釣釜の季節を迎えました。
天井から吊るされた釜、揺れる風情には味わいがありますね。
二月の大炉から釣釜に変わると一気に季節が進んだように感じます。
さて、釣釜の時によく使われる雲龍釜の釜蓋は釜と同じ素材で、摘みは掻き立て鐶となっています。
掻き立て鐶とは、釜蓋の摘みに鐶(鉄の輪)がついているものです。
通常、鐶といえば、釜の両脇に付いている鐶付に通して、釜の上げ下げをする時に使うのですが、
掻き立て鐶は、釜蓋の上に鐶付があり、鐶が通されていて、その鐶の輪先が曲がって延び、蓋に降りている形になっているのです。
そのことで、鐶自体には熱が伝わり難くなるという工夫なのだそうです。
釜に蓋をしている間は、鉄の輪の突起を下にして、つまり、釜の蓋に突起を当てた状態にしておきます。
言葉で書くと、知らない方にはなんのことやらわかりませんね。
なかなか難しいので、掻き立て鐶の写真を添付しておきます。
この掻き立て鐶の扱いは特殊でもあり、慣れないと厄介でもあります。
この釜蓋をどうやって開けるか、想像してみて下さい。
輪っかに指を入れて持ち上げることは絶対にしません。
① 釜の蓋を帛紗で開ける時が難しい。
釜の蓋を開ける時は、当然のことながら、この摘みを帛紗で覆って持ち上げるのですが、
これが結構難しい。
輪っかだけを摘まんでしまうと、蓋がぶらぶらして安定せず、蓋置の上に置くのも危ない。
輪っかと共にその下の摘みをしっかりとつかまなければならないわけです。
これまでなんとなくできたり、できない時もそのままスルーしてきたのですが、
今回はどうやったらしっかり摘まめるのか、途中点前をストップして、先生に伺いながら納得いくまで
摘まむ練習をしました。
通常、たたんだ帛紗を釜蓋において、両脇から指をひきよせるようにして蓋をつまみますが、
掻き立て鐶の時は、たたんだ帛紗を蓋の上に乗せ、前後から指をかけるようにします。
親指を手前から帛紗の間にいれつつ(熱くないように)、輪っかの下から摘みにまで到達させる。
蓋のツマミ向こうを帛紗の上から中指を中心として押さえて、親指と人差し指、中指でしっかりとつかみ上げる。
釜の蓋は一度ぐっと真っすぐに上にあげ、手前に引いて(自分から見て向こうを下にさげて)、
蓋の露(蓋についた水蒸気)を切ってから、蓋置に移動させる。
② 蓋置の上での掻き立て鐶の扱い
釜の蓋の上に茶巾を置く時、掻き立て鐶は茶巾のふくらみを使って向こう側に倒す。
(鉄の輪の突起を上向きにする)
茶巾を釜蓋から取り上げる時、倒した掻き立て鐶を起き上がらせ、最初の形に戻す。
茶巾のふくらみを使って鐶を動かすのもコツがいります。
釜の蓋には色々な形がありますが、この掻き立て鐶は、釜と蓋が同じ素材、鉄製であり、
摘みの元々の形、原形を留めたものと言われています。
そう思うと、益々しっかりと学んでおきたいという気持ちになります。
こんなに長くお稽古していても、掻き立て鐶の持ち方を意識して行ったのは初めてでした。
基本の扱いはありますが、あとはお客様から見て美しく、自身がスムーズにできるように
精進したいと思います。
釣釜、掻き立て鐶のお稽古をされている方は、是非、意識して扱ってみて下さい。
天井から吊るされた釜、揺れる風情には味わいがありますね。
二月の大炉から釣釜に変わると一気に季節が進んだように感じます。
さて、釣釜の時によく使われる雲龍釜の釜蓋は釜と同じ素材で、摘みは掻き立て鐶となっています。
掻き立て鐶とは、釜蓋の摘みに鐶(鉄の輪)がついているものです。
通常、鐶といえば、釜の両脇に付いている鐶付に通して、釜の上げ下げをする時に使うのですが、
掻き立て鐶は、釜蓋の上に鐶付があり、鐶が通されていて、その鐶の輪先が曲がって延び、蓋に降りている形になっているのです。
そのことで、鐶自体には熱が伝わり難くなるという工夫なのだそうです。
釜に蓋をしている間は、鉄の輪の突起を下にして、つまり、釜の蓋に突起を当てた状態にしておきます。
言葉で書くと、知らない方にはなんのことやらわかりませんね。
なかなか難しいので、掻き立て鐶の写真を添付しておきます。
この掻き立て鐶の扱いは特殊でもあり、慣れないと厄介でもあります。
この釜蓋をどうやって開けるか、想像してみて下さい。
輪っかに指を入れて持ち上げることは絶対にしません。
① 釜の蓋を帛紗で開ける時が難しい。
釜の蓋を開ける時は、当然のことながら、この摘みを帛紗で覆って持ち上げるのですが、
これが結構難しい。
輪っかだけを摘まんでしまうと、蓋がぶらぶらして安定せず、蓋置の上に置くのも危ない。
輪っかと共にその下の摘みをしっかりとつかまなければならないわけです。
これまでなんとなくできたり、できない時もそのままスルーしてきたのですが、
今回はどうやったらしっかり摘まめるのか、途中点前をストップして、先生に伺いながら納得いくまで
摘まむ練習をしました。
通常、たたんだ帛紗を釜蓋において、両脇から指をひきよせるようにして蓋をつまみますが、
掻き立て鐶の時は、たたんだ帛紗を蓋の上に乗せ、前後から指をかけるようにします。
親指を手前から帛紗の間にいれつつ(熱くないように)、輪っかの下から摘みにまで到達させる。
蓋のツマミ向こうを帛紗の上から中指を中心として押さえて、親指と人差し指、中指でしっかりとつかみ上げる。
釜の蓋は一度ぐっと真っすぐに上にあげ、手前に引いて(自分から見て向こうを下にさげて)、
蓋の露(蓋についた水蒸気)を切ってから、蓋置に移動させる。
② 蓋置の上での掻き立て鐶の扱い
釜の蓋の上に茶巾を置く時、掻き立て鐶は茶巾のふくらみを使って向こう側に倒す。
(鉄の輪の突起を上向きにする)
茶巾を釜蓋から取り上げる時、倒した掻き立て鐶を起き上がらせ、最初の形に戻す。
茶巾のふくらみを使って鐶を動かすのもコツがいります。
釜の蓋には色々な形がありますが、この掻き立て鐶は、釜と蓋が同じ素材、鉄製であり、
摘みの元々の形、原形を留めたものと言われています。
そう思うと、益々しっかりと学んでおきたいという気持ちになります。
こんなに長くお稽古していても、掻き立て鐶の持ち方を意識して行ったのは初めてでした。
基本の扱いはありますが、あとはお客様から見て美しく、自身がスムーズにできるように
精進したいと思います。
釣釜、掻き立て鐶のお稽古をされている方は、是非、意識して扱ってみて下さい。