほや~」と思わず声を上げて笑ってしまいました。

決して若いとはいえない男の哀愁を漂わせつつも最後にちょっぴり希望を感じさせてくれる気持ち良いラスト。いいですね。心地よい作品でした。

サイドウェイ@映画生活
前田有一の超映画批評



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コーヒー&シガレッツ

2007年06月05日 | ★★★★




コーヒー&シガレッツ
おすすめ度
原題:COFFEE AND CIGARETTES
制作:2003年 アメリカ
制作:ジェイソン・クリオット ジョアナ・ヴィセンテ
監督・脚本:ジム・ジャームッシュ
出演:ロベルト・ベニーニ スティーヴン・ライト ジョイ・リー サンキ・リ スティーヴ・ブシェミ イギー・ポップ トム・ウェイツ ジョー・リガーノ
ヴィニー・ヴェラ ヴィニー・ヴェラ・Jr ルネ・フレンチ E・J・ロドリゲス アレックス・デスカス イザック・ド・バンコレ ケイト・ブランシェット メグ・ホワイト ジャック・ホワイト アルフレッド・モリーナ スティーヴ・クーガン GZA RZA ビル・マーレイ ビル・ライス テイラー・ミード

コーヒーとタバコを片手に。何気ないやりとりを描いた1オムニバスムービー「コーヒー&シガレッツ」です。シンプルでスタイリッシュな映像、楽しいキャスティングが魅力的です。

変な出会い/STRANGE TO MEET YOU
双子/TWINS
カリフォルニアのどこかで/SOMEWHERE IN CALIFORNIA
それは命取り/THOSE THINGS'LL KILL YA
ルネ/RENEE
問題なし/NO PROBLEM
いとこ同士/COUSINS
ジャック、メグにテスラコイルを見せる/JACK SHOWS MEG HIS TESLA COIL
いとこ同士?/COUSINS ?
幻覚/DELIRIUM
シャンパン/CHAMPAGNE

以上11編のオムニバス映画です。さらりと気楽にのんびりと。気負わず観たい作品です。とにかくキャストが豪華豪華。組み合わせがユニーク。今更言うまでも無いですね(笑)

ケイト・ブランシェットの一人二役すごいです。ビックリしました。気づくまでにすごく時間かかりました(笑)個人的には最後のシャンパンがお気に入り。テイラー・ミードの最後が気になるところです。ちなみに私はご臨終されたと解釈しております(笑)

コーヒー&シガレッツ@映画生活
前田有一の超映画批評



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ディープエンド・オブ・オーシャン

2007年06月04日 | ★★★




ディープエンド・オブ・オーシャン
おすすめ度
原題:The Deep End of the Ocean
制作:1999年 アメリカ
制作:ケイト・ギンズバーグ
監督:ウール・グロスバード
原作:ジャクリーン・ミチャード
脚本:スティーヴン・シフ
出演:ミシェル・ファイファー トリート・ウィリアムズ ウーピー・ゴールドバーグ ジョナサン・ジャクソン サム・カラス ライアン・メリマン アレクサ・ヴェガ ブレンダ・ストロング

日曜日の昼間、DVDでも借りてのんびり観ようかな?と思ってテレビをつけたらこれやってました。失踪した息子がひょんなことから見つかって9年ぶりに再び一緒に暮らすことになった家族の物語「ディープエンド・オブ・オーシャン」です。

写真家のベス(ミシェル・ファイファー)は、レストランの支配人の夫パット(トリート・ウィリアムス)、7歳のヴィンセントと3歳のベン、ケリーと幸せに暮らしていました。ある日子供たちを連れて高校の同窓会に出席します。ところが、少し目を離した間にベンが忽然と姿を消してしまったのです。プリス主任刑事(ウーピー・ゴールドバーグ)ら警察の必死の捜査もむなしく、ベンは発見されませんでした。それから9年後。シカゴで暮らすようになった一家の前に芝刈りのバイトの少年サム(ライアン・メリマン)が訪れます。なんと彼は12歳になったベンのモンタージュ写真とそっくりだったのです。やがて真相が明らかになります。子供を失ったばかりのベスの同窓生セシルがベンを連れ去っていたのです。彼女は彼をサムと名付け、その後結婚したジョージ(ジョン・カペロス)とベンを残して自殺したのです。セシルはジョージに真実を隠していて、ジョージは彼を実の息子のように愛情を注ぎ育てていたのです。再びべスたちと一緒に暮らすようになったサムですが…。

