茶の湯 徒然日記

茶の湯との出会いと軌跡、お稽古のこと

利休百首22

2020-06-26 20:47:39 | 利休百首
22.筒茶碗深き底よりふき上り 重ねて内へ手をやらぬもの


 筒茶碗は湯が冷めないように寒い時期に使われる茶碗で、
湯のみ茶碗のように筒状で深いため、
茶巾で清める時も独特な扱いになる。

 筒茶碗を清める時は、
茶巾を人差し指と中指ではさむようにして、
まず底を拭き、
茶巾を挟みながら茶碗の縁にかけて、
通常通り3度半回し拭き、
右手で茶碗を茶巾ごとつかんだまま下に置いて、
茶巾を引き抜き、上を少し折りたたんで、
釜の蓋の上に置く。


 これは、底を拭く時に指や手先が茶碗の内部に
ふれるのを避けるためである。



 筒茶碗には、特別な「絞り茶巾」という扱いもある。

 茶巾を水屋でしぼった形のまま、茶碗にたてかけるように仕込む。
釜の蓋をあけたら、絞り茶巾を横一文字に蓋の上に仮置きする。
茶碗に湯をいれ、茶筅を茶碗にいれたら
蓋の上の絞り茶巾をとって、通常通りたたみ、蓋の上に置く。
そのあと、茶筅通しをし、茶碗を茶巾で清める。

 茶碗に湯を入れた後、茶巾をたたむのは、
茶碗が少しでも温まるように、温かい茶を届けるための配慮でもある。



 少々季節外れにこの首を扱うことになりました。
 今は夏。
 きっと、皆様、平茶碗に洗い茶巾を仕込んだり、葉蓋を使ったり、釣瓶に名水など、
涼しげな取り合わせと水音と共にお稽古されているのではないでしょうか。

 夏には涼しさを演出する「洗い茶巾」と「平茶碗」
 冬には温かさを届けるための「絞り茶巾」と「筒茶碗」

 季節ごとに小さなおもてなしが散りばめられていることに、
感心しつつ扱いの勉強です。

<ご参考>
葉蓋と洗い茶巾
名水点

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