丁度DVDでも観ようかと思っていた所だったのですが、思いのほか面白くて、最後まで観てしまいました(笑)誘拐を実行した張本人は既に自殺により他界しているので、基本的に「誰も悪くない」のです。だから切ない。うーん。自分を責める母親、長男ヴィンセント。ぎくしゃくする母子関係。このふたりきっと似ているんですね。

こってこてのファミリードラマですが、日曜日のお昼にぴったりな作品でした。

ディープエンド・オブ・オーシャン@映画生活
前田有一の超映画批評



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イン・ザ・ベッドルーム

2007年06月03日 | ★★★★



イン・ザ・ベッドルーム
おすすめ度
原題:In The Bedroom
制作:2001年 アメリカ
制作:グラハム・リーダー ロス・ケイツ トッド・フィールド
監督:トッド・フィールド
原作:アンドレ・デュバス
脚色:ロブ・フェスティンガー トッド・フィールド
出演:トム・ウィルキンソン シシー・スペイセク ニック・スタール マリサ・トメイ カレン・アレン

息子を失った夫婦の苦悩を描いた「イン・ザ・ベッドルーム」です。

医師のマット・ファウラー(トム・ウィルキンソン)と合唱団の教師のルース(シシー・スペイセク)の一人息子フランク(ニック・スタール)は、休日に帰省してロブスター漁のアルバイトをしていました。そこで彼は、年上で二人の息子がいるナタリー(マリサ・トメイ)と付合いはじめます。彼女には離婚に応じない暴力夫リチャード(ウィリアム・マポーザー)がいます。二人の関係は事実上破綻していますが、夫はよりを戻そうと彼女にしつこく付きまといます。ある日、フランクは激昂して家にやって来たリチャードに射殺されます。愛する息子の死に打ちひしがれるファウラー夫妻。しかし、故殺の場合リチャードの刑期がわずか5年になるという残酷な判決が下るのです。そんなある日スーパーマーケットで買い物をしていたルースはリチャードを見かけて大変なショックを受けます。何と彼は既に釈放されていたのです。

やりきれないですね。きっと子供を持つ親が観たら尚更でしょう。

静かに、そして淡々と物語りは進行します。夫と妻。悲しみの表現は違いますがふたりとも深く深く傷ついています。親身でない弁護士。事務的な裁判。そして何より無神経な加害者。見ていてイライラしました。この作品を観ていたらふと光市母子殺害事件が思い出されました。被害者の家族の本村洋さんの尽力もあり今、日本でも犯罪被害者の権利確立が注目を浴びていますよね。残された被害者の家族の心の傷は計り知れません。なによりそういった事件が無くなることが一番なんでしょうが…。

ラストシーンのベッドルームでのトム・ウィルキンソンの演技がとても印象的でした。

イン・ザ・ベッドルーム@映画生活
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マンダレイ

2007年06月02日 | ★★★



マンダレイ
おすすめ度
制作:2005年 デンマーク スウェーデン オランダ フランス ドイツ イギリス
制作:ヴィベク・ウィンドレフ
監督・脚本:ラース・フォン・トリアー
出演:ブライス・ダラス・ハワード イザック・ド・バンコレ ダニー・グローヴァー ウィレム・デフォー ジェレミー・デイヴィス クロエ・セヴィニー

「ドッグ・ヴィル」の続編「マンダレイ」です。本作ではアメリカにおける奴隷制度をテーマに描かれた作品となっています。

舞台は1933年のアラバマ州。縄張りを失って旅をしていたグレース(ハワード)たちギャング団は大農場マンダレイの前で黒人の女に呼び止められます。そこでは依然として奴隷制度が色濃く残る町で、今まさに「使用人」の一人ティモシー(イザック・ド・バンコレ)がむち打たれようとしていたのです。その前にグレースが止めに入ります。その後年老いた農場の女主人(バコール)は息絶えてしまいます。命令するものを失って途方にくれる黒人の使用人たちをみてグレースは、マンダレイを民主的で自由な共同体につくりかえる決心をしますが…。

身も蓋もない言い方してもいいですか?

「グレース!学べよ!」

前作ドッグ・ヴィルでのグレースの立場は、成り行き上どうしようもない感じがしましたが、今回は彼女のお節介気質にもうちょっとうんざり。彼女は何様なんでしょうか?前回さんざん「傲慢」という言葉をたくさん発していたのに。本作では彼女の行動がいちばん傲慢に見えます。でもま。彼女がお節介しない限りは物語が成立しないのでしかたないですね。いやいや。失礼しました。

どストレートな表現でズッバズバ斬ってますね。わかいやすいお話ですよね。でも、どうしてもグレースに対して不快感が強くて感情移入はできませんでした。(あっ。また蒸返しちゃった★)結末にそんな意外性があるわけでもないですし。主人公に同調できるかどうかって、やっぱり重要ですね。

独特な世界観は相変わらずすばらしいと思いますし、前作よりさらに「そぎ落とされた」表現はさすがだな、と思いました。

今年公開される「ワシントン」で完結ですね。
きっと観るとは思いますが…。

マンダレイ@映画生活
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ゴッホ

2007年06月01日 | ★★★★★




ゴッホ
おすすめ度
原題:Vincent & Theo
制作:1990年 イギリス フランス オランダ
制作:ルーディ・ベーケン
監督:ロバート・アルトマン
脚本:ジュリアン・ミッチェル
出演:ティム・ロス ポール・リス アドリアン・ブリン ハンス・ケスティング ベルナデット・ジロー ヨハンナ・テア・ステーゲ ウラジミール・ヨルヤノフ ヴィンセント・ソーリアク ジャン=ピエール・カッセル

画家伝記モノつながりで「ゴッホ」です。このゴッホはロバート・アルトマンが撮ったほうです(笑)←何故だか笑っちゃう。

19世紀後半、ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ(ティム・ロス)は、オランダ・アムステルダムで制作活動の日々を過ごしています。自身の画風の確立に向けての苛立ち、その上に貧困がさらに彼を追い詰めていきます。弟テオ(ポール・リース)は、そんな兄の才能を買い、自らが勤める画廊で兄を擁護しています。ヴィンセントとテオ。ふたりはお互いになくてはならない存在で、他人が入り込む余地を感じさせないほど密接したものです。ある日テオはヴィンセントからの手紙を新妻が盗み読もうとしたのを目にし、彼女を罵倒します。それを機に彼の家庭にひびが入り始めます。

一方、この頃、ヴィンセントはポール・ゴーギャン(ウラジミール・ヨルダノフ)と知りあいます。二人はテオが作った資金で南プロヴァンス地方へ旅行し、絵画製作に励みますが、ヴィンセントの不安定な気質から奇行を繰り返すようになります。そして遂にあの事件が起こります。ある日ヴィンセントが連れ込んだ娼婦の顔に黒の絵の具を塗りまくってお楽しみ中のヴィンセントを、ゴーギャンは止めに入ります。そこでヴィンセントは激情し自らの耳を切り落としてしまいます。当然そのまま彼は病院に収容されます。そんな彼を見舞うテオ。退院後、ヴィンセントは再び絵画作りに没頭しますが…。

この作品、邦題は「ゴッホ」ですが、原題は「Vincent & Theo」つまり、兄弟の物語なんですね。

これ昔、BSで観たんです。ぼへーっと。気が付いたら号泣。しかも声まで出して(笑)自分でもビックリでした。なんでしょうね。コンディションの問題??お互いに無いものを求め合って依存しあっている姿がものすごく切なかったんですね。「ふたりでひとり」そんな兄弟です。ティム・ロスの演技がいいんです。どうにかしたくても、どうにもならない(できない)もどかしさ、不安感、絶望、悲しさが、がっつり伝わってくるんです。今観てどう思うのか、ちょっと気になります。もう一度観てみたいですね。

ゴッホ@映画生活
